鈴木雅明(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 メインのバルトークは20世紀のコンチェルト・グロッソ

2017.2.12
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クラシック

鈴木雅明 ©Marco Borggreve


 バッハ・コレギウム・ジャパンを率いる鈴木雅明は近年最も国際的に活躍している日本人指揮者の一人といえるであろう。著名な古楽アンサンブルだけでなく、ニューヨーク・フィル、ボストン響、チューリヒ・トーンハレ管など、世界のメジャー・オーケストラにも招かれている。国際的に注目されている鈴木が4年ぶりに東京シティ・フィルの定期演奏会に登場する。鈴木は、2006年にモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」を指揮して以来、東京シティ・フィルと共演を重ねている。なかでも10年のマーラーの交響曲第1番「巨人」、11年のマーラーの交響曲第5番、13年のマーラーの交響曲第4番は、特筆されるべき(意外とロマンティックな)演奏であった。

 今回のプログラムは、ウェーベルンの「パッサカリア」、ベートーヴェンの交響曲第4番、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」。メインのバルトーク作品は、20世紀のコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)ともいえる名曲。鈴木が東京シティ・フィルのメンバーたちとどんな合奏を繰り広げるのか楽しみだ。ベートーヴェンは鈴木が最近熱心に取り組んでいるレパートリー。同じ2月にはバッハ・コレギウム・ジャパンと「ミサ・ソレムニス」も演奏する。同じホールで、同じ指揮者のピリオド楽器とモダン楽器のベートーヴェンの聴き比べができるのも面白い。ウェーベルンが“作品1”をつけたバロック音楽を思わせるタイトルの野心作を鈴木がどう料理するのかも興味津々だ。

文:山田治生
(ぶらあぼ 2016年12月号から)


鈴木雅明(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
第304回 定期演奏会

2017.2/18(土) 東京オペラシティ コンサートホール
問合せ:東京シティ・フィル サービス03-5624-4002
http://www.cityphil.jp/