のん主演、片渕須直監督『この世界の片隅に』が動員数10万人・興行収入1億6,000万円を突破 全国での上映がさらに拡大へ
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
公開中のアニメーション映画『この世界の片隅に』が、公開2週目を終え、動員数10万人・興行収入1億6,000万円を突破。 全国映画動員ランキングで再び10位にランクインしたことが、興行通信社の調べでわかった。
映画『この世界の片隅に』は、こうの史代原作の同名漫画を原作に、アニメ『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督が6年の歳月をかけて映像化したアニメーション映画。第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、戦況が悪化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を前向きに生きる女性・すずの姿を綿密な時代考証をもとに描く。主人公・すずをアニメ声優として初主演を果たす女優のんが演じるほか、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔ら多くの才能が同作のために集結。音楽をシンガーソングライター・コトリンゴが担当している。
同社によれば、『この世界の片隅に』は11月12日(土)に初日をむかえ、初週末の興行成績は4,704万2,090円、動員は3万2,032名を記録した。ほかの映画に比べてわずか63館にも関わらず、全国映画動員ランキングで10位にランクイン。
2週目の、11月19日(土)、20日(日)の週末興行成績は5,679万8,980円、動員は3万9,638名で、公開館数も増えて68館となった(初週より5館増加)。また、前週比124%の動員となり、全国映画動員ランキングで再び10位にランクインを果たしたとのこと。累計動員は11万7,332名、累計興収は1億6,289万9,760円と、早くも10万人を突破している。
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
初週土日の観客は男女比が8対2で、30~40代が中心。平日にシニアや学生が多数来場し、土日比で大幅に落ちることなく、満席の映画館も続出したという。また、2週目の土日は男女比5対5、ファミリーや学生の姿も多く、都市部では外国人客の来場も増えたという。口コミによって客層が広がっているようだ。なお、メイン館であるテアトル新宿では、同作は1週間の興行収入でこの10年間での歴代1位の記録を達成している。(※テアトル新宿 11月12日(土)から18日(金)の動員7,687人・興収11,359,400円)
これを受け、原作コミック『この世界の片隅に』(上・中・下3巻)は重版をかさね、60万部を突破。コトリンゴによるオリジナルサウンドトラックは、iTunesのサントラジャンルで、11月19日から21日にかけてアルバムランキングで1位を獲得した。シングルではオープニングテーマ「悲しくてやりきれない」が1位、エンディングテーマ「たんぽぽ」と主題歌「みぎてのうた」もトップ10内にランクインしている(11月21日17時現在)。
片渕監督は公開後も精力的に舞台挨拶を行っている。これまで11月14日に東京・テアトル新宿で、11月18日に広島・福山駅前シネマモード、11月19日に山口・イオンシネマ防府、そして11月20日に再びテアトル新宿でバリアフリー上映に駆けつけるなど、同作のを魅力を伝えるべく全国を行脚している。今後も、11月24日に大阪・テアトル梅田、11月27日に宮城・チネ・ラヴィータと109シネマズ富谷、12月4日に滋賀・イオンシネマ近江八幡と京都・イオンシネマ京都桂川、など劇場からの舞台挨拶依頼がよせられており、上映館も今週末11月26日(土)から、78館に拡大するという。
映画『この世界の片隅に』は公開中。
映画『この世界の片隅に』
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎 製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた。