宝塚歌劇雪組公演ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』/ショーグルーヴ『Greatest HITS!』制作発表会レポート!

レポート
舞台
2016.7.26
宝塚歌劇雪組制作発表会より、左から望海風斗、早霧せいな、咲妃みゆ(撮影/石橋法子)

宝塚歌劇雪組制作発表会より、左から望海風斗、早霧せいな、咲妃みゆ(撮影/石橋法子)


今秋、兵庫と東京で宝塚歌劇雪組公演、ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』(作・演出/正塚晴彦)、ショーグルーヴ『Greatest HITS!』(作・演出/稲葉太地)が上演される。一幕は20世紀半ばのロサンゼルスを舞台に、探偵事務所を営むケイレブの恋と友情が描かれる。二幕のショーは、耳馴染みのある楽曲に乗せて、グレイテストな雪組出演者が煌めくハーモニーと情熱的なダンスをお届けする。19日には制作発表会が開かれ、雪組トップスター・早霧せいな、トップ娘役・咲妃みゆ、望海風斗らが登壇。一部作品を披露した後、意気込みを語った。

正塚晴彦:『私立探偵ケイレブ・ハント』作・演出

『私立探偵ケイレブ・ハント』作・演出の正塚晴彦

『私立探偵ケイレブ・ハント』作・演出の正塚晴彦

大劇場で久しぶりのオリジナル作品ということで、モチベーションはマックスですね。ワクワクしている状態です。今の雪組は娘役はもとより、男役に人材が豊富だなと感じております。主役の二人を含めどうすれば全員が一番魅力的に見えるのか、良い舞台にしたいと燃えているところです。過去に手掛けた探偵もの2作品は、どちらもシリアスなイメージでしたが、今回は魅力的なキャストが多いので、探偵ものでありながらも、人間ドラマとしての脚本を書きたいなと思っています。そのなかで事件解決が鮮やかに描ければと、自分なりにも楽しみにしています。

『私立探偵ケイレブ・ハント』より早霧せいな(右)、咲妃みゆ

『私立探偵ケイレブ・ハント』より早霧せいな(右)、咲妃みゆ

『私立探偵ケイレブ・ハント』より早霧せいな(右)、咲妃みゆ

『私立探偵ケイレブ・ハント』より早霧せいな(右)、咲妃みゆ

『私立探偵ケイレブ・ハント』より早霧せいな(右)、咲妃みゆ

『私立探偵ケイレブ・ハント』より早霧せいな(右)、咲妃みゆ

稲葉太地:『Greatest HITS!』作・演出

『Greatest HITS!』作・演出の稲葉太地

『Greatest HITS!』作・演出の稲葉太地

雪組公演を担当するのは大劇場としては7年ぶりです。私自身大劇場デビューが雪組公演だったこともあり、すごく思い入れがあります。こうして早霧中心の雪組で久しぶりに巡り会うことができてとても嬉しく思っています。世界を繋ぐものがあるとすれば、それは歌だと思います。2016年最後の洋ものショーになりますので、世界中の人たちが口ずさめる歌をたくさん集めて、雪組とお客様が心を通わせられる楽しいショーを作りたいなと思います。

『Greatest HITS!』より雪組トップスター・早霧せいな

『Greatest HITS!』より雪組トップスター・早霧せいな

『Greatest HITS!』より望海風斗

『Greatest HITS!』より望海風斗

『Greatest HITS!』より早霧せいな、咲妃みゆ、望海風斗

『Greatest HITS!』より早霧せいな、咲妃みゆ、望海風斗

雪組トップスター・早霧(さぎり)せいな

雪組トップスター・早霧せいな

雪組トップスター・早霧せいな

最近は『るろうに剣心』、『ローマの休日』、望海風斗主演『ドン・ジュアン』と原作ものが続いていたので、ここで正塚先生と稲葉先生から今の雪組らしさを存分に発揮できるオリジナル二本立てを書いて頂き、雪組がまたひとつになって取り組める大劇場公演です。一人ひとりが力を余すことなく発揮して、私自身もお客様とともに楽しめる公演にしたいと思います。

