鈴木このみインタビュー 20歳のバースデーライブは「ありがとうをちゃんと伝える内容にしたい」

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2016.10.14
鈴木このみ

鈴木このみ

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アニソンシンガーとして快進撃を続ける鈴木このみ、15歳でデビューしてから現在までに11枚のシングルを発表。天性の歌声を武器にアニメソングの可能性を広げ続ける彼女が、11月5日の20歳の誕生日にバースデーライブを行う。いよいよ大人の入り口に立った鈴木このみはライブに対して何を思うのか、そして“アニメソングを歌う”こととは―

――鈴木このみさんSPICE初登場です、よろしくお願いいたします。

よろしくお願いします!

――改めてプロフィールを拝見すると、もうシングルを見ると11枚も発売されているんですね。

そうなんですよ、特に今年はありがたいことに3クール連続アニメ主題歌を担当させていただいているんです。

――話題作ばかりですもんね、過去にアニメーションとの関わりの中で「歌う前にかなり作品を調べたり、研究する」とおっしゃっていましたが、どういう面持ちで作品と向き合ってらっしゃいますか?

いつも、作品の世界を大事にして歌いたいなと思っているんです、原作があるものは必ずチェックしますね。今年担当した『ブブキ・ブランキ』などのオリジナル作品なんかはシナリオを頂いて、自分の頭のなかで絵を思い浮かべてレコーディングに向かいますね。

――オリジナル作品を頭に思い浮かべるのは大変そうですね。

そうですね!文字だけで情報が来るので。『ブブキ・ブランキ』だと宝島という空に浮かぶ島が出てくるんですけど、それはどのくらい遠いのか、とか想像するのは大変でしたね。

――そうとう噛み砕いて研究されてますね、曲に向き合うことに対するエネルギーは凄そうです。

難しいんですけど、キャラクターの気持ちや作品のなかの時代感や背景を5割で背負いつつ、自分自身の気持ちも5割は保ってレコーディングに向かおうと思っているんです。キャラクターたちって私が経験したこともないような冒険なんかをするわけじゃないですか。その経験に説得力を持たせるために、自分の解釈も曲に入れないとだめだと思うんです。

――その辺の意識って昔ミュージカルなどの演技的なものを経験されていたこともあるんでしょうか?

それは活かされていると思いますね、私レコーディングで技術的な事を意識するというより、「ここの歌詞では風を感じて」とか、風景とか色をイメージすることが多いんですよね、それはやっぱりミュージカルなどで、舞台で演技をするという経験したからこそという気はしますね。

――自分の中でそのマッチングが上手く行った!と思う作品はあるんですか?

勿論今までの曲全部にそれはあるんですけど、特にそういう部分がはまった感じがしたのは最新シングルの「LOVE is MY RAIL」ですね。この曲はTVアニメ『アンジュ・ヴィエルジュ』の主題歌で、原作のトレーディングカードゲームの頃から主題歌を担当させて頂いているので思い入れが強いってのもあったんですけど。


――そうですね、アンジュ・ヴィエルジュの曲=このみさんという印象があります。

はい、今回の「LOVE is MY RAIL」はアニメの主人公の紗夜ちゃんの「特別な存在になりたい、でもなれない」という葛藤から、「自分らしくあることで、みんな誰かの特別になれるんだ」という進化を歌った曲なんですけど、その気持に私自身の気持ちもリンクするところが多くて、うまく表現できたかなと思っていますね。

――以前このみさんが好きだと公言されてるMay'nさんがうちのインタビューで「私が歌うことで私自身の思いが増えても、シェリル・ノームが歌に込めた思いが減ることはない」っておっしゃっていて、とてもにてる感覚をお持ちなのかなって思いました。

うわぁ!ありがとうございます!でもなんか最初からそういう感じではなかったかな、と思いますね。最初は私のことを知らない人しかいない状況だったので、とにかく作品の世界観を伝えようという気持ちが強かった気がします。今はこれだけリリースを重ねて色んなイベントにも呼んで頂けるようになり、私を知ってくれている人が増えた分自分自身を出せるようになってきたのかな、と思います。

――デビューしてからご自身の中で変わってきた部分とかありますか?

