楠本桃子のゲームコラムvol.32 少女が奏でる"詩"のRPG『アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女』
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※製品紹介サイトより引用
今回紹介するゲームは『アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女』です!
2006年1月26日に、ガストとバンプレストから発売されたPlayStation 2用RPGです。全三部作のシリーズとなっており、ガストの代表作品として、今なお人気が衰えずに愛されている作品です。"詩魔法"や"レーヴァテイル"など、独自の世界観を持つ唯一無二の作品となっています。
他にはない独特な世界観がベースとなっているため、専門用語が覚えにくい……と構えてしまうかもしれませんが、心配はご無用。惹き込まれるストーリー展開で、すんなりと作品世界へと入り込むことができます。
設定やストーリーだけではなく、システムもかなり独特なものとなっている本作。そんな本作の魅力は、ゲーム内の随所に散りばめられています。一度プレイをすれば、その魅力に虜になること間違いなしですよ!
【"詩"の力で勝利を導く! ヒロインを護りながら一撃必殺を狙え!】
本作で欠かせない存在、それは"レーヴァテイル"と呼ばれる種族。"レーヴァテイル"は女性しか存在せず、"詩魔法"という魔法を使うことができます。"詩魔法"はその名の通り、歌唱をすることによりあらゆる超常現象を起こすことができる魔法であり、"レーヴァテイル"以外は使用することができない力となっています。
主人公は、そんな"レーヴァテイル"であるヒロイン達と共に冒険を行い、戦闘では彼女達を護りながら戦うこととなります。"詩魔法"の発動には歌唱をする必要があるため、発動には時間がかかってしまいます。その間、"レーヴァテイル"が倒されてしまわないよう、しっかり護ることがプレイヤーの役目。見事防衛に成功し"レーヴァテイル"が歌を歌い終わった時には、敵を一撃で消滅させるようなパワーを持った"詩魔法"が発動します!
攻撃と防衛をバランスよく組み合わせながら、敵の撃破を目指しましょう。一撃必殺がバッチリ決まった時の爽快感は、一度味わうと病みつきになってしまいます。"詩魔法"は種類もたくさんあり、それぞれ異なる演出を見ることができるので、発動時の美麗なグラフィックにも注目してみてください。
【ヒロインに"ダイブ"して"コスモスフィア"に潜り込め!】
本作の特徴的なシステムとして、"ダイブ"というシステムがあります。これは、ヒロインの心の中に入り込むことで、そのヒロインの精神世界を覗いてしまう、というもの。精神世界は"コスモスフィア"と呼ばれていて、何階層にも連なっています。
ヒロイン達は様々な悩みを抱えていて、その悩みを"コスモスフィア"内で解決するごとに新たな階層に進むことができる、というもの。もちろん、階層が深くなるごとに深層心理に近付いていくため、思いもよらぬ展開になってしまうことも……。
"コスモスフィア"をクリアしていくごとに新しい"詩魔法"や、ヒロインが身につけることのできるコスチュームが増えて行きます。"ダイブ"を繰り返し、ヒロインの心を開いていきましょう。
また、"グラスノ結晶"をヒロインにインストールし、"詩魔法"の強化を行うことも可能。ヒロインの体内に直接"グラスノ結晶"を取り込むため、インストールのお手伝いをするときは、少しドキドキする光景が……!
インストールの様子は、ぜひ、ゲーム内で確認してみてください!
【本当のココロを覗く勇気、ありますか? 人間味溢れる魅力的なキャラクター】
"ダイブ"でヒロインの本心を見てしまったあなたは、拒絶をしたくなるかもしれません。しかし、人間なら誰しもが抱える心の闇をさらけ出していくヒロイン達に感情移入もしてしまうことでしょう。生々しい感情をこれでもか!とぶつけてくるヒロイン達との対話も、他のゲームでは中々味わうことのできない体験となっています。
"しゅんデレ"というカテゴリーを生み出した内向的な少女"オリカ"に、明るく強気な"彌紗"といったヒロインはもちろん、ボーイッシュなエンジニア"クルシェ"、ライナーの友人であり良き理解者の"絢胤"など、登場するのは個性が強いキャラばかり。
心情描写が丁寧な本作では、各キャラクターがしっかりと掘り下げられるため、愛着が湧いてしまい、クリアをすることが惜しくなるほど。
もちろん、キャラクターだけではなく練り込まれた世界設定も魅力のひとつ。SFとファンタジーが融合した世界はユーザーからの評価も高く、設定資料集を読み込むたびに新しい発見があります。膨大な専門用語や世界設定は、最初はとっつきにくそうに見えるかもしれませんが、ストーリーを進めていると驚くほどストレートに理解ができます。
緻密に表現された『アルトネリコ』の世界に、是非浸ってみてください。
【ゲームミュージックとは思えない! 歌姫達の歌声に癒される】
歌の力がキーとなっている本作では、プレイ中に流れる歌へのこだわりが随所に込められています。"レーヴァテイル"が歌う魔法は「ヒュムノス」と呼ばれますが、この「ヒュムノス」は本作の至る所で流れます。
イベント中に流れる「ヒュムノス」はもちろん、戦闘で使用する「ヒュムノス」も、しっかりと聴き込む価値があるクオリティの高さ。志方あきこ氏や霜月はるか氏による歌声が、ゲーム全体を彩ります。
"ヒュムノス語"と呼ばれる架空の言語で歌われる曲達は、不思議でいて耳触りの良い曲ばかり。一度聴いたら忘れられないような、独特の旋律は"アルトネリコ"っぽさを主張しています。民族音楽が好きな方は、必ずハマるはず。
サウンドトラックからゲームに入る、という方も多い本作なので、気になったらサウンドトラックで『アルトネリコ』が奏でる音を聴いてみてください。本作で挿入歌として使用されている歌は、ゲームのファンのみならず、ゲーム自体のプレイをしていない人からも高評価となっています。
熱いイベントシーンや戦闘で「ヒュムノス」が流れ始めた時には、グッとくること間違いなし! 音楽が良いゲームを探している、という方に、自信を持ってオススメできる作品が『アルトネリコ』です。
【一度触れたら抜け出せない、アルトネリコワールド】
アトリエシリーズにある"調合"のようなシステム"グラスメルク"や、コレクター魂をくすぐる"アルトレカ"など、やりこみ要素も数多く存在する本作。RPGとしての出来はもちろん、シミュレーションゲームとしても十分に楽しむことができます。
未だに多くのファンに愛される『アルトネリコ』シリーズは、『アトリエ』シリーズと並んでガストの看板タイトルとなりました。壮大な世界観が好きな方、可愛い女の子が好きな方、純粋にRPGを楽しみたい方、音楽が好きな方、どんな方でもその人なりの楽しみ方があるのが『アルトネリコ』の魅力です。
王道ファンタジーのRPGは飽きてしまった、というあなた。今度は歌の力で世界を救ってみませんか??