Sick2「天使VS悪魔」の新宿ReNYワンマンライヴレポート
Sick²
2016年5日5日(木)新宿ReNYを舞台に、Sick2が『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。6』を開催した。
この日のライヴは、4月6日に2作同時リリースとなった「絶対天使領域」と「妄想悪魔審判」にて着用していた2パターンの衣装のどちらかをファンが投票して、多かった方の衣装を着て登場することになっていた。どちらの衣装になるのか、ファンもドキドキワクワクだったことだろう…。
Sick2のメンバーがスクリーンに現れ、悪魔→天使→悪魔→天使と入れ替わりながらの投票結果を発表。と思わせつつも映像が突如消え、「絶対天使領域」が流れ出す。誰もが決戦投票の結果は天使の勝利か?と思った瞬間に音が途切れ、「君は小悪魔…僕は?」という音声が流れ出し、赤い照明に照らされながらも、メンバー全員が悪魔の衣装を身にまとい登場した。不気味なイントロがフロア全体に響き渡り、幕開けを告げたのは「妄想悪魔審判」。オーディエンスは上手と下手にモッシュをしながら大きく腕を上に広げたり、「殺せ、殺せ」というフレーズに合わせ拳を上げまくる。
「ようこそ新宿ReNY。聞こえねーぞ!!」というジェネ★の煽りと共に邪悪な世界をガラッと変えたのが、和テイストなテクノポップが印象的な「CRAZY TOKYO」。扇子をくるくる回すファンの姿は、和の世界に華を添えているようだった。軽快なゲーム音のようなイントロから始まるのは「(8-bit)ch」。メロディアスになるサビで、両腕を横に大きく揺らし動かしまくる人たちの姿も。どこか不思議で魅惑なメロディへ虜にされてしまうような「サイコロジカル・ラビリンス」が流れ出した。ジェネ★の真似をしながら、しゃがみこんだり手をぐるぐる回しながら踊り狂う観客たち。「そろそろエンジンかけていこうぜ!」と更にオーディエンスを煽り始まったのは「Pandemix」。曲間で逆ダイが次々に行われ、ヘドバンの渦が巻き起こった。
ここでMCへ。
「新宿ReNYの1階にはロイヤルホストがあるんですけど、ここでライヴをやると毎回苦情が来るらしいんですよ! でも今日は一番新宿ReNYを揺らそうと思います。もっと揺らそうぜ!!」とジェネ★が告げると「ロデオドライヴ」へ。ジェネ★が持っているグリーンのペンライトに誘導されながら、慣れた手つきで体を揺らすファンたち。Yuzuのギターソロでは大きな咲がフロア全体に広がり、更に祭-まつり-のギターソロでも輝かしいほどの咲が舞っていた。パラパラのようなフリが細やかな「CLUBSICK」ではキュートなSick2コールが!
「Fiv Five」では明るくテンポの速いメロディで、今までの毒っ気のある世界とは異なり、暖かみのある空気間を作りだしていた。またも、闇の世界に巻き戻したのは青黒い照明に照らされながら手バンが巻き起こった「フレゴリの錯覚」。「もっと痛いのちょうだい…!!」とファンに攻撃しまくるジェネ★。その姿はファンと愛のバトルをしているかのよう。
奇声を上げ「お腹空いたな…僕の大好きな赤いショートケーキ…」と叫ぶジェネ★の言葉に続いたのは「赤いショートケーキ」。まるでケーキを切ってしまうかのように、リストカットのフリをするオーディエンスの姿が印象的で、メンヘラチックな世界に引き込まれる。
Sick²
祭-まつり-とYuzuのギターソロでは興奮を掻き立てるような鋭い音使いで、二人から目が離せなくなるほど。たくまのベースソロで重低音が響き渡り、大志のドラムビートで更に観客たちの熱もヒートアップする。拳を上げヘドバンをしまくり暴れ狂うのは『VOID』。「愛してるから愛してるから」というジェネ★の歌に酔いしれ、激しさを加速させていく。
「みなさんメンバー全員の声が聞きたいですか?」とメンバートークへ進み、おかしな話題を勃発したりしてフロア全体に笑いが巻き起こっていた。
「ここから終盤戦になります。みなさんここまで胸を張って本気でやったと言えますか? 残りの曲思いっきり全員で暴れたいと思います。暴れる準備はいいかい? 君は小悪魔…僕は?」とジェネ★が告げると「deep:sleep」へ突入。ダークで妖しい音色と共にヘドバンの連鎖が起こる。赤黒く照らされた照明と共に、オーディエンスが両目を手で覆い指の間からステージを見るフリの『眼球』では、十分目に焼き付くほどの哀愁漂う音色と光景が見れたことだろう。