歌の幅も広がった気がしますし、レコーディングするときも自分の中のルールがはっきりしてきましたね。今年の夏、初めてのアジアツアーも開催できたのですが、海外でも待っていてくれている人がいるってわかって、自信にもつながりました。

――海外で歌うことに関してはいかがですか?日本と比べてみて違う反応とかありますか?

日本と変わらないくらいの熱量で来てくれるんですよ。でも海外だと会える回数が少ないじゃないですか、その分待ってたよ!って気持ちが凄い伝わってきますね、コールとかも日本と変わらないし……。 コール本を作って配布してくれたり、横断幕を用意してくれたり、言葉の壁を越えて色んな方法で沢山気持ちを伝えてくれて、嬉しい思いばっかりですね。

――国内でも海外でも、やっぱりファンから貰ってるものも多そうですね。

自分自身も歌う中で悩むことも多いんですよ、「私この曲、歌っていいのかな?」って(笑)。 でもそういう時にファンレターやSNSのコメントを見て、待っていてくれるって思うと勇気がでますね、そういう所は凄い支えられてます。

――僕、このみさんはなんか前向きでエネルギッシュな印象を持っていました。

意外に心配性ですよ!今でもバースデーライブに向けて心配はつきないんですけど、それより、みんなに歌を届けられる嬉しさの方が心配する部分より多いからポジティブに見えるのかも!

――今お話にも出たバースデーライブが20歳の誕生日に行われるということで、おめでとうございます!

ありがとうございます!

――過去最大のライブになりそうですが、どんなものになりますでしょうか?

自分史上最高にボリューミーなライブにはなりそうです!何と言っても人生で一度しか無い20歳の誕生日なので、思い出に残るものにしたいですね。

――ライブ活動もかなり本数増えていますが、鍛えられてる感じありますか?

ありますね、沢山のステージを経てお客さんの反応をダイレクトに感じた1年でした。それでわかることもかなりあったので、この経験をバースデーライブで活かせるんじゃないかなと。

――バースデーライブでやりたいこととかなにかありますでしょうか?

タイトルが「Cheers!!!」なんですけど、チアーズって乾杯という意味の他に、ありがとう!の意味もあるんですよ。成人にむけてかっこよく何かを宣言するって言う案もあったんですけど、一番に伝えたいのは「ありがとう」っていうシンプルな思いだったんですよ。だからこそのタイトルなんですけど、同じようにあるパートでは広い会場でシンプルに勝負する部分があったりしますよ!広いからこそ派手にやりたい気持ちもあるんですけど、そこではあえて!というのがありますね。楽しみにしてもらえたら!


――ファンとの繋がりや感謝って言う部分を感じてらっしゃるんですね。

15歳でデビューさせていただいてから、色んな人との出会いや協力があったからこそ今の私がいるので、ファンの人も含めてすべての人に対してありがとうを伝えられるものにしたいですね。

――歌っているところを見るとまだ十代とは思えないくらい堂々とされてますよね、そう考えると青春の殆どを歌に捧げたってことですね。

そうですねえ……。15歳からなんでそうなりますね。

――高校時代って凄い遊びたい時期だと思うんですよね、恋愛したいとかもあるかもしれないし。その中ストイックに歌ってきた中で、もっとやりたかったこととかありますか?

うーん!部活とかやったら楽しそうだなぁとは友だちを見て思いましたけど、あまり特別な生活をしたとは思ってないんですよね。高校生活では別に歌手としてではなく、普通の学生として友達が接してくれていたんです。仕事の話も学校では全然しないし、寄り道して帰ることもあったし(笑)。 ちゃんと青春できてた感じはしますね。

――それは友達に恵まれてますね、特別扱いしたりする人もいそうですけど。

いなかったですね。なんかみんなこっそり応援してくれてるんですよ!家遊びに行ったらCD置いてあったり、言ってくれないんですよ!(笑)。 今上京してからも応援してくれていますし、寂しいなぁと思うタイミングでいきなり電話きたり、繋がってる感じはしますよね。

――ちなみに好きな部活に入れてたら何部でした?

