『世界』で初舞台を踏む広瀬アリスにインタビュー
広瀬アリス
今もっとも熱い劇作・演出家は誰だと聞かれたら、赤堀雅秋と答える人が多いのではないだろうか。そんな彼が、満を持して2017年1月からBunkamura シアターコクーンにて、新作『世界』を上演する(大阪公演は2月)。
「殺風景」「大逆走」に続く、赤堀雅秋×シアターコクーン第三弾となる本作は、原点に立ち返り“市井の人々とその暮らし”を描く。出演は、演劇界の重鎮である風間杜夫を筆頭に、赤堀作品へ3作連続の登場となる大倉孝二、早乙女太一、広瀬アリス、青木さやか、和田正人、福田転球、赤堀雅秋、梅沢昌代、鈴木砂羽といったメンバーが集結する。その中でも、今回が舞台初出演である広瀬アリスにインタビューを行い、彼女の初舞台にかける意気込みを聞いた。
――初舞台になるとのことですが、お気持ちは。
大先輩の中で、初舞台なのでプレッシャーです。以前、先輩の舞台を観に行かせていただいて、いつか自分もやりたいなと思っていたんです。でも、いざお話をいただいたときに、映像で慣れているせいか、緊張してしまって(笑)。この舞台の役だけではなく、いろんなお芝居に挑戦したい気持ちはあったんですが、舞台をやるのはちょっと早いなと思っていたところ、「きた!」みたいな(笑)。誕生日が12月なので、22歳になって初めてのお仕事になりますし、そこから2017年のいいスタートを切れるんじゃないかなと思っています。すごく楽しみです。
――赤堀さんのご印象はどうでしたか。
以前、赤堀さんとお話をさせていただく機会があり、この世界に入る前のことや、どうやって芸能界に入ったかといったことを聞かれたんです。話終わってから「なんとなくわかりました」と微笑まれていたのが少し怖かったのを覚えています(笑)。
赤堀さんは、謎に包まれた怖さがありますね。映画が好きで、赤堀さんの『葛城事件』(2016年)を観させていただいたんですが、人間の生々しい黒い部分をリアルに描いている作品で、脳内でどんなことを考えてるんだろうって気になりました(笑)。これから稽古が始まるので、少しずつじっくり知っていければと思います。稽古は厳しいと聞いたのですが、そういった経験をさせてもらえるなら本望です。基本的に全部を受け止めてしまうタイプなので、正面からぶつかっていきたいです。何を言われても当たって砕けろ!(笑)
――共演者の方々はいかがでしょうか。
和田正人さんはドラマでご一緒させていただいて知り合いなんです。でも、それ以外の方は初めて。みなさん大先輩なので、たくさん勉強させていただいて、たくさん盗んでいきたいです。早く共演者の方に会いたいな。直接お話したいですし、現場で先輩が役に対して、お芝居に対して悩んでいる姿を見たいです。先輩方のそういった姿を見られる機会は、お芝居への姿勢を学ぶこともできるので私にとって、とても貴重なんです。
インタビュー中の広瀬アリス
――とても真面目なのですね。
実は、すごく緊張しいなので、人前に出た瞬間に何も考えられなくなるんです。この仕事をやっているのに、ドキドキしちゃうので、先輩たちの足を引っ張らないようにしたいです。きっと稽古をしていくうちに、いろんな感情が生まれてくると思うので、それはすごく大事にしたいです。だから緊張したら緊張したで素直に受け止めます。初舞台は人生に一回しかないので、いつか笑い話になりますように!
――2月には大阪公演があったりと長丁場になりますが心がけていることはありますか。
結構タフなので、体を温めて寝るだけでなんとかなります! 体力勝負ですが、寝ればリセットされるんです。そこは自信があります(笑)。普段も寝ちゃえばケロっとしているので、映画のハードな撮影が2週間あっても、睡眠時間が3時間でも、ちょっと寝るだけで気分が違うんです。
――これまで印象に残っている舞台はありますか。
先輩の鈴木杏さんが出演されていた、『ムサシ』(井上ひさし作、蜷川幸雄演出、2009年初演)を3回観させていただきました。かなり印象的でした。スタートに迫力があって、「なんだこれは!」と始まるし、その後も笑えますしリズムとテンポが良くて見入った記憶があります。
――今回は「家族」がテーマの物語ですがご自身とご家族の関係は?
何でも言える友達みたいに仲が良いです。基本的に隠し事もしないです。言ったあとに後悔するんですけど(笑)。そんな仲なので、距離感もわかってくれる。作品に入っている時は話しかけられたりするのが嫌なので、それを察してあまり話しかけて来ないんですよ。何も言わずに分かってくれる家族なので、お仕事もしやすいです。妹(広瀬すず)も同業なので、業界内での一番の理解者ですね。
広瀬アリス
――それでは最後に、舞台への意気込みを教えてください。
初舞台で、しかも新人で右も左もわからない状態ですが、今の自分の精一杯を出して、先輩方と一緒に作品を作り上げていこうと思います。
広瀬アリス
(取材・文・撮影:竹下力)
■日程
<東京>
日時:2017年1月11日(水)〜28日(土)
場所:Bunkamura シアターコクーン
<大阪>
日時:2017年2月4日(土)〜5日(日)
場所:森ノ宮ピロティホール
■作・演出:赤堀雅秋
■出演
風間杜夫、大倉孝二、早乙女太一、広瀬アリス、青木さやか、和田正人、福田転球、赤堀雅秋、梅沢昌代、鈴木砂羽
■:一般発売 10月29日(土)10:00~
■主催:Bunkamura、テレビ東京
■公式サイト:http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_sekai.html