入門編にして真骨頂! POLYSICSのリテイクベスト『Replay!』にみる20年の歩みと現在地
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POLYSICS 撮影=樋口隆宏
何と言ってもPOLYSICSはライブ! その熱量をギュッと詰め込んだバンド結成20周年の再録ベストアルバム『Replay!』がリリースされた。これまでに数多く発表されてきた作品のなかでも「Shout Aloud!」や「Let’s ダバダバ」といった、選りすぐりのライブ定番12曲を、いまの3人による演奏で録り直して収録。20年にわたりライブシーンで新たなファンを獲得し続けるポリの入門編とも言える今作は、同時にポリがこれまで歩んできたビルド&スクラップの歴史を総括した1枚でもある。「なんだかわからないけど面白い!」という言葉にできない快感から出発したポリの音楽は、その衝動から20年を経たいまも、どこにも媚びない天邪鬼スタイルで新たな「面白い!」を模索し続けている。
——これまでもポリは何度かベストアルバムを出してますけど、あえて今回の20周年ではライブ定番曲っていうところに焦点を当てた。理由はあったんですか?
ハヤシ:やっぱりPOLYSICSはライブに来てくれたら、いちばん僕たちがやってることが伝わるバンドじゃないかなっていうところはありますよね。何よりもライブをメインにやってるから。あとは、これだけ長くやってると……ね?
フミ:アイテム数が多くて(笑)。これからライブを見に行きたいと思ってる人も、何を聴いたらいいかわからないと思うんです。もちろん最新盤を聴くのが良いけど、それが必ずしもライブでやる曲ではなかったりするので。だから、ライブの定番曲をいま一度ちゃんとパッケージしようと思ったんです。特に、ドラムのヤノが叩いていない(2004年までの)初期の曲は3人バージョンで録り直したいなと思ったんです。
——2010年までの音源はカヨさんも含めた4人組で録ってるものだから。
ハヤシ:それを20周年のタイミングで1枚に収めたかったのはありますね。
——となると『Replay!』は、ポリ初心者のための入門盤ということになりますか?
ハヤシ:そこは意識しましたね。でも、コアなファンの人には昔の曲とアレンジを聴き比べてほしいですね。初回盤にはライブベストDVDも付いてるから、そっちはかなりコアファン向けの内容にはなってると思います。
——たしかにポリのライブを見てて思うのは、20年もバンドを続けてると、ファンも一緒に年をとるって言うところを、どんどん若いお客さんも入ってますよね。
ハヤシ:特にイベントでそう感じるときもありますね。「あ、若い子が増えたな」とか。
——だからこそ、こういうアイテムも必要なのかもしれない。
フミ:ワンマンに来てくれるお客さんは昔からの人も多いんですけど、やっぱりワンマンに行くまでのハードルみたいものはありますよね。そのハードルが少しでも低くなったらいいなという想いもあるんです。だって若い子が全アイテムを揃えるお金はないじゃないですか。定番曲もけっこういろんなアルバムにバラバラに散りばめられてるので。フェスだけじゃなくて、ライブハウスに来てくれる取っ掛かりにもなったらと思いますね。
ハヤシ:そうだね。
POLYSICS・ハヤシ 撮影=樋口隆宏
——今作のいちばん古い曲だと、「Buggie Technica」(インディーズ時代の1stアルバム『1st P』収録)から入ってて。
フミ:そうですね。それがいちばん最初のライブからやってる曲です。
——そういう意味でオールタイムベストな作品ですけど、選曲はどういうふうに?
ハヤシ:最初に僕が「こういう曲順でやりたい」って出したんです。でも、それが多すぎて。そこからみんなで省いていった感じですね。
フミ:最初は30曲ぐらいあったよね。
ハヤシ:「だから初心者に向けてだろ!」って言われながら(笑)。そう思いながらも、あれも聴かせたい、これも聴かせたいってなっちゃうんだよね。
フミ:でも多ければ良いってもんじゃないじゃないですか。「サクッと聴ける」みたいなことが大事だったし、この12曲じゃないとダメだったんですよ。
ハヤシ:俺が「13曲じゃダメかな?」とか言ったりしてね(笑)。
——1曲ぐらい良くないですか(笑)?
ハヤシ:そこらへんはフミがね。
フミ:やっぱり取っ掛かりになってほしい作品だから13曲は多いんです。だから本当は「あれも入れたかったけど……」みたいなのはあるんですよね。
——「I My Me Mine」が入ってないじゃん!とか。
フミ:そうなんです。
ハヤシ:「I My Me Mine」とか「Baby BIAS」とかは、2013年にリテイクしてるので今回はいいかなと思ったんです(シングル「MEGA OVER DRIVE」のカップリング)。
フミ:他にももっとライブでやってる定番曲あるよねって話したんです。そうすると、たとえば「Digital Coffee」が意外と定番だったりするな、とか思って。いわゆるシングルだけをリテイクするものにするつもりもなかったので。
ハヤシ:だから「URGE ON!!」とかも絶対に入れたかったしね。
——ポリのリテイクベストと言えば、2004年の『POLYSICS OR DIE!!!!』もありましたけど、あのときは「インディーズ時代の音源が嫌だった」と言ってましたよね。
ハヤシ:最初のベスト『POLYSICS OR DIE!!!!』のときは本当に嫌でしたね。インディーズ時代の音源と、そのときにポリがやってる音が変わりすぎてたので、やっぱり温度差を感じたんですよ。だから、そのまま入れるより再録したい。そうしたら全然違う聴こえ方をしたんです。今のメンバーでリアレンジすると、こんなに変わるものだなと思った。だから今回も録り直したっていうのもあるし、やっぱりいまのPOLYSICSを聴いてもらいたいんだよね。特にインディーズ時代とかは、本当に……何でしょう?って感じなので。
フミ:まあ、逆に良いけどね(笑)。
ハヤシ:一周していまは面白いですけど、しばらくは恥ずかしくて聴けなかったですね。最近ですよ、やっと面白いと思えるようになったのは。
——最近になって昔の音源を聴けるようになったのは、心境の変化があったんですか?
ハヤシ:ありましたね。(最新アルバムの)『What‘s This???』を録るときに、それまで恥ずかしくて聴けなかったインディーズ時代の作品を聴き直すきっかけがあって。そのときに「あ、この音楽は何だろう?」と思ったんです。テクノポップにしては全然整理されてないし、でも、ロックバンドとしても歪だし、その整理されてない感じが、逆に面白い。正しく楽器が配置されてない面白さを発見したんです。当時はシンセベースだったんですけど、それも低音を出す楽器というよりはビヨビヨいってれば良かったし、バスドラもすごい低い音のマシンで鳴らして、ほとんど耳では聴き取れないところで鳴ってて。でもギターもシンセもボーカルもめっちゃ高音。真ん中が全くないから面白い、みたいな。
——いまだったら音楽として整えちゃうけども。
ハヤシ:知識も得てますからね。でも、当時は整えてないからこそ、いろんなロック好きな人も面白がってくれたと思うんです。それで、この何だかわからないけど、面白いみたいな要素は、いまでも自分が音楽を聴くツボだったりするなと、改めて思ったんです。いまだに、そういうかっこいい音楽に出会いたいんですよ。
——そういう原点に返ったのが最新アルバム『What‘s This???』だったと。
ハヤシ:そう。ジャンルはもう良いかなって。なんだかわからないけど面白い、なんだかわからないけど、かっこいいで良いんじゃないかなっていう姿勢出しですよね。
——なるほど。「ジャンルはもう良い」って深いですね。
ハヤシ:だから『What‘s This???』っていうアルバムタイトルも言い得てたし、ジャケをリズムマシーンで作るのも、一見デジタルっぽいけど、よく見たら、しょうもないことに手がかかってる。そこに手加減なしでやってるバンドだってことを出したかったんです。
POLYSICS・フミ 撮影=樋口隆宏
——いまジャンルって言葉も出ましたけど、ポリってエレクトロパンク、ニューウェイブとか言われるけど、それがなかなか伝わりづらい時期もあったと思うんですね。
ハヤシ:そうですね。
——その感覚、いまは変わりましたか?
