『さいたまトリエンナーレ2016』が開幕 10カ国・34アーティストが参加する国際芸術祭
向井山朋子《HOME》|2016年
2016年9月24日(土)〜12月11日(日)にかけて、『さいたまトリエンナーレ2016』が開催される。
『さいたまトリエンナーレ2016』とは、さいたま市を舞台に、世界に開かれた創造と交流の現場をつくりだすことを目的に行われる国際芸術祭。今年は「未来の発見!」をテーマに開催される。
開幕に合わせて、本イベントのディレクターを務める芹沢高志からのコメントが到着した。
そして、いよいよこの秋、未来を発見する旅が始まりました。
■ついに出発!ユン・ハンソル《サイタマ・フロンテージ》そして衝撃のラスト
ユン・ハンソル《サイタマ・フローンテージ》| 2016年
さいたまとは何か。
都市、それは無機質な存在ではなく、時に自分に寄り添い、時に突き放す、猥雑で変化する生き物。さいたまの街に生きる人々もそんな都市のアイデンティティに翻弄されて生きている。外国人であり、部外者であるユン・ハンソルが投げかけ、搔き回し、そして乗客と一緒に未来を発見する列車の旅。
■さいの角がもう少し長かったら? 川埜龍三のユーモアが誘うさいたまの未来
川埜龍三《犀の角がもう少し長ければ歴史は変わっていただろう》|2016年
大真面目です。
どこかで見たことのある、しかし見たことのない世界が広がっている。古墳や埴輪は古の人が想像の力で、ロジカルに構築したひとつの物語世界だった。「さいたまB」の世界もまたそんなパラレルワールドである。川埜によって完璧に作られた大真面目で、そしてユーモアあふれる空間が、かつて民俗文化センター(技の博物館という呼称であった)だったことを想起させ、その手の込みようにまた笑う。
■ソ・ミンジョン、縄文期に海だったさいたまに思いをはせる
ソ・ミンジョン《水がありました》|2016年
脆さの中にある一瞬の美しさ。
ソ・ミンジョンの「いつか失われてしまう人々の記憶や歴史、物語」の瞬間を捉えた作品は、ここさいたまでは「すでに失われた人々の記憶や歴史、物語」から始まる。かつて海岸線があったさいたまの水の記憶は、人間が初めて触れる水、羊水の記憶とともに一瞬の美しさに閉じこめられるのではなく、永遠に流れるものへと変貌をとげた。
■この夏オランダで絶賛、向井山朋子の《HOME》、ついに初演を迎える
向井山朋子《HOME》|2016年
内覧会で申し込みが殺到した向井山朋子の《HOME》。
見た人が「圧倒的だった」と口を揃えて言う。何がどう圧倒的だったのか。向井山が奏でるショスタコーヴィッチと湯浅永麻の計算されつくした緩急ある動きもさることながら、「未来」への渇望が垣間見えた時こそ、人は共感するのかもしれない。
会期:2016年9月24日(土)〜12月11日(日)[79日間]
※定休日=水曜
※ただし11/23(水・祝)は開場、翌11/24(木)は閉場
主な開催エリア:
与野本町駅〜大宮駅周辺
武蔵浦和駅〜中浦和駅周辺
岩槻駅周辺
参加アーティスト一覧
アイガルス・ビクシェ(ラトビア)
チェ・ジョンファ(韓国)
藤城光(日本)
ダニエル・グェティン(スイス)
日比野克彦(日本)
ホームベース・プロジェクト(NYC、ベルリン、エルサレム、さいたま ※出身地ではなく開催地)
磯辺行久(日本)
日本相撲聞芸術作曲家協議会 JACSHA(鶴見幸代、野村誠、樅山智子)(日本)
川埜龍三(日本)
オクイ・ララ(マレーシア)
ロングフィルム・シアター(日本)
アダム・マジャール(ハンガリー)
松田正隆+遠藤幹大+三上亮(日本)
目(日本)
向井山朋子(日本)
長島確+やじるしのチーム(日本)
新しい骨董(山下陽光、下道基行、影山裕樹)(日本)
西尾美也(日本)
野口里佳(日本)
岡田利規(日本)
大洲大作(日本)
大友良英+ Asian Music Network(日本)
小沢剛(日本)
ウィスット・ポンニミット(タイ)
ソ・ミンジョン(韓国)
SMF(Saitama Muse Forum)(日本)
ダンカン・スピークマン+サラ・アンダーソン(イギリス)
鈴木桃子(日本)
高田安規子+政子(日本)※「高」は梯子高
多和田葉子(日本)
マテイ・アンドラシュ・ヴォグリンチッチ(スロヴェニア)
アピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)
ユン・ハンソル(韓国)