中山優馬×屋良朝幸W主演『CROSS HEART(クロスハート)』Live Versionゲネプロレポート
中山優馬×屋良朝幸によるW主演で話題沸騰のミュージカル『CROSS HEART(クロスハート)』。12月9日(金)より始まる本公演を前に、11月11日(金)より六本木EX THEATER ROPPONGIにてLive Versionが上演される。
公演に先立ち、同日、マスコミ向けの公開ゲネプロが実施された。玉野和紀書き下ろしによる、謎に包まれたオリジナル新作の全貌を、囲み会見の内容と共にレポートする。
囲み取材に登場したのは、W主演の中山と屋良、カミーユ役の唯月ふうか、そして、作・演出・振付・出演を務める玉野和紀の4人だ。
数々のオリジナルミュージカルを手がけてきた玉野だが、本公演の前にLive Versionを上演するという試みは初めてのこと。「これは面白いなと。だったら思い切ってガッツリやろうじゃないかと思いました」と気合いを見せた。
その言葉通り、このLive Versionには12月からの本公演では見られない“限定モノ”がいくつか散りばめられている。そのひとつが、屋良が構成を担当したオープニングシーンだ。「Live Versionを観に来てくれる人のためだけのパフォーマンス。観に来れる方はラッキーだと思ってもらえると」と自信を覗かせる屋良だが、その一方で「体力的にはオープニングがついたことで、もうめちゃくちゃキツイです」と本音をチラリ。これには中山も「だいぶキツイです」と激しく頷いた。
さらに衣裳もLive Version限定。衣裳の重さを問われた屋良は「10キロくらいあるかな」と丼勘定。中山がすかさず「いや、そんなないやろ!」とツッコみ、場内の笑いを誘った。
実は中山にとって本作が初ミュージカル。「初めてなんで緊張するかと思ってたんですけど、稽古の時点で本当に楽しくて」と充実の表情。一方、屋良は数多くのミュージカル作品で腕を磨いてきた“大先輩”。中山が「先輩がいるんで、身がキュッと引き締まる思いで」と目配せすると、屋良が「全然全然! 教えること何にもない」と満面の笑顔で太鼓判を押した。
そんなふたりを見つめていた玉野が、中山のことを「静かなる熱き男」と評し、「静かにメラメラと燃えています。すごいホン(脚本)を読みこんできたり、歌詞の内容も『ここ、どういう意味?』って質問してくれたり」と稽古場での中山の真摯な姿勢を明かした。対する屋良については「親しみやすい熱き男です」とコメント。これには屋良も「すぐなついちゃうんで」と照れ笑いを浮かべた。
男性陣のキュンとするところを尋ねられた唯月は、「ダンスしてる姿はキュンと来ますね。(振付を)溜めてフッてなるときとか!」と女子目線で分析。中山が「ダンスって言われると先輩には勝てないから……」と肩を落とすと、屋良も「まあ、今のは俺のことかな」とドヤ顔。ぜひ麗しき男性陣のダンスに、劇場でキュンキュンしてほしい。
このLive Versionは本公演で実際に使用される楽曲で構成。主人公たちがタイムスリップした1428年のフランスを舞台に、100年戦争の戦火に揺れる若者たちの友情と愛がフルスピードで描かれていく。中山が演じるのはブルゴーニュ派のセザール。屋良はリベルテ派のリュックだ。正義と信念の違いから、激しくぶつかり合う両者の対立と葛藤が大きな見どころとなる。
Live Versionと銘打つ通り、70分間、ほぼ全編が歌とダンスと殺陣というハードな内容だ。しかし、そこは実力派のキャスト陣。最後まで一切パワーダウンすることなく、キレのいいダンスと迫力のアクション、そしてエモーショナルな歌声で観客を引っぱっていく。
セザール役の中山は、聴く者にまっすぐ届くストレートな歌声。直情的なセザールというキャラクターが、熱のこもった中山のヴォーカルにぴったりとハマッている。一方、屋良は抜けるようなハイトーンが魅力で、数々の作品で磨いてきた抜群の歌唱力が、先輩の風格を見せつけた。
15世紀のフランスらしい王宮音楽に乗せて、ストリート、タップと様々なジャンルのダンスがミックスする。中盤の晩餐会のシーンでは、優雅なソシアルダンスも披露。さらに、ブルゴーニュ派とリベルテ派の敵対を表現するために、話題のカップス(コップなどを使ってリズムに合わせて机を鳴らすダンス)を採用。息の合ったキャスト陣のチャレンジも見逃せないポイントだ。
このようにほとんど台詞はないものの、ダンスや歌によって時に台詞以上にひとりひとりの心情が強烈に伝わってくるところが本作の醍醐味。特に、クライマックスを飾る中山、屋良、唯月、そして蘭乃はなによるバラードでは、宿命に引き裂かれた若者たちの愛の切なさが壮大に歌い上げられていく。スクリーン全面に映し出されたキャストたちの表情と共に、複雑に絡み合った4人の想いにとことん酔いしれたい。
『CROSS HEART(クロスハート)』Live Versionを観劇いただいた方には是非12月より開催される東京公演にも足を運んでいただきたい。きっとLive Versionとは違う魅力を感じることができるはずだ。
■作・演出・振付・出演:玉野和紀
■出演:中山優馬、屋良朝幸/唯月ふうか、大湖せしる/中河内雅貴、大山真志/諸星翔希、寺西拓人/蘭乃はな/福井貴一
【Live Version】
■日程:2016年11月11日(金)~11月13日(日)
■会場:EX THEATER ROPPONGI
■料金:7,500円(全席指定・税込)
前売り券SOLD OUT
※当日券あり、詳細は公式HPにてご確認ください
【東京公演】
■日程:2016年12月9日(金)~12月28日(水)
■会場:Zeppブルーシアター六本木
■料金:9,500円(全席指定・税込)
【大阪公演】
■日程:2017年1月6日(金)~1月8日(日)
■会場:森ノ宮ピロティホール
■料金:9,500円(全席指定・税込)
※電話申込のみ
詳細は公式HPにて:http://www.musical-crossheart.com/