草間彌生「一生、新しい芸術を開拓していきたい」 感謝の涙もみせた『草間彌生 わが永遠の魂』展 記者発表会をレポート

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ポートレート ©YAYOI KUSAMA

ポートレート ©YAYOI KUSAMA

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世界を舞台に活躍する前衛芸術家、草間彌生。彼女の芸術を過去最大級の規模で一望する『草間彌生 わが永遠の魂』展が、2017年2月22日から5月22日まで六本木の国立新美術館にて開催される。9月28日、同館内で行われた記者発表会に草間本人が登壇し、本展開催への熱い想いを自らの言葉で語った。

「一生、新しい芸術を開拓していきたい」

「私の人生は芸術によって開かれました。」

車椅子で登壇した草間は、そう語り始めると自身が幼少期から心の病(統合失調症)に苦しみながらも、芸術に全てを捧げてきたこれまでの人生を振り返った。

「人生の苦しみ、創造への歩み、永遠の希望、生きている世界の死に対する想いをこめて、世界各国を回ってまいりました。そうして、いま日本のみなさんが私の芸術を認めてくださることに、私は感謝でいっぱいであります。みなさん、ありがとうございます。」

記者会見で涙ながらに挨拶をする草間彌生

記者会見で涙ながらに挨拶をする草間彌生

感極まり涙を流しながらも、さらに続ける。

「私の人生はもう残り少なくなっているので、昼も夜も、身体を損ねるほど、芸術に明け暮れています。これから一生、死に向かって新しい芸術を開拓していきたいと思っており、死にもの狂いで闘っております。私が死んだ後も、どうぞ私の創造への意欲と、芸術への希望と情熱を、一つでも汲んでいただければこれほどの喜びはありません。みなさんの何か精神的な悩み、人生に対する悩みがあった時に、ぜひ私の生きてきた道をひとつでも見つけていただけたら、本当に嬉しいと思っています。」

そして最後は「みなさん、これからも私をよろしくお願い致します。」という言葉とともに、再び涙をぬぐいながら挨拶を終えた。

 

驚異の最新作「わが永遠の魂」を日本初公開

本人の口から語られたように、草間彌生の制作意欲は87歳の今も衰えるどころか、ますます勢いを増すばかりだ。2部構成となる本展の第1部では、2009年から新たに取り組み始めた最新作「わが永遠の魂」シリーズが集結する。S120号(194cm角)のキャンバスに、驚異的なスピードで描かれる色彩豊かなこの作品群は現在も描き続けられ、実に500点以上にものぼる。その中から、本展では厳選された約130点が日本初公開となる。抽象と具象の間を自由に往来して描かれる、その多様な表現に注目したい。

「わが永遠の魂」シリーズより《いまわしい戦争のあとでは幸福で心が一杯になるばかり》 ©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより《いまわしい戦争のあとでは幸福で心が一杯になるばかり》 ©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより《しのびがたい愛の行方》 ©YAYOI KUSAMA

「わが永遠の魂」シリーズより《しのびがたい愛の行方》 ©YAYOI KUSAMA

天才芸術家の全貌を余すところなく紹介

おびただしい数の水玉模様や、かぼちゃのモチーフで知られる草間作品。前衛芸術家としては異例の、幅広い層から支持をうけているという点も彼女の特徴のひとつだ。しかし過去には、日本での芸術活動に限界を感じ、単身渡米して成功を掴んだのち、再び日本で活動するといった長い道のりがあった。

本展の第2部では、これまでの多彩な草間芸術を余すところなく紹介。彼女の代名詞ともいえる水玉の作品はもちろん、「ネット・ペインティング」、「ソフト・スカルプチュア」、「ミラー・ルーム」、屋外彫刻など、初期作品から最新作までをたっぷりと堪能できる。

《トラヴェリング・ライフ》京都国立近代美術館 ©YAYOI KUSAMA 撮影:上野則宏

《トラヴェリング・ライフ》京都国立近代美術館 ©YAYOI KUSAMA 撮影:上野則宏

《黄樹》フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

《黄樹》フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

《生命の輝きに満ちて》Courtesy of Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore; Victoria Miro Gallery, London; David Zwirner, New York ©YAYOI KUSAMA

《生命の輝きに満ちて》Courtesy of Ota Fine Arts, Tokyo/Singapore; Victoria Miro Gallery, London; David Zwirner, New York ©YAYOI KUSAMA

《南瓜》フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

《南瓜》フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

これまで親しんできた草間芸術を、さらに掘り下げ、そして更新させる大規模回顧展となる。新たな草間ワールドが出現する来年2月に期待しよう。

 

イベント情報
草間彌生 わが永遠の魂

会期:2017年2月22日(水)~5月22日(月)
会場:国立新美術館(http://www.nact.jp/) 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
休館日:毎週火曜日 ※5月2日(火)は開館
開館時間:10:00~18:00 ※金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
チケット:一般 1,600(1,400)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 800(600)円
※()内は前売り、または20名以上の団体料金。
※中学生以下無料。
※障害者手帳を持参者と付添者1名は無料。
※2017年3月18日(土)から3月20日(月・祝)までは高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
※前売券販売期間は2017年1月1日(日)~2月21日(火)。国立新美術館は1月11日(水)から2月20日(月)まで、2月22日(水)以降は当日券の販売。
展覧会公式ホームページ:http://kusama2017.jp/

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