カクシンハン的シェイクスピア「リチャード三世」ただいま上演中!
「カクシンハン版 リチャード三世1471-1485」
シアターカンパニー・カクシンハンの第9回公演「カクシンハン版 リチャード三世1471-1485」が現在シアター風姿花伝にて上演されている。
世界を憎悪し、信じるものは己の野心のみ。王位のためには手段を選ばないリチャードは、実の兄を陥れ、殺した敵の妻を口説き、幼な子を惨殺し、利用し尽くした臣下はゴミのように捨て、疾走する。爽快なまでの「悪」を貫くシェイクスピアの生みだしたトリックスター。「悪」の先に待ち受けていたものとは・・・
シェイクスピア作品の中でも人気が高く、日本でも様々な座組みで上演されている本作。シンプルなステージの上に何かを暗示させるような映像が重なり、ステージ脇で様々な打楽器を打ち鳴らすユージ・レルレ・カワグチの「音」と、河内大和、真以美らキャストたちの「身体」がぶつかり合いながら進んでいく物語。
「カクシンハン」主宰であり演出家の木村龍之介は、本作でシェークスピアという「古典」と映像や音楽などの「現代」とを掛け合わせ、実にエネルギッシュな舞台を作り出している。また、舞台美術を担当したのは、読売演劇大賞・最優秀スタッフ賞受賞歴を持つ文学座の乘峯雅寛。白を基調としたシンプルなステージだが、そこに上手・下手だけではなく「中奥」という出入口を作ったことで、キャラクターたちにより生々しく動き回る「自由」を与えている。
注目したいのは、リチャード三世役・河内の存在感。迷いなく悪事に手を染めていく前半と、玉座を得たのにも関わらず心の闇に落ちていく後半。ジェットコースターのようなリチャードの生涯をテンポよく演じている。河内の肉体と精神の表現力は、リチャードだけでなく、違う作品・キャラクターでも観てみたいと思わせる役者だ。
河内大和「カクシンハン版 リチャード三世1471-1485」
本作はシアター風姿花伝の2016年度プロミシングカンパニーとして初めてのロングラン公演ということで、今月31日まで同劇場で上演されている。2017年には東京芸術劇場に進出予定とのこと。その前に、まずはどの席で観ても役者の熱が伝わるシアター風姿花伝でぜひお楽しみを。
※本公演のトレーラーはこちらでご確認を↓
「カクシンハン版 リチャード三世1471-1485」
■会場:シアター風姿花伝
■作:W・シェイクスピア
■翻訳:松岡和子
■演出:木村龍之介
■出演:
河内大和
真以美
のぐち和美
岩崎MARK雄大
穂高
浜ゆうこ
阿久津紘平
大津留彬弘
井上哲(以上、カクシンハン)
神保良介
鈴木智久 スタジオライフ (◯ダブルキャスト)
白倉裕二 (◯ダブルキャスト)
葛たか喜代 (◇ダブルキャスト)
奥山美代子 文学座 (◇ダブルキャスト)
山口祥平
長田大史
田部圭祐
福島和也
桜木綾
■TICKET【全席指定】
・一般4,000円
・U-222,500円