ハヤシ:いまも伝わりづらい音楽だなとは思いますよ。そりゃあ、他にこういうバンドがいないし。いわゆるパンクっていう、わかりやすいものではないし。でも俺は人がやってるものをやりたくないっていうタイプだから。ポリを通して、「こういう音楽があるよ」とか「こういう音楽の楽しみ方があるよ」っていうことを提示していきたいんです。そりゃあ伝わりづらい面はあるけど……うん。ツアーとかやってね、コアなお客さんが来てくれるのも嬉しいけど、新しいお客さんに入れ替わったりして楽しい雰囲気になると、これはこれで間違ってないと思うんです。フォロワーがいないぶん大変だけど。それは自分で選んだ道だから、やっていくっていうのはありますよね。
——いまは自分たちの音楽が揺るぎないものになってる?
フミ:いや、いまだに模索中ですね。でも、その半面、さっき言った1stアルバムが楽しめるみたいな部分で「やっぱり俺はこっちなんだな」っていうのもあると思うんですよ。
ハヤシ:そういう思いがありながらも、まだ変化していきたいから、常に面白いことを探してますね。逆に20年やってると、ルーティンで活動していくバンドも多いじゃないですか。「自分たちのスタイルはこうだ」みたいな。それを決め込みたくないんです。
フミ:かと言って、ボサノバみたいにもいかないですけどね。
ハヤシ:そうだね(笑)。
フミ:やっぱりハヤシの好きなコアな部分は変わらないので。そこは意識したうえで、ハヤシが楽しいと思えるもの、かっこいいと思えるもので、バンドが新しいものに変わっていくみたいなことは、やり続けたいと思ってます。
——それがバンド20年で抱く心境なんですね。
ハヤシ:わかってくれる人だけわかってほしいとは思わないので。ちゃんと若い子にも、こういう音楽があるよっていうのは伝えたいし、まだまだトライしていきたいです。
——アルバムの話に戻すと、今作はライブ定番曲だけあって、改めてポリがライブで爆発したときのパワーを感じる作品だなと思いました。
ヤノ:ライブのときの勢いはありますよね。
ハヤシ:ヤノは特にライブを意識してたよね。「URGE ON!!」の始まるときに、このポーズ(ライブで定番の手をクロスするポーズ)をやりましたから。
ヤノ:カウントで声も出したし、テイクも1、2、3テイクぐらいで終わらせて。
ハヤシ:あんまりやり直すのもっていう感じでしたね。
フミ:「また?」ってなっちゃうので(笑)。
ハヤシ:良いテイクが録れれば、すぐにOK。スタジオライブ的な感じだったんです。
——3人で「せーの」でやる一発録りだったんですか?
ハヤシ:基本一発録りですね。
フミ:最初にオリジナルをスタジオで録ったときは、けっこう丁寧に……丁寧にというか、正解を作る感じなんですよ。きっちり録るっていうところに意識が行きがちなんですけど。もうこれだけ一緒に演奏してる曲なので、そっちじゃないところを意識してやれたんです。あと、当時とは録るときのメンタルが違うので、楽しめてる感じはあるかも。正しさよりも、かっこよさとか勢いとか、そっちを重視しましたね。
——ライブで馴染んでる曲たちですもんね。
フミ:POLYSICSってシーケンスを流してるから、どうしてもテンポがキープされるんだけど、ずっとやってると、そのキープされてるなかでも抑揚が出てくるんですよ。オリジナルテイクのときは、そこまでやれなかったけど、今回はちょっと遊ぶ感じもあって。
ハヤシ:余裕だよね。
——あと、リテイクというところでは、オリジナルのときよりも1曲ごとのカラーがより強くなったなと思いました。
ハヤシ:1個1個の音が濃いというか、強い感じはあるかもしれないですね。フミも言ってたけど、演奏してるときにまったく迷いがないんですよね。「これだ!」みたいな。それが、たぶん音に出てるんですよ。歌も歌い慣れてるし。
フミ:置きに行ってない。頭じゃなくて、体で行ってる感じだよね。
ハヤシ:そうそう。ライブでお客さんの反応を見たあとだったりもするから。変にエフェクトで加工しなくても、素の自分たちの音をそのまま出すだけで、説得力のあるものになったなと、改めて聴き直して思いますね。
——アレンジに関しても、今作のためにやり直したりはせず?
