予想外のダブルアンコールに感無量　阪本奨悟ワンマンのレポが到着

8月27日（土）に、阪本奨悟が『阪本奨悟 ワンマンLIVE 2016 「Fly ～a take-off roll～」』東京公演を、原宿Astro Hallにて開催した。これは、自身初の全国流通CDとなるミニアルバム『Fly』を引っ提げて行われたもので、先日大阪公演も大盛況に終えた中行われ、東京での単独ライブは昨年の12月に開催して以来、8ヶ月ぶりとなった。以下、その模様を伝える公式のレポートを掲載する。

ホームグラウンド・渋谷の街の雑踏の映像が流れ、本人が登場するや否や、会場からは割れんばかりの歓声が起こり、表題曲でもある「Fly」からスタート。葛藤と心の叫びを込めた楽曲を力の限り精一杯ぶつけると、2曲目の「オセロ」ではエッジの立ったギターのカッティングをクールにエモーショナルに決めるなど、序盤からエンジン全開で畳み掛ける。

普段はアコースティックギター１本で、『全国阪本化計画』と題し各地でライブを行っている彼だが、今回はそれとは違い、バンドスタイルでのパフォーマンス。いつも以上にパワフルに演奏していく。「こんばんは！！うずうずしてますか？」と、久々の東京でのワンマンライブを行える喜びを噛み締めながら、嬉々とした表情で観客を煽り、「自由に楽しんでいこう！」と、自分自身も精一杯楽しんでいる様子が印象的だ。その後「I never worry ～虹の向こうへ～」など、ミニアルバムに収録された楽曲も次々と披露していった。

阪本奨悟　撮影＝西槇太一

また「いつものやりますか！！」と、ストリートや、一人で自主活動を行っていた時に歌っていた楽曲も披露し、様々な表情をみせる阪本。新たな演出も用意されており、バンドメンバーが一旦スデージからはけての、一人で弾き語るコーナーでは、ルーパーを使って一人多重録音を生で行うパフォーマンスを見せてくれた。楽曲に入る前に、観客の名前を実際に録音しながらコミカルなdemo演奏で沸かすと、リズミカルに「Messenger(Acoustic ver.)」をスタート。絶妙なコーラスワークと、情熱的なカッティングでストイックに演奏する姿は鬼気迫るものがあり、観客も固唾を呑んで見守っていた。全国を回ってパフォーマンスをして成長した姿を確かに示したと言っていいだろう。

その後、今回の作品にかけた想いや、レコーディングでの制作秘話を語り、もどかしさ、ようやく楽曲が完成した喜びと、様々な感情を伝え、「ながれ」を披露。ギターを弾きながら感情むき出しで歌唱する姿が、厚みのあるバンドサウンドと相まって、オーディエンスを鼓舞し、魅了する。そこからは、もはや定番となりつつある楽曲の数々で、ライブはクライマックスへ。「Please me!!」など、会場が一体となって盛り上がり、皆で大合唱しながらライブ本編が終了した。

阪本奨悟　撮影＝西槇太一

鳴り止まない拍手の後、再び阪本が一人で登場し、「今日この会場で一番楽しんだのは、僕かもしれない」と感無量の様子で語る。今の自分の強い想いを表した「Fly(Acoustic ver.)」を演奏してアンコールを締めくくり、何度も丁寧にお辞儀をし、観客とハイタッチをしながら、ステージを後にする。

すると予想外の出来事が。観客の興奮は冷めやらず、ふたたびアンコールの手拍子が巻き起こったのだ。戸惑う表情を見せながらも、少しはにかみつつ、阪本がステージへ再々登場。感謝をこめながら、ピュアな想いを表した「大事なこと」をパフォーマンスし、「また会おう！」と満面を笑みを浮かべながらステージを後にした。

初の全国流通CDとなるミニアルバムを引っ提げてのライブということで、この日にかける意気込みが強かったよいう阪本。音楽への強い思いから所属事務所を離れ、地元兵庫にて単身音楽活動を開始し、２年以上の自主活動を経てたどり着いたこの機会だけに、感慨もひとしおだったに違いない。そのひたむきな姿に、最後まで賞賛の拍手は鳴り止まなかった。

阪本奨悟は、この後、『Music Resort うたたね』、『Slow Live '16 in 池上本門寺』、『FM802 MINAMI WHELL』など大型イベントへの出演が決まっており、秋には学園祭への出演も多く控えている。今後の注目を集め、さらなる飛躍が期待される彼の、力強いメッセージ、熱い想いを、生でぜひ感じて欲しい。

阪本奨悟　撮影＝西槇太一