MUCC ツアー初日の直前、約1時間のSPECIAL FREE LIVEで見せた見事な孵化の始まり
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MUCC 『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
MUCC 『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE
2017.2.4(SAT)TSUTAYA O-EAST
2017年1月25日に13枚目のフルアルバム『脈拍』をリリースしたMUCC。フルアルバムは、2014年の6月25日にリリースされた『THE END OF THE WORLD』以来3年ぶりとあり、待望の一枚となった訳だが、彼らはその期待を裏切ることなく、結成20周年に相応しいと言い切れる極上の作品を残してくれた。
『脈拍』は、20周年をコンセプトとして作られたアルバムならずとも、MUCCというバンドが歩んできたサウンドの遍歴を随所に感じさせるMUCCらしい一枚である。まさに。聴き手に“MUCCらしさ”を感じさせることこそが、個性の確立であると私は思う。故に、彼らはこの20年という歩みの中で、確実に“MUCCという個性”を確立させたと言っても過言ではないであろう。
アルバムごとに新たな挑戦を繰り返し、毎回進化と変化も魅せてくれる彼らだが、その時感じた新鮮さや辛辣さすらも、いつしか“MUCCらしさ”へと馴染ませていってしまうバンド力も他のバンドにはない絶対的なポテンシャルであると言えるだろう。今作『脈拍』には、この先MUCCらしさの一因として自然と馴染み、ますますの進化を遂げていくのであろうと感じさせる新たな扉を開けた楽曲も存在するが、MUCCのアルバムの特徴でもある“新たなジャンルをMUCCに持ち込むというチャレンジ”よりも、培ってきたMUCCの個性のブラッシュアップを感じるのだ。
まさしく。20周年と共にあるアルバム。そう言い切れる一枚なのである。
彼らは、結成20周年に当たる2017年に20個の卵の孵化を提示し、それらを20周年の使命とし、自らに課した。今作『脈拍』は、その20個の卵の一つ目の孵化であり、2月4日からスタートさせた全国ツアー『MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 羽化 -是朽鵬6極志球業シ終T脈殺-』は、2個目の卵の孵化となる。
彼らは昨年から20周年目へと向かう為の助走を初めており、『MUCC TOUR 2016 GO TO 20TH ANNIVERSARY 孵化 -哀ア痛葬是朽鵬6 極志球業シ終T-』と、ミニアルバムも含めた歴代のアルバムの頭文字を集めたタイトルで全国ツアーを行なってきていたことから、2月4日からスタートさせた全国ツアー『MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 羽化 -是朽鵬6極志球業シ終T脈殺-』は、“本番”と言うべき位置に値する。
MUCC 『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
2月4日。彼らは2個目の卵『MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 羽化 -是朽鵬6極志球業シ終T脈殺-』をO-EASTのステージからスタートさせた。初日でもあったこのライブは、ファンクラブ「朱ゥノ吐」会員限定として行なわれたのだが、なんと、彼らはこの日、その初日のライブ前に、『脈拍』購入者の中から抽選でフリーライブに招待したのである。
ライブには、当選者が1名まで同行者を招待し、1組2名で参加できるとあってこの日、初めてMUCCのライブを観たという人たちも多かったことだろう。
フリーライブが行なわれたのは、19時からのツアー初日本番を控えたO-EASTのステージ。SATOち、YUKKE、ミヤ、そして逹瑯は、SEが流れる中、静かにステージに身を置いた。
MUCC 逹瑯 『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
MUCC ミヤ『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
MUCC YUKKE『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
MUCC SATOち『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
フリーライブというものの、“おまけ”的なライブではなく、それは本番さながらのステージングで行なわれたのである。
ゆっくりとせり上がる『脈拍』のジャケットをそのまま用いたヴィジュアルもまた、彼らの20周年のすべてを集約して描かれた繊細なタッチの和洋折衷絵柄である。威厳と優美さを感じさせるそのヴィジュアルを纏った衣装も、彼らの存在感を際立たせたものだった。
1曲目に置かれた「脈拍」の細く透明なイントロから幕を開けたステージは、次第に激しさを増し、発売から1ヶ月も経たないというのに、既にこの先のライブのテッパン曲となるであろう重鎮感を放っていた「絶体絶命」へと繋がれた。MUCCが得意とするリズムに、とことんダークなフレーズを絡み付け、半音を軸とする琴線に触れる開けるサビを用いるその手腕に、まんまと胸のど真ん中を鷲掴みされた気持ちにさせられる。
やられた。完敗。そんな気分にさせられた。アルバムを初めて聴いたとき、この曲が放たれたライブの光景がハッキリと見えた気がしていたが、実際の景色はそれ以上だったからである。そこには、手放しで彼らの音と歌に拳をかざし、フロアに大きなサークルを創り出し、全力で駆回るファンたちの、“愛しく最低最悪の景色”が広がったのだ。この曲がアルバムのピースとして制作の過程の最後の方で嵌められたとき、このアルバムの完成を確信したというメンバーの言葉通り、ファンたちもこの曲に大きな手応えを感じたに違いない。それを証拠に、この曲はアルバム発売直後から絶大な人気を誇っているのだという。
TVアニメ『七つの大罪 聖戦の予兆』のオープニングテーマとなった「CLASSIC」では、イントロが始まるとオーディエンスはクラップを重ね、そのメロディに体を委ねた。シングルとしての存在感を放ちながら、昨年のツアーで育て上げられた成長の形を実感させられた瞬間でもあったと言えるだろう。