「鬼畜カレシ」では、ホラーハウスに入りこんでしまったような感覚に堕ちいるほどのイントロで、恐怖を感じさせた。ここでもまたヘドバンと折り畳みが飛び交う。自傷行為が今にも行われてしまいそうなフリでインパクトを与えてしまうのが、「カッターナイフ」。たくまのベースソロが切なさを描き出し、激しく狂うフロアに拍車をかける。ジェネ★が「もっと声ちょうだい」と言いながらシャウトを上げたのは「Dr.Earache」。「次の曲でラストだ! いいか? 明日死ぬかもしんねーぞ。いけるか!? いけるか?」とラストの「ヴィデオドローム」へ。どんどんヴォルテージが上がっていき、新宿ReNYが壊れてしまうんじゃないか? というぐらいフロアが揺れていた。
ここで一度本編の幕は閉じる。そして、ステージに大きなスクリーンが下り、今回の悪魔VS天使の投票結果数が提示された。その後は、歴代のMVが流れ出し、今日のワンマンを収録したDVDの発売と全11カ所のツアー発表の告知動画が流れた。また後に、謎の号外配布が予定されているようだ…。
アンコールでは「絶対天使領域」へ。普段の真っ白な衣装に赤く血塗られたデザインで登場。爽やかで落ち着いた感じのメロディに包まれながら、天使に忠誠を告げるように満面の笑みではしゃぐファンの姿。刻むギターリフが耳に残るイントロで、続いたのは「isotope」。可愛らしい天使が地獄に堕ちて行ってしまうかのように見れるほどのヘドバンが。
最後のMCで、「みんなアンコールありがとう。全カ所…11カ所回ります。そしてファイナルは新宿BLAZEでやります。今回は悪魔が勝ったので衣装は堕天使バージョンです」とジェネ★が告げると、コミカルなメンバートークへと続いた。中でも、大志の愛嬌溢れるキャラが醸し出すトークでは、ファンもニコニコと笑顔が絶えないほどだった。
「君はエンジェル…僕は堕天使」という合言葉を放ち流れたのは、「LIVE ALIVE」。明るくてワクワクするようなポップなリズムに合わせて、無邪気に飛び跳ねたりする観客たちが見られた。ラストを飾ったのが、「Lavi!」。この楽曲では銀テープが飛び交いながらもファンの熱意溢れる姿が最高潮の景色を描き出しており、天使が光を導き出してくれたように感じた。こうして、熱狂を振りまきながらもこの日のライヴは幕を閉じていった。
Sick²
今回の投票結果では見事、悪魔が勝ち、悪魔の衣装に身に纏った姿で多いにファンを魅了したSick2。あなたの投票した結果にはなっただろうか? 最初から最後まで、激しさと毒っけのある彼らのステージは必ず虜にする力を持っていたことだろう。それに加えて、ワンマンツアーや歴代MVのDVDの発売決定などファンには嬉しい発表が盛りだくさんだった。
全11カ所のツアーが決定し、12月にはツアーファイナルを新宿BLAZEで行う彼らは、止まることをせず走り続けるだろう。これからどんどん動き出すSick2に注目し、虜になってみてはいかが?
文=橋本 美波
2016年5月5日(木)新宿ReNY
01.妄想悪魔審判
02.CRAZY TOKYO
03.(8-bit)ch
04.サイコロジカル・ラビリンス
05.Pandemix
mc
06.ロデオドライヴ
07.CLUBSICK
08.Fiv Five
09.フレゴリの錯覚
10.赤いショートケーキ。
11.VOID
mc
12.deep:sleep
13.眼球
14.鬼畜カレシ
15.カッターナイフ
16.Dr.Earache
17.ヴィデオドローム
[ENCORE]
18.絶対天使領域
19.isotope
mc
20.LIVE ALIVE
21.Lavi!
2016年7月13日(水)発売 価格 5,500円(税抜)
(DISC1) MV集収録
1.ロデオドライヴ
2.Fiv Five
3.CLUBSICK
4.鬼畜カレシ
5.冬の終わる場所
6.CRAZY TOKYO
7.絶対天使領域
8.妄想悪魔審判
(DISC2) 2016.5.5 新宿ReNYワンマン映像収録
2016年11月3日(木・祝)新宿RUIDO K4
2016年11月8日(火) 札幌Crazy Monkey
2016年11月10日(木)仙台HooK
2016年11月18日(金)浜松FORCE
2016年11月19日(土)名古屋HOLIDAY NEXT
2016年11月21日(月)福岡DRUM SON
2016年11月22日(火)広島セカンドクラッチ
2016年11月24日(木)心斎橋VARON
2016年12月3日(土)長野J
2016年12月22日(木)高松DIME
[開場]18:00 [開演]18:30
[]前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000(ドリンク代別)
Sick2 ONEMAN TOUR FINAL 『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。7』
2016年12月27日(火)新宿BLAZE
[開場]18:00 [開演]18:30
[]前売 ¥3,800 / 当日 ¥4,300(ドリンク代別)