わ~!なんだろ?バスケ部かなぁ?漫画のスラムダンクをすごく読んでたので……。 運動音痴なんですけどねー!

――あれだけステージでダンスされてるのを見ると運動音痴とは思えないですが。

ダンスをはじめたのは幼稚園の頃で、人見知りと泣き虫を克服するために始めたんです。でも最初はうまく行かなくて、毎週のレッスンで母にビデオを撮ってもらって、それを家でまず母が踊ってみて、私に教えてくれる、みたいな。

――お母さん凄いですね!一回私踊るね?って事ですよね(笑)。

そのとき習ってたのはロックダンスだったんですけど、激しいヒップホップ系のダンスを母が踊ってくれてました(笑)。

――でもまあ15歳からプロデビューされてるってことは、ご家族の応援と支えがないと難しいところもあったかもしれませんね。

デビューしてからは色んな人に出会いましたけど、物心ついたときから歌手になりたかった私をずっと支えてくれているのは母ですね。ステージでは一人で歌ってるんですけど、一人でやってるつもりはないというか。だからこそ20歳のバースデーライブは「ありがとう」をちゃんと色んな人に伝えたいですね。

――少しアニメの話もさせてください、今1クールで3~40本始まっていて、その主題歌やキャラソンを入れれば三ヶ月で100曲近い新曲が生まれているのが今のアニソン業界だと思うんです、その中で鈴木このみが「アニソンを歌う」意味や思いがあれば聞きたいと思うんです。

アニソンはやはりアニメありきじゃないですか、さっきも話に出たことなんですけど、最新曲「LOVE is MY RAIL」は私の11枚目のシングルで、10枚シングルを出させてもらって気づいたのは「歌が好きな気持だけではやっていけない」って葛藤だったんです。そんな時に作詞の畑 亜貴さんが「大好きと思える気持ちに向かって進めばいいんだよ」という歌詞を書いてくださって、「歌が好きだ」という思える未来を信じて進もう!と、私を変えてくれたんですね。

――自分が歌う曲の歌詞で自分自身も変わっていけたと。

そうです。でもそれだけじゃなくて、この歌詞は作品にも本当にぴったりなんです。『アンジュ・ヴィエルジュ』の最終回で紗夜ちゃんが「みんな誰かの特別なんだ」って言っていたんですよ。自分自身を信じて進化できたからこその一言だなあと。アニメにもマッチしてるって改めて思えました。ただ曲があるだけじゃなくて、その後ろに作品そのもののテーマやキャラクターの気持ちが存在するアニソンは、何倍も感動出来ると思ってるんです。アニソンを歌うことで私は可能性を広げてもらっている気もしますし。

――なるほど。

私がアニソンを歌う時に大事にしていることがもう一つあって、必ず前向きに終わりたいと思ってるんです。悲しい曲でも敢えて明るく歌ってみたり!心は泣いてるんですけど顔は笑っているとかあるじゃないですか。敢えて明るく歌うことで悲しさが際立つこともありますし。基本的にはどんな歌でも希望を持って歌いたいなと思っています。

――素晴らしいですね、少し話は戻りますけど、ミュージカルや演技を体験してきたこのみさんですが、今声優さんやアニソンシンガーの方が舞台に出演したりする機会が増えてきていますが、そういうオファーが来たらどうしますか?

ぜひやりたいですね!歌を本格的にやりたいと思って一時休止としていますが、機会があるなら是非とも!

――これを書くとまたオファーが来たりもしそうですが(笑)。

アハハハ!(笑)。 お待ちしています! でもまずはワンマンバースデーライブを成功させたいですね。本当に。すごく特別なものにしたいですし、今年は自分が上京して仕事一本で生きていくと決めたターニングポイントの一年なので、その全てを集大成としてお届けしたいですね!

鈴木このみ

鈴木このみ

インタビュー・撮影=加東岳史

イベント情報
鈴木このみ Birthday Live 2016 ~Cheers!!!~​

公開日時 2016年11月5日(土) 開場16:00 / 開演17:00
会場 幕張メッセイベントホール

 

 

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