MUCC 『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
このスペシャルフリーライブでは、「脈拍」と「絶体絶命」の他に新曲は「勿忘草」が届けられたのだが、無骨でダーティなイメージの「KILLEЯ」から繋げられた、細くどこまでも美しく伸びるギターを用いたイントロの「勿忘草」への流れは、よりこの曲のセンチメンタルな部分を引き立たせていた様に思う。また、「勿忘草」は、プロデューサーにKen(L'Arc~en~Ciel)を迎えて制作されたアルバム故の個性と言ってもいいだろう。今作の中で、それを1番色濃く感じさせてくれる曲でもある。感傷的な世界感はMUCCの個性の一つでもあるが、Kenのプロデュースがなければ、もう少し暗くて切ない、ドロッとしたイメージの曲になっていたのかもしれないと感じるのだ。特にイントロ、そして、間奏の泣きのギターフレーズ、サビのコーラス部分など、これまでのMUCCにはなかった斬新なアプローチを強く感じる。言いたいことを濁し、胸に秘める奥ゆかしき美学を歌詞にしたという逹瑯の言葉選びと切なく絡み合うこの曲も、また一つMUCCという個性の振り幅になっていくのだろうと感じた見事な孵化の始まりを見せつけられた瞬間でもあった。
MUCC YUKKE『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
「アルバムを買って頂いてありがとうございます。ここからこのアルバムを引っさげてツアーに行ってまいります。この初々しい“ういうい”した感じから、ツアーの最後の方には、成長を遂げた“ぐいぐい”した感じも観られると思うので、是非、足を運んで頂ければなと思います。この先、武道館2days(6月20日・21日)もありますんで、ここにいる全員と楽しめたらなと思ってます」(逹瑯)と、ツアーと20周年イヤーの始まりを宣言し、集まったオーディエンスに「ハイデ」を贈った。
ヘヴィなサウンドと人間の業や哀しみや醜さを吐き出し、その感情をシニカルに表現し、魅せていくことに長けているMUCCではあるが、時おり覗かせる郷愁感を抱かせる美しく優しく漂うメロディも、彼らの重要な武器でもある。優しくも激しいサウンドが印象的な「ハイデ」は、20年という年輪が描かせた1曲であったと言えるだろう。
MUCC 逹瑯『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
フリーライブでは他に「ニルヴァーナ」「ENDER ENDER」「蘭鋳」など、新旧混合の全9曲を届け、約1時間のライブを締めくくった彼ら。長さは違えど、彼らはこの日、同じ場所で2本のライブを行ない、30曲以上を演奏し歌い届けたこともあり、かなり過酷なツアーの幕開けとなったが、それは、まさしく、ここから始まる20個の卵をすべて孵化させ、またそれを羽化させるという、自らに課した過酷な20周年イヤーの始まりを物語っていたかの様だった。
取材・文=武市尚子 撮影=西槇太一
MUCC 『脈拍』購入者限定 SPECIAL FREE LIVE 撮影=西槇太一
★6月20日(火)、21日(水)日本武道館公演『MUCC 20TH-21ST ANNIVERSARY 飛翔への脈拍 ~そして伝説へ~』
■2017年2月11日(土)
新潟LOTS (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)FOB新潟 025-229-5000
■2017年2月12日(日)
京都KBS ホール (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
■2017年2月18日(土)
金沢EIGHT HALL (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)FOB金沢 076-232-2424
■2017年2月19日(日)
静岡SOUND SHOWER ark (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)ジェイルハウス 052-936-6041
■2017年2月25日(土)
札幌cube garden (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)WESS 011-614-9999
■2017年2月26日(日)
札幌cube garden (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)WESS 011-614-9999
■2017年3月4日(土)
水戸club VOICE (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
■2017年3月5日(日)
松本Sound Hall a.C (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)FOB新潟 025-229-5000
■2017年3月9日(木)
熊本Be-9 V-1 (OPEN 18:30 START 19:00)
(問)キョードー西日本 092-714-0159
■2017年3月10日(金)
福岡DRUM LOGOS (OPEN 18:00 START 19:00)
(問)キョードー西日本 092-714-0159
■2017年3月12日(日)
鹿児島CAPARVO HALL (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)キョードー西日本 092-714-0159
■2017年3月17日(金)
club SONICいわき (OPEN 18:30 START 19:00)
(問)キョードー東北 022-217-7788
■2017年3月19日(日)
仙台PIT (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)キョードー東北 022-217-7788
■2017年3月20日(月・祝)
