クーラ・シェイカー 6年分の空白を埋めるような演奏、フジロックとの深い縁

コラム
音楽
2016.8.4
クーラ・シェイカー 撮影=Yasuyuki Kasagi

クーラ・シェイカー 撮影=Yasuyuki Kasagi

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FUJI ROCK FESTIVAL '16 2016.7.23
RED MARQUE クーラ・シェイカー

クーラ・シェイカーを最後に日本で観たのは2010年のここ、苗場だ。96年の華々しいデビューから3年で一度解散。そして今から10年前となる2006年に活動を再開。解散後、初となった日本での復活ライブの場としてバンドが選んだのはフジロックだった。あの日も彼らを待ち焦がれていたファンの熱気が会場を埋め尽くす大盛況のライブであったのだが、2010年に再び活動休止となってしまった。もはや再始動は絶望的かと思われていたが、今年2月には6年ぶりとなる5枚目のスタジオアルバム『K2.0』が発売されて活動再開。今回の日本での復活の場もまた、解散後と同じフジロックを選んできた。これは期待せずにはいられまい。

今宵のステージは、野外フェスティバルであるフジロックの中で唯一屋内を感じさせられる屋根付きのRED MARQUE。巨大なライブハウスにはこの日を待ちわびた人々で開始前から溢れている。

19時。スクリーンにはお馴染みとも言えるインドをモチーフにした模様が映し出され、その下には登場したメンバーのシルエットが浮かび上がった。まるで生きているかのような色取り取りのうねる映像と「Sound Of Drums」が溶け合って、クーラ・シェイカーの世界へと一気に誘われた。

クーラ・シェイカー 撮影=Yasuyuki Kasagi

クーラ・シェイカー 撮影=Yasuyuki Kasagi

この日のライブは99年にリリースした『Peasants Pigs & Astronauts』と世界的に大ヒットを飛ばしたデビューアルバム『K』(96年)からの楽曲を中心としたセットリストで、開始から中盤まではクーラ的ディープな信仰論者的要素が散りばめられ、後半からアンコールに至るまでは彼らの持つブリットポップな面を全開にした構成で、これぞクーラ・シェイカーという豪華な内容。お馴染み「Hush」のイントロを耳にした途端ステージに向かって走り出すオーディエンスも多く、6年分のクーラ・ロスを埋めるかのような盛り上がり。それに対しバンドは2度のアンコールで応え、「Hey Dude」「Govinda」を披露した。

クーラ・シェイカーとフジロックの関係性を見ると非常に深い縁があるように映る。前述の通りバンドが迎えた2度に渡る復活の場となったことがその最たる所以だが、その他にもボーカルのクリスピアンはザ・ジーヴァズとして活動していた時も出演していたことや今年はクーラ・シェイカーがデビューして20周年であるのと同じく、フジロックもまた20周年だからだ。11月にはあの名盤『K』の再現ライブが行われるというので、今宵の余韻に浸りながら3ヶ月後の来日を待とう。

文=早乙女‘dorami’ゆうこ 撮影=Yasuyuki Kasagi

クーラ・シェイカー 撮影=Yasuyuki Kasagi

クーラ・シェイカー 撮影=Yasuyuki Kasagi

 
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