雪組トップ娘役・咲妃(さきひ)みゆ

雪組トップ娘役・咲妃みゆ

雪組トップ娘役・咲妃みゆ

久しぶりにお芝居とショーの二本立ての作品に挑ませていただけることで今からとても意気込んでおります。新しい作品を生み出して下さいました正塚先生、稲葉先生の温かいご指導のもと、早霧せいなさん率いる雪組の一員として、楽しい作品をお届けできますよう一生懸命頑張りたいと思います。

望海風斗(のぞみ・ふうと)

望海風斗

望海風斗

正塚先生と10年ぶりにお芝居させて頂けることはもちろん、何よりも念願だった早霧さんの仲間の役ということで、そのことを今から楽しみにしていおります。ショーはお客様との距離がグッと縮まるところが好きなのですが、さらに今回は耳馴染みのある曲がたくさん盛り込まれるということで、いつも以上にお客様との距離感が縮まるのではないかと楽しみです。お芝居、ショー共に早霧さんにしっかりと着いていき、今の雪組を存分に楽しんで頂けたらと思います。

◎質疑応答

ーーお芝居では友情も見所のひとつになりそうです。正塚先生、早霧さん、望海さんは現段階で、友情という点でどんなプランを抱いていますか。

正塚:早霧、望海、彩風咲奈の3人はもともと知り合いという設定で、探偵事務所を共同経営しています。そこで個性に合わせて案件を分配して助け合いながらの友情や、時には「リスクが大きすぎるから俺は降りる」「裏切り者!」みたいなやり取りもありながら、シリアス一辺倒ではなく、思わず笑ってしまう部分も取り入れながら人間ドラマを描きたい。3人ということで望海はコスチュームからも分かるように、蝶ネクタイでちょっと洒落ものと言いますか、トラブルに立ち向かう中で、何か一言うんちくをたれるような、ちょっと面白いキャラクターを演じてもらおうかなと思っています。

早霧:正塚先生の作品は、人と人との会話劇の中から自分のキャラクターが浮き彫りになる面白さがあると思います。今回も作品の中で大門(望海の愛称)と思いきりぶつかって仲間になって、この二人だからこそ描ける友情をお届けできれば。(望海を見ながら)本気でぶつかっていくので、よろしくね!

望海風斗

望海風斗

望海:これまで早霧さんとは『ルパン三世』から何作かお芝居をさせて頂いているので、作り物ではない、自然な呼吸で作品が作り出せるのではないかと思います。(早霧を見ながら)私も本気でぶつかっていきたいと思います。

ーー先生方が感じられる早霧さんの魅力とは? 本作ではどう活かされますか。

正塚:まずは、きれいでしょ。きれいな男役だなと昔から思っているんですけど(笑)。芝居心で言えば、そもそも舞台というのは、あらかじめ作ったものをコレですと提示するものではなくて、その時々の出演者や環境、裏方のスタッフワークも含めて、同時進行で物が作られていくのが一番の面白味であり、生というのが一番の価値だと思います。早霧はもちろん稽古を積み重ねますが、本番ではそこを一切捨てて、舞台で生きているかのように演じる感覚を持っている人だと思います。それが結局、お客さんに対して説得力のある舞台を作り上げることに繋がると思うんですね。

さらに言いますと、早霧は単に台本をなぞるだけでなく、キャラクターがなぜその言動に出るのかという原因をみつけて役作りする。私の指示通りにやるということだけではなく、この人なりの新しいものを見るたびに感じられるというのは、演出家としては大きな魅力だと感じています。

稲葉:下級生のころからずっと変わらない印象は、元気玉のような元気のある人。どこまでも走っていったり、飛んでいっちゃいそうな、その元気が今回久しぶりにお会いしたらまったく変わっていなかった。リアクションの取り方など、さらに振り幅が大きくなっていました(笑)。また、色々な経験を積むなかで、エネルギーの出し方も熱さだけじゃない、深みも感じられるようになってきて。そんな彼女の魅力は、雪組にも波及していくので、彼らの魅力を最大限に味わって頂けるようなショーにしたいなと思っております。

ーー魅力溢れる雪組を得て、今回やってみたい演出プランなどは?