郡山HIPSHOT JAPAN (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)キョードー東北 022-217-7788
■2017年3月25日(土)
岡山YEBISU YA PRO (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)夢番地岡山 086-231-3531
■2017年3月26日(日)
高松festhalle (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)DUKE高松 087-822-2520
■2017年4月1日(土)
柏PALOOZA (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
■2017年4月2日(日)
HEAVEN'S ROCK 宇都宮VJ-2 (OPEN 16:30 START 17:00)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
■2017年4月8日(土)
Zepp Nagoya (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)ジェイルハウス 052-936-6041
■2017年4月9日(日)
Zepp Osaka Bayside (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
■2017年4月14日(金)
Zepp DiverCity Tokyo (OPEN 18:00 START 19:00)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
■2017年4月15日(土)
Zepp DiverCity Tokyo (OPEN 16:00 START 17:00)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
【
前売券¥6,000(税込)
当日券¥6,500(税込)
※Zepp Nagoya, Zepp Osaka Bayside, Zepp DiverCity/1F立見・2F指定席・ドリンク代別
※その他の会場/オールスタンディング・ドリンク代別
※未就学児童入場不可
【一般発売日】
<MUCC 20TH ANNIVERSARY 97-17 "飛翔" 特設サイト>
http://www.55-69.com/20th/
【
前売券¥6,000(税込)
※全席指定
※未就学児入場不可
【虚無僧DU MODE
2017年2月17日(金)12:00~2月24日(金)16:00
※受付の詳細は、虚無僧DU MODEにアクセス後、ご確認ください。
【一般発売日】
2017年3月25日(土)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
第Ⅰ章 97-06 哀ア痛葬是朽鵬6
2017年6月20日(火)
日本武道館
OPEN PM5:00 START PM6:09
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
第Ⅱ章 06-17 極志球業シ終T
2017年6月21日(水)
日本武道館
OPEN PM5:00 START PM6:09
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
【虚無僧DU MODE
2017年2月3日(金)12:00~2月9日(木)16:00
※受付の詳細は、虚無僧DU MODEにアクセス後、ご確認ください。
【プレオーダー】
2017年2月10日(金)12:00~2月16日(木)18:00
【
2017年4月22日(土)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
2017年3月29日発売
【2CD】AICL-3311~2 ¥3,500+tax
<DISC-1>
01. ファズ
02. 梟の揺り篭
03. アゲハ
04. 空と糸
05. 咆哮
06. フリージア
07. ジオラマ -20th 飛翔 Ver.-
08. フォーリングダウン
09. 暁 -20th 飛翔 New Take Ver.-
10. アルカディア featuring DAISHI DANCE
11. ニルヴァーナ
<DISC-2>
01. 風と太陽
02. ブレア・ラビット
03. ステラ
04. MOTHER
05. Mr. Liar
06. G.G.
07. HALO
08. World's End
09. ENDER ENDER
10. 睡蓮
11. TONIGHT
MUCC『カップリング・ベスト Ⅱ』
2017年3月29日発売
【1CD】AICL-3313 ¥2,500+tax
<収録曲>
01. 終止符
02. 楽園
03. 瓦礫の鳥
04. イソラ
05. 月の夜
06. 蛍
07. NAME
08. FUZZ -Thunder Groove Ver.-
09. バルス
10. ネガティブダンサー
11. あすなろの空
12. テリトリー
13. Monroe
14. 自演奴
15. WateR
16. モノポリー
17. Conquest
『BEST OF MUCC Ⅱ & カップリング・ベスト Ⅱ』
2017.3.29発売
4CD ¥6,920+tax(AICL-3314~7)
※5,000枚限定販売スペシャルパッケージ
<DISC-1><DISC-2>BEST OF MUCC Ⅱ
<DISC-3>カップリング・ベスト Ⅱ
<DISC-4>REMIX OF MUCC
01.ファズ -electro cruisin' mix-
02.フリージア -Electro Mix-
03.約束 -Warehouse Flavoured Mix-
04.最終列車 -Warehouse Flavored Ver.-
05.ニルヴァーナ -Moonbug Remix-
06.狂乱狂唱 RMX for 不安の種
07.MOTHER -RYUKYUDISKO REMIX-
08.Mr. Liar -JaQwa Remix-
09.HALO -HIGH FLUX Remix-
10.Libra -TeddyLoid Remix-
11.ハイデ -TeddyLoid Remix-