吉田鋼太郎が美女と巡った大人な“小石川”

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2016.2.13


■ 【連載】聖地巡礼さんぽ~あの作品の街を歩く~Vol.5

漫画や映画、ドラマなど、人気作品の舞台となった街を散策し、“住みたい街”としての魅力を深堀していく本連載。ここからみんなの“住みたい街”が見つかるかも?

第5回は、前回に続き吉田鋼太郎主演の連続ドラマ「ドラマ24・東京センチメンタル」(テレビ東京系)から、2月5日放送回「小石川の恋」をピックアップ。

“バツ3、独身、55歳”の恋多き和菓子職人・久留里卓三(吉田)を翻弄する美女は、奥貫薫扮するイタリア帰りのひとみ。行きつけの小料理屋でひとめぼれをした彼女から「散歩に付き合ってくれないかしら?」と誘われ、運命を感じた卓三が、「小石川に来てよかった、ありがとう小石川」と心の中でつぶやき、物語は動き出す。

こうして2人が巡る散歩スポットと共に、小石川周辺エリアの魅力を紹介する。

■ 「牛天神 北野神社」

撫でると願いが叶う“撫で岩”発祥の神社、通称“牛天神(うしてんじん)”。「鎌倉時代、源頼朝がこの地で休んでいた時、牛に乗った菅原道真公が夢に現れ、2つの喜びが現れるであろうというお告げをしました。1つが長男・頼家の誕生。もう1つが平家との戦の勝利。翌年そのお告げが現実になったので、頼朝が牛に似た岩をまつって創立したのがこの牛天神なんです」と、劇中で卓三がひとみに解説。その境内にある牛に似た岩は“ねがい牛”と呼ばれ、撫でると願いが叶うと言われている。

また境内の一角に立ちながら卓三は、葛飾北斎の富嶽三十六景「礫川雪ノ旦(こいしかわゆきのあした)」に描かれているのが「かつてこのあたりにあったお茶屋から、遠く富士を望んだ図だと言われています」と、北野神社に関するうんちくを披露する。

■ 「小石川後楽園」

劇中で、卓三とひとみが歩く姿が絵になる「小石川後楽園」は、江戸時代初期の1629(寛永6)年に、水戸徳川家の初代藩主・頼房が江戸の中屋敷(後に上屋敷)の庭として造り、二代藩主の光圀の代に完成した庭園。

光圀の儒学思想の下に築園され、「後楽園」の名も中国の教え「(士はまさに)天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」に由来する。

また、池を中心にした回遊式築山泉水庭園になっており、随所に中国の名所や日本各地の景勝を模した湖・山・川・田園などの景観が表現されているのも特徴だ。なおこの「小石川後楽園」は、文化財保護法により特別史跡および特別名勝に指定されている。

「複合商業施設『東京ドームシティ』、古くから庶民の信仰を集める社寺、歴史ある庭園などを有する小石川界隈。多くの路線も乗り入れているので主要地へのアクセスにも便利です。四季折々の風情を楽しむなら、小石川後楽園がおすすめ。都心部にありながら、江戸時代初期からの佇まいが残る名園です」(小石川後楽園の大田さん)。

■ 「海鮮 うにくら」

卓三とひとみがお酒を酌み交わすのが、水道橋駅近くの「海鮮 うにくら」。“うに+いくら=うにくら”の店名通り、函館から直送される生ウニとイクラを中心とした海鮮料理が自慢の居酒屋だ。特に、形を整えるためのミョウバンを使わない無添加のウニは好評で、「もともと苦手だけど、この店のウニは食べられる」という人も多いという。さらに、料理との相性がいいことから、各地の厳選銘柄や季節限定など、日本酒も豊富に取りそろえている。

また同エリアには、愛媛宇和島から直送されるアワビをメインとした「極上海鮮あわ美」、高知県沖ノ島で採れた地魚が食べられる「立ち呑み海鮮 魚升」といった系列店も。

「水道橋駅周辺は飲食店が多く、裏道などにも個人店が増えているので、食事をするには困らないと思います。うちも高級食材を扱っていますが破格で提供しているので、堅苦しくなく、いつもにぎやかに使っていただいています。自分へのごほうびとして、気軽に来てほしいです」(料理長の和田孝次さん)。

■ 「播磨坂さくら並木」

春日通りの小石川五丁目交差点から千川通りの植物園前までを結ぶ坂道で、「文京さくらまつり」の会場になっているサクラ並木。江戸時代にこのあたりが松平播磨守の上屋敷であったことにちなみ名付けられた。中央部分が緑道として整備され、緑だけでなくせせらぎや彫刻作品も楽しめる。

劇中では、卓三とひとみにとってのラストシーンで雨上がりの夜の播磨坂が使われ、ドッキリとする展開と合わせ、印象的な景色を演出している。

下町巡りを趣味とする卓三が「このあたりはまだ、江戸の風景がいろんなところに残っていて、下町好きにはたまらない場所なんです」と語る小石川エリア。東京ドーム周辺こそ観光・レジャースポットにもなっているが、由緒ある古社寺が点在し、自然豊かな小石川後楽園もあり、心やすらぐ雰囲気に満ちている。実際に歩いてみると、土曜日であっても街が穏やかで、気持ちをフラットにしてくれる空気感があり、疲れがたまっていても休みの日には外へ出ようかな、と思える気がする。

落ち着いた空気のなかで暮らしたい人はもちろん、日ごろあくせくと働いている人も帰ってくれば「小石川に来てよかった、ありがとう小石川」とほっとできる生活ができるかも。【東京ウォーカー】

第6弾は2月下旬配信予定
 

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