正塚:台本としてはキャラクターのプライベートな部分も色濃く描きたいので、特に主役の二人は最初から恋人同士の設定です。望海の方にも彼女がいて、3人の探偵が協力して事件に向かおうとするときに、彼女に止められたりする。そういう人間模様を際立たせるために、やってみたい演出はいくつかありますが、具体的には稽古を見ながらになると思います。今は宝塚音楽学校にも教えに行っていますが、演出家としてフィードバックしてくるものがたくさんあります。稽古の仕方も手数は増えていると思います。

稲葉:これはネタバレして良いと思うので、早霧にはサンタクロースをやってもらいます。元気なサンタクロースが慌てん坊すぎて早く街に行きすぎる、という所から始まります(笑)。咲妃とは初めてですが、常々ドラマ的な要素が入るとより一層魅力的になるタイプだなと思っておりましたので、芝居的な要素を持った一場面を担ってもらおうかなと。また、望海は圧倒的な歌唱力が武器ですから、今回はリアルな感情を歌に乗せて、歌で綴る一場面を考えています。他にも雪組には魅力的な方がいっぱいいますので、いろんなキャラクターを試しながら、やってみたいことも増えてくるんだろうなと、楽しみにしております。

ーー早霧さん、咲妃さんは過去の大劇場公演において、はっきりとしたハッピーエンドがなかったように思います。そろそろファンも楽しみにしていると思うのですが、その辺りはいかがでしょう。

雪組トップスター・早霧せいな(右)、トップ娘役・咲妃みゆ

雪組トップスター・早霧せいな(右)、トップ娘役・咲妃みゆ

正塚:ご期待に沿わないものにはならないと思います。今日二人が披露した「シティ・ラプソディ」という曲は、物語の一番良い場面で各キャラクターがそれぞれの立場で歌い継いでいくような、大きなナンバーが欲しいと思い作りました。最後にラブソングとして、もう一度歌うことを想定していますので、決して悲劇で終わる曲ではありません。この設定が大きく覆ることはないと思います。

早霧:ハッピーエンドについては今ご指摘を受けて、初めて意識しました(笑)。私自身、結末よりは作品の持つ大きなテーマがお客様に伝わることが一番だなと思っております。そのなかで、たとえ結末が超ハッピーエンドではなかったとしても、全体を通して温かいものがお客様に届けばいいのかなと思います。

咲妃:確かに悲しい結末を迎えた作品が多かったようにも思いますが、それでも登場する人物一人ひとりが懸命に生き抜いた結果なので。そこで緞帳が下りるだけで、その後も物語は続いていくと考えるならば、人生の一部分を切り取ったものとして、ご覧頂ければと思います。今回は早霧さんと初めて最初から恋人同士ということもあり、とてもありがたいことだなと思っています。(トップコンビとして)一年半以上ご一緒させて頂いているからこその空気感をお届けできれば。充実した舞台にしたいなと思います。

雪組トップスター・早霧せいな(右)、トップ娘役・咲妃みゆ

雪組トップスター・早霧せいな(右)、トップ娘役・咲妃みゆ

 
 
公演情報
宝塚歌劇雪組公演 ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』/ショーグルーヴ『Greatest HITS!』
 
■ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』作・演出:正塚晴彦
■ショーグルーヴ『Greatest HITS!』作・演出:稲葉太地
■出演:早霧せいな、咲妃みゆ、望海風斗 ほか

 
<兵庫公演>
◎一般前売/2016年9月3日(土)
■2016年10月7日(金)~ 11月7日(月)
■会場:宝塚芸劇場
<東京公演>
◎一般前売/2016年10月23日(日)
■2016年11月25日(金)~ 12月25日(日)
■会場:東京宝塚劇場
シェア / 保存先を選択