BroadwayConは本当に巨大なイベントだった
MAINSTAGEの様子
以前紹介した、『レント』のアンソニー・ラップらが創設したブロードウェイ初のファンコンベンション、『BroadwayCon』が1月22日(金)~24日(日)の日程で開催された。期間中ちょうどNYにはいるものの、観劇に忙しく立ち寄る時間はないと思っていたのだが、大雪により土曜の昼夜公演が中止となったので行ってみた。第2回の開催が早くも決定しているようで、参戦に値するかどうかを見極めるお役に立つべく、各企画の中身よりもイベント全体の様子を中心としたガイド的なレポートをお届けしたい。
ファンクラブイベント+アフタートーク+オフ会+講座
会場内に設置された看板
ファンクラブイベントと、アフタートークと、オフラインミーティングと、カルチャーセンターの演劇系講座の集合体。“コミコンの演劇版”と言われても、コミコン自体に馴染みがないのでピンと来ていなかったが、たとえるならばそんな感じの巨大イベントだ。ヒルトンホテルの2階で受付を済ませるとパスやプログラムが配られ、パスを首から下げていれば出入りは自由。3階の広い宴会場を利用したMAINSTAGEと2階にある会議室、合わせて7会場で毎日朝から夜中まで、大体1時間を1コマとして様々な企画が行われている。
3階にはまた、MARKETPLACEと呼ばれる物販部屋もあり、書籍やグッズなどのブースがいくつも並ぶ。1日パスや3日間通しパスとは別に、この部屋だけに入れるが割安で販売されているが、物販ブース自体にはお金を払う価値は全くないので要注意。MARKETPLACEを買うファンの目的はこの部屋の奥にあるサイン会&撮影会コーナーで、人気スターがいる時間には長蛇の列ができていた。ただし、ほかのコマがほとんど早い者勝ちなのに対し、サインと撮影には予約が必要なのでこれまた注意が必要だ。
オタク同士の交流と演劇人の育成のために
受付で配られるパスとオタクグッズ
このサイン会&撮影会や、スターによるコンサートやゲーム大会が「ファンクラブイベント」部分だとすると、「アフタートーク」にあたるのが作品ごとの創作秘話トークショー。筆者は残念ながら参加できなかったが、『ハミルトン』『春のめざめ』『レント』などの作者とキャストによるトークはどれも盛況だったようだ。「オフラインミーティング」は読んで字の如くで、作品や作曲家くくりのミーティング用のコマがいくつか設定されているほか、パスに名前と好きな作品を書く欄があり、オタク同士の交流ができるよう配慮されている。
そして「カルチャーセンターの演劇系講座」に近いのが、ダンスや歌のワークショップと、職業別のトークショー。作家、演出家、振付家、プロデューサー、美術や衣裳デザイナー…ブロードウェイの第一線で活躍するクリエイターが何人かずつ集まり、司会者とともに繰り広げるあるあるトークは聞き応え十分。演出家や振付家が、観客に「この中で自分もやっている人?」と問いかけると半数近くが挙手していたことから、BroadwayConが演劇ファンだけでなく、演劇界を目指す人のためのイベントでもあることがわかる。
これだけ多様な企画が同時進行で行われているだけに、どのコマに参加するかは実に悩みどころ。だが前述の通り、ほとんどは早い者勝ちだし、途中入退室もわりと自由。公式アプリをダウンロードしておけば、最新情報が随時配信されるので、スマホを片手にウロウロしてみよう。ただし、やはりそこはアメリカ(さらにこの日は大雪の影響もあったのだろうが…)、予告された登壇者がしれっと来ていなかったり、配信された情報が最新じゃなかったりすることはしょっちゅうなので、ユルい気持ちで参戦することをオススメする。