東京フィルハーモニー交響楽団 ハートフル コンサート 2015 名曲とともに平和の尊さをかみしめる
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名曲とともに平和の尊さをかみしめる
 毎年8月15日の終戦記念日に、東京フィルはユニセフ親善大使である黒柳徹子のトークを交えた『ハートフル コンサート』を開催している。戦争の犠牲者たちへ祈りをささげるとともに、黒柳徹子がユニセフ親善大使として各地を巡った際の近況が報告され、子どもたちが健やかに日々を過ごせることの大切さを改めて実感できる特別なコンサートとなっている。
  プログラムは親しみやすい曲目が中心で、ファミリーでも楽しめる。スッぺの喜歌劇《軽騎兵》序曲で軽快に幕を開け、ボロディンの歌劇《イーゴリ公》より「だったん人の踊り」、佐藤眞のカンタータ「土の歌」より「大地讃頌」、ベルリオーズの「ラコッツィ行進曲」が続き、シベリウスの交響詩「フィンランディア」で壮大に締めくくられる。今年は一段と華々しい曲目が並んだ感がある。指揮を務めるのはベテラン、尾高忠明。それぞれの名曲の魅力を雄弁に伝えてくれるにちがいない。
  音楽に加えてこのコンサートの魅力となっているのは黒柳徹子の司会ぶり。型にはまらない率直な語り口に、温かい人柄がにじみ出る。さりげない指揮者とのやりとりも楽しい。8月15日に思いを馳せながらも、音楽の愉悦に存分に浸ることができるだろう。
 文:飯尾洋一
 (ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)
『ハートフル コンサート』
 8/15(土)18:30
 東京芸術劇場 コンサートホール
 お話:黒柳徹子 
 指揮:尾高忠明
 演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
 曲目:
 スッぺ/喜歌劇『軽騎兵』序曲  
 ボロディン/歌劇『イーゴリ公』より”だったん人の踊り” 
 佐藤眞/カンタータ『土の歌』より“大地讃頌” 
 ベルリオーズ/ラコッツィ行進曲 
 シベリウス/交響詩『フィンランディア』
 問:東京フィル
http://www.tpo.or.jp