後世に残したい名作ゲーム第5回 後のパズルゲーム業界に大きな影響を残した「す~ぱ~ぷよぷよ」
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©SEGA
テトリスを発端に起きたパズルゲームブームの中で生まれたぷよぷよ
80年台末期、日本はパズルゲームブームのさなかにありました。そのきっかけとなったゲームがロシアより襲来したパズルゲーム「テトリス」です。このゲームはあまりに有名で、ゲームを全くプレイしない人でもどんなゲームか知っていることでしょう。1989年にゲームボーイで発売された「テトリス」は、出荷本数424万本と、ゲームボーイソフトの売上1位を記録しています。
今回紹介する「す~ぱ~ぷよぷよ」も、そんなパズルゲームブームの中生まれたパズルゲームの一つです。本作「す~ぱ~ぷよぷよ」はコンパイル制作のアーケード版「ぷよぷよ」のSFC移植版で売上本数170万本という大ヒットを記録しました。本作は、上記のようにテトリスブームのさなかに生まれたソフトではありますが、テトリスに追随するのではなく、それとは違う方向性を見出すことで、独自の人気を得ることが出来た作品です。そして、この作品の登場によってその後のパズルゲームの方向性が大きく変わっていきました。本作はまさにパズルゲームの歴史の転換点ともいうべきソフトです。今回は、そんな「す~ぱ~ぷよぷよ」を紹介します。
連鎖の概念を生み、楽しさを伝えた功績
本作は上から落ちてくるぷよを並べて消していく、いわゆる落ち物パズルというジャンルのゲームです。上から2つ1組で落ちてくるぷよを組んでいき、4つ組み合わせるとぷよを消すことができます。左から3列目が一番上まで埋まるとゲームオーバーなので、そうならないようにぷよを消していくことが目的となります。
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本作の大きな特徴として、連鎖システムがあります。ぷよを消した時そのぷよの上にあるぷよは落下するのですがそこでまたぷよを4つ並ぶとぷよを消すことができ、このことを連鎖といいます。これを行うことで、得点が増えるなどゲームを有利に進められます。その他、連鎖の際に「ファイア~」といったキャラクターの音声演出が入るのですが、それもあって、たくさんのぷよが一気に連鎖して消えていくのを眺めるのはとても気持ちいいです。テトリスでいうなら、4ライン一気に消した時のような快感でしょうか。この連鎖をいかに積み上げるかがゲームの肝であり、醍醐味と言えるでしょう。
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連鎖には組み方があるので、プレイする際には連鎖の組み方を知っておいた方が有利です。ですが、本作は縦・横・斜めのように消し方が固定されている通常のパズルゲームと違い、ぷよが直接つながってさえいれば消えるため、比較的ぷよを消しやすいです。なので、多少ぷよの配置がずれても連鎖がつながりやすく、意図しなかった連鎖が不意に発生したりします。これに関しては意図してなかった連鎖のせいで計算が狂って、最終的に連鎖数が伸び悩むといったこともあるので注意は必要ですが、柔軟に連鎖が組めるのが嬉しい要素です。このように、本作は比較的連鎖が出やすくなっており、ライトユーザーでも連鎖の気持ちよさを味わいやすいのがこのゲームの大きな魅力です。
本作以前に登場したパズルゲームでも連鎖的なことは可能でしたが、このように、システムの一つとして大きくピックアップし、連鎖そのものに楽しみを見出したことは本作の大きなポイントだったと思います。
自分との戦いから人との戦いへ
本作のメインモードはCPUや対人との対戦モードとなっています。これまで登場したパズルゲームは基本的に対戦相手なしで、どれだけ長くプレイできるか、または如何にポイントを稼ぐかといったものがほとんどで、いわば自分との戦いでした。ですが、本作はそういった従来のパズルゲームのモードも搭載しつつ、メインは対戦モードとしました。これによって、一人遊びに特化したジャンルだったパズルゲームを、友達や家族、または見知らぬ他人とのコミュニケーションツールとしても遊べるようにしたのが大ヒットする大きなポイントだったように思います。
その証拠に、本作の後に登場したパズルゲームは、それまでにあった一人遊び向きのゲームではなく、対戦要素も取り入れたパズルゲームがたくさん登場するようになりました。このように、パズルゲーム業界にぷよぷよが与えた影響はとても大きいものです。
また、本作のCPU対戦モードは対戦前に対戦相手のキャラクターとゆるい漫才デモが流れるのですが、これも独特のテンポとゆるい会話が面白いと話題になりました。このキャラクター人気のおかげで、ゲームファンだけでなく女性ファンなども多いです。ちなみにこのキャラクターたちは大半がコンパイル制作のRPG「魔導物語」シリーズのキャラクターなのですが、ぷよぷよの知名度があまりに高くなりすぎてしまったために、その事実を知らないユーザーも多いようです。
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今後のぷよぷよはどこに向かっていくのか?
「す~ぱ~ぷよぷよ」の大ヒットを受けて、さまざまな機種への移植や続編の制作、番外ソフトの発売など乗りに乗っていたコンパイルですが、残念ながらコンパイルが経営破綻してしまいました。その結果、現在のぷよぷよシリーズはセガが版権を引き継ぎ、「ぷよぷよフィーバー」という、シリーズを展開中です。
ぷよぷよフィーバーは、基本ルールはそのままに、新システム「フィーバーモード」を搭載。これは、このモードに入ると1つ特定の場所のぷよを消すと大連鎖が出来るぷよの組み合わせが出続ける夢の様なモードで、これのおかげでより大連鎖の爽快感を誰でも味わえるようになりました。
最近では、あのパズルゲームの元祖「テトリス」との奇跡のコラボを果たしました。これは2つのゲームルールで同時に戦えるというカオスぶりであり、まさに夢のコラボレーションといえるでしょう。
果たしてぷよぷよは次はどこに向かっていくのでしょうか? 今後のぷよぷよの動向が楽しみで仕方ありません。
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