aiko「こんなに歌ったことない」トリプルアンコールでLLR7ツアー完遂

レポート
音楽
2015.8.13
aiko「Love Like Rock vol.7」東京・Zepp Tokyo公演の様子。(撮影:岡田貴之)

aiko「Love Like Rock vol.7」東京・Zepp Tokyo公演の様子。(撮影:岡田貴之)

aikoが昨日8月11日に東京・Zepp Tokyoにてライブハウスツアー「Love Like Rock vol.7」の最終公演を実施した。

「Love Like Rock」史上、過去最大規模となる25公演が実施されたこのツアー。開催期間中、Zepp Tokyoでは計8回のライブが行われた。

「Love Like Rock vol.7」の映像とともに場内に「Loveletter」が流れたあと、紗幕越しにaikoが登場。雨が降っているようなグラフィックが紗幕に映し出される中、彼女は「雨は止む」をエモーショナルに歌い上げてさっそくファンを魅了した。紗幕が落ちると真っ赤なライトがステージを照らし、ヘビーなバンドサウンドに乗せて「染まる夢」が披露される。軽やかなキーボードの音色に乗せて伸びやかな声を響かせた「陽と陰」を経て、「ボーイフレンド」で彼女は勢いよく花道を駆け抜けファンの間近に登場。ワンピースにあしらわれたフリルを揺らしながら場内を360°見渡し、ハイテンションに楽曲を届けた。

会場が熱気に包まれる中、aikoは「クーラー強でお願いします!」とスタッフに伝え、密度の高いフロアで観覧するファンを気遣うように「涼んだらまた歌うわ」と声をかける。また観客の1人が落としたメガネをほかの観客が拾う姿を見届けると「2人LINE交換したら?」と提案するなど、普段のラフな様子でオーディエンスとのコミュニケーションを楽しんだ。また話題に「足相」というワードが上がると、ファンから「足の裏見せて!」「嗅がせて!」という要望が。彼女は笑いながら「今日は変態が集まっててやりやすい」と話していた。

「milk」でaikoは「皆さん! よろしくお願いします!」と声を上げて観客の手拍子やシンガロングを誘い、客席と一体化したパフォーマンスを見せる。MCでファンの言葉を拾いながら軽妙なトークを繰り広げたあとは「こんなしゃべってから歌う歌やないけど」と笑い、「海ほたるを走ってるときにできた曲です」との説明から「トンネル」を情感たっぷりに歌唱。曲中に花道に立った彼女を色とりどりのライトが照らし、楽曲を幻想的に彩った。

ライブ恒例の「男子! 女子! そうでない人!」のコール&レスポンスでは、「もっと食い気味に来てほしい!」というaikoの要望からハイスピードの掛け合いが展開された。そして「夢見る隙間」「あたしの向こう」「運命」と2010年代リリースの楽曲が畳み掛けられたのち「ジェット」のイントロが鳴ると、この日一番の大歓声が起こる。客席には金テープが放たれ、aikoのパフォーマンスはさらに熱を帯びていった。ファンもそんな彼女に負けじと「baby!」と叫ぶ。その後彼女は「今年の夏はZeppで演った『花火』を思い出して過ごしてください!」と声を上げ、本編最後のナンバー「花火」でオーディエンスの手を左右に大きく揺らし、ステージを降りた。

ファンのアンコールを受けて再度登場したaikoは、1曲目に「ドライヤー」を披露。そして「みんなの顔を見ながら歌うと、みんなにもっと会えるようにがんばらなあかんなと思う」と話し始め「あきらめることはすぐにできるけど、がんばることには終わりがない」と自身の思いを真摯に述べる。その後「でもここにいると全部リセットされんねん。みんなのことも応援してるから、一緒にがんばっていきましょう! 弱音吐いて、傷も舐め合ってな?」と笑顔を見せた。彼女は「みんなのおかげで作れた曲です。過去の自分に会えたら『そこそこ楽しくやってるよ』って言いたい」と語り、「未来を拾いに」を歌唱。曲中では「10年先もそのまた先も一緒にいられたらいいのに」という歌詞を歌いながら前列のファンと握手を交わしていた。ラストはロックチューン「恋愛ジャンキー」を熱演し、熱狂の中アンコールを締めくくった。

スクリーンにエンドロールとともに「さよなランド」が流れると、場内から拍手と歓声が送られる。するとaikoが突如花道に登場。悲鳴のような大歓声が沸き起こる中、バンド演奏に乗せて同曲を歌い上げた。そして「みなさんもう1曲だけよろしくお願いします!」という言葉から「帽子と水着と水平線」を続けて披露したのち、「呼ばれてもないのに帰ってきたという私たち(笑)」とバンドメンバーとともに笑い合っていた。

その後トリプルアンコールにも応えたaikoは「こんなに歌ったことないですけども!」と笑いながら、その場でバンドメンバーとセットリストを考案。そして演奏された「愛の病」では、余力を振り絞るようにエネルギッシュなパフォーマンスを見せた。続く「鏡」で彼女は客席にCO2を噴射し、サビでは観客とともにシンガロングする。「これが本当に最後です!」と声を上げたaikoは「be master of life」を披露し、曲中には「皆さんほんまにこんなすごい時間に連れてきてくれてありがとうございました! 初めての経験をありがとうございました!」とファンに感謝を述べた。彼女とバンドメンバーがステージを去ると、場内には「以上をもちまして、本日の公演は“本当に”終了いたしました」とのアナウンスが流れ、「Love Like Rock vol.7」は幕を閉じた。

なおaikoは8月30日に神奈川・サザンビーチちがさきにて、約3年ぶりの野外フリーライブ「Love Like Aloha vol.5」を開催する。

aiko「Love Like Rock vol.7」
2015年8月11日 Zepp Tokyo セットリスト

01. 雨は止む
02. 染まる夢
03. 陽と陰
04. ボーイフレンド
05. すべての夜
06. 透明ドロップ
07. エナジー
08. ボブ
09. milk
10. トンネル
11. シャッター
12. ぬけがら
13. 夢見る隙間
14. あたしの向こう
15. 運命
16. ジェット
17. 花火
<アンコール>
18. ドライヤー
19. 未来を拾いに
20. 恋愛ジャンキー
<ダブルアンコール>
21. さよなランド
22. 帽子と水着と水平線
<トリプルアンコール>
23. 愛の病
24. 鏡
25. be master of life

Love Like Aloha vol.5

2015年8月30日(日)神奈川県 サザンビーチちがさき

音楽ナタリー
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