ユニコーン 全国ツアー『第三パラダイス』初日公演のオフィシャルレポート到着

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2016.9.5
ユニコーン

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8月10日に2年5ヶ月ぶりのアルバム『ゅ 13-14』をリリースしたユニコーンが9月3日、全国ツアー『第三パラダイス』をスタートさせた。

何でも、ここ府中の森芸術劇場は、ユニコーンでライブをするのは意外にも初なんだとか。待ちかねたファンの熱気の中、すっかりおなじみになった、お揃いのツナギ姿でメンバーが登場。冒頭から「すばやくなりたい」などアルバムからのハイテンポなナンバーを中心にたたみかけ、お、何だかすごく勢いあるオープニングだ!と思ったのもつかのま、そのあとのMCで「初日ということもあってちょっと元気にやってみましたが、予想以上に疲れたんで、次からはもうちょっとゆっくりやろうと思います」と奥田が宣言(笑)。ともあれ、そんな微調整も初日ならではだが、そもそも、こうでなくては、というセオリーにとらわれないのが彼らのライブ。その日お客さんと作り出す流れを楽しむスタイルは、おまかせ料理みたいで楽しい。

ユニコーン

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頭5曲全てボーカルが変わるというアルバムの構成からも推測できると思うが、今回もメンバー5人それぞれのキャラクターや特性が光る楽曲と演出で、どんどん引き込んでいく流れは健在。ふざけているのかまじめなのか、適当なのか綿密なのか、ギリギリのラインで行きつ戻りつしながらステージを楽しむスタイルは昔からだけれど、年を重ねることでその振れ幅は広がったように感じる。ふざけるときは徹底的に、そしてサウンドで圧倒するときも徹底的に。このギャップこそがユニコーンの醍醐味、そして魅力なのだ。もう、いい大人が何てことを……とか、うわ、このアレンジのカッコよさときたら一体……なんて笑ったり感動したりしているうちに、ぐいぐいと引き込まれてゆく。

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中盤、ドラマ「重版出来!」の主題歌「エコー」が、曲の持つ説得力で、まさしくこだまのごとく場内の隅から隅までを席巻したり、ABEDONが歌う「TEPPAN KING」では、威風堂々な洋楽ロックのたたずまいでありながら、たい焼きの男気?を感じる詞にどこかほろりとさせられたり、「風と太陽」は心をじわりとあたたかくしてくれたり。他にも、これからライブを観る方々の手前、こと細かにお伝え出来ないのがもどかしいが、川西、手島、EBIのボーカル曲も、その存在感とバリエーションの豊かさ、斬新さで客席を大いに沸かせたことだけは伝えさせてもらいたい。

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そして、本編終了。当然かかったアンコールも含め、本当にあっという間過ぎた2時間強は、帰り道の足取りをうきうきと軽やかにしてくれるほど、ハッピーなひとときだった。ツアーはここから12月中旬まで続く。彼らのことだから、美味しいものを食べ、美味しいお酒を飲み、ときに観光なんかもしながら満喫していくに違いない。そんな様子にも思いを馳せた、初日の夜だった。


取材・文=向出早那 撮影=山本倫子(MichikoYamamoto)

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