タイの映像作家・アピチャッポンの個展『亡霊たち』が東京都写真美術館で開催 メディアと政治がもつ"見えざる力"を表現
《ゴースト・ティーン》 2013 年 インクジェット・プリント
東京都写真美術館では、2016年12月13 日（火）～2017 年1月29日（日）にかけて『総合開館 20 周年記念 アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち』が開催されている。
アピチャッポン・ウィーラセタクンは、タイ出身の映像作家 ・映画監督。タイの東北地方を舞台に、伝説や民話、個人的な森の記憶や夢などの題材をもとにした、静謐かつ叙情的な映像作品を制作してきたことで知られている。
アピチャッポン・ウィーラセタクン
本展のタイトル「亡霊たち(Ghosts in the Darkness)」は、2009 年に発表したアピチャッポン自身の論考タイトルに由来している。本展のキーワード、目に見えない亡霊＝Ghost には二つの意味が潜む。ひとつは写真や映像などのメディアを媒介することで作用する、映像自体が持つ特性のこと。もうひとつは、政治や歴史の中に潜み、現実社会で作用する見えざる力のことを表す。本展ではこの “メディアの亡霊”と“政治の亡霊”の二つを考えることが、アピチャッポンの映像世界を理解する鍵となっているとのこと。
《花火（アーカイヴス）》2014 年 シングルチャンネル・ヴィデオ・インスタレーション HD デジタル、カラー、ドルビーデジタル 5.1、6 分 40 秒
《悲しげな蒸気》2014 年 ライトボックス、昇華型熱転写方式
《灰》2012 年 シングルチャンネル・ヴィデオ ＨＤデジタル、カラー、ステレオ 21 分 48 秒 東京都写真美術館蔵
《灰》2012 年 シングルチャンネル・ヴィデオ ＨＤデジタル、カラー、ステレオ 21 分 48 秒 東京都写真美術館蔵
会場は、東京都写真美術館のコレクションを中心に、最新作品を含む 23 点とアーカイヴ作品で構成されている。さらに会期中は、本邦初公開作品を含む『アピチャッポン本人が選ぶ短編集』(全 25 作品4 プログラム)も上映される。こちらもあわせてチェックしてみては。
夜のあいだ自分はいったい誰だったのか、突き止めてみたいのだ。
アピチャッポン・ウィーラセタクン
《ナブア森のティーン、2008 年》2013 年 発色現像方式印画 東京都写真美術館蔵
《ナブア森の犬と宇宙船、2008 年》2013 年 発色現像方式印画 東京都写真美術館蔵
Apichatpong Weerasethakul: Ghosts in the Darkness
会 場：東京都写真美術館 地下 1 階展示室
会 期：2016 年 12 月 13 日（火）～2017 年 1 月 29 日（日）
開館時間：10:00～18:00（木・金は 20:00 まで）
ただし、2017 年 1 月 2 日(月･振休)・3 日(火)は 11:00～18:00
入館は閉館 30 分前まで
休 館 日：毎週月曜日（月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日が休館。ただし 1 月 3 日は開館）、年末年始(2016 年 12 月 29 日～2017 年 1 月 1 日）
観 覧 料：一般 600(480)円／学生 500(400)円／中高生・65 歳以上 400(320)円
※（ ）は 20 名以上の団体料金
※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料
※第 3 水曜日は 65 歳以上無料
主 催：東京都 東京都写真美術館／産経新聞社
助 成：公益信託タカシマヤ文化基金
協 賛：株式会社資生堂、Angie Naoko
後 援：タイ王国大使館