『題名のない音楽会』新司会者の五嶋龍が佐渡裕と会見
2015.8.1
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五嶋龍(左)佐渡裕(右)
指揮者の佐渡裕が、テレビ朝日『題名のない音楽会』の司会を9月で卒業、10月からは、ニューヨークを拠点に世界中で活躍している、ヴァイオリニストの五嶋龍が5代目司会者に就任する。番組歴代最年少の司会者だ。
五嶋龍は、ニューヨーク生まれ。7歳でコンサートデビュー後、ソリストとして日本国内のオーケストラはもとより世界各地のオーケストラと共演し、高い評価を得ている。また、卓越した国際感覚の持ち主としても多くの人々を引きつけ、クラシック界に限らず幅広い交流をもつ。
そんな五嶋の持ち味を生かせる異ジャンルとのコラボレーション・プログラムも多数企画されているという番組の収録に臨んだ五嶋が7月30日、佐渡とともに会見を行った。
(取材・文:編集部 写真:M.Terashi/TokyoMDE)
会見ではサプライズとして、五嶋(当時7歳)のコンサートデビューで佐渡との初共演となった1995年のパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)で演奏中の写真が披露され、写真を見ながら佐渡は五嶋を「神童あらわる」、五嶋は佐渡を「でかい」と、当時の互いの印象を振り返った。五嶋は初共演の時より成長しているとはいえ、未だに佐渡に対して「でかい」という印象は変わらないという。
PMFオーケストラ演奏会(指揮:佐渡裕、ヴァイオリン:五嶋龍 1995年7月)の写真を前に談笑
収録について五嶋は、最初はPMFでのデビューの時と同じように無心で必死だったと語りながら「4回の収録を終えて、普段の演奏会だけでは絶対に出会えないであろうアーティストと出会える環境はとてもラッキーで、出会いの場であり、まだ4回だけの収録ですが、アーティストとして成長させてもらっている。『題名のない音楽会』は教育番組であってそうでないもの、家族でエンジョイできるもの、クラシックのファンとクラシックファンではない人、すべての人に音楽について考えてもらえるものにしたい。ターゲットは“全員”で、これまでの51年間のファンを逃がさず、また、新しいファンも獲得していきたい」との抱負を語った。
今年9月から佐渡は、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任する。これまでも海外での収録を行ってきた『題名のない音楽会』だが、今後の共演の可能性を聞かれた両者は「ぜひ実現したい」と実現に向けた期待を語った。
最後に五嶋は『題名のない音楽会』という番組を51年の歴史を重く感じすぎないように、でも伝統を継承しつつ、変化をさせ、進化するという大きなストーリーを描いており、新しい『題名のない音楽会』を作っていきたいと締めくくった。