ハヤシ:アレンジ自体はライブで磨き上げて、練ってきたものですね。2010年の3月に一旦活動休止して、そこでカヨが脱退して、8月にいまの3人で復活したんですけど、その間にスタジオで練った3人バージョンのアレンジだったりするので。
フミ:パッと聴き、曲調が変わった印象はないかもしれないけど。マニアックな人は、あのシンセがこんなギターに変わったとか。そういうリアレンジも楽しんでほしいです。
——「URGE ON!!」なんかはパンチのある感じになったなと思いましたよ。
ハヤシ:「URGE ON!!」に関しては、そんなに変えてないんですけど、シンセはテーマを弾くというよりも、狂ったマシンとセッションするみたいなイメージで作り直しましたね。
フミ:鍵盤感がなくなったのが変わったところですね。
——ヤノさんは、今回初めてレコーディングできた初期曲の「URGE ON!!」とか「カジャカジャグー」あたりで、何か意識したことはあるんですか?
ヤノ:いつもどおりライブの感じでやってはいるんですけど。でも、叩いてない曲を叩いて収録できたっていうのは、個人的には嬉しかったですね。
POLYSICS・ヤノ 撮影=樋口隆宏
——今回の作品のなかで、POLYSICSのライブにおけるターニングポイントになったと思う曲はありますか?
ハヤシ:俺は「Electric Surfin' Go Go」かな。思い入れもあるしね。その当時のツアー中、次にどういうのを作ろうかな?って考えたときに、新たなアンセムを作りたくて。それまで歌詞にウェットな部分は取り入れなかったんだけど、この曲では「好きな音楽が変わらない」みたいなメッセージを込めたんです。それがファンには届いたから、作って良かったなと思いますね。
フミ:私は「Digital Coffee」がライブで育ってきた曲だなと思います。ただレコードのものを再現するだけじゃなくて、ライブでの見せ方をどうするか、我々のなかでの変化があったんです。最初はライブもけっこうカチッとやってたんですよ。それを、どんどんエンターテインメントしていく、楽しんでもらえるものにしていくっていう。
ハヤシ:俺がどんどんギターを弾かなくなったりね。
フミ:「なんでお前はギターを弾かず踊ってるんだ、お客さんと握手してるんだ」みたいな。そういうポリの楽しさを追求するほうに変わった曲ではありますね。
——CDだけで楽曲は完成しない、ということですね。
フミ:そうですね。ポリはライブあってのバンドなんです。
ハヤシ:「Let’s ダバダバ」の“ダバダバコーナー”も長くなっていくしね(笑)。
——最後の3曲「MEGA OVER DRIVE」「Let’s ダバダバ」「Buggie Technica」はリテイクではなくて、ライブ音源として収録されてますが。
ハヤシ:この3曲は3人体制でできた曲とか、もうリテイクしてる曲だったりするから、これをスタジオで録ってもそんなに変わらないよね、みたいなところですね。
フミ:後からベストテイクのライブを選ぶっていうよりも、もうライブの前から10月13日(@新宿 ReNY)の3曲を録ろうって決めてたんです。
ハヤシ:でもその当時、俺、それを録るってすっかり忘れてて——会場の雰囲気が良かったんですよ。あとで「あ、やべ、録ってたんだ」って思い出して、ゾっとしたんです。
ヤノ:ライブのほうにグッと入っちゃてるよね。
ハヤシ:そのぶん伸び伸びやれてるのが良いと思います。
——改めて最後のライブ音源なんか聴くと、会場の雰囲気が目に浮かびます。本当にポリのライブって尋常じゃない盛り上がりをするじゃないですか。
ハヤシ:まだいろいろ発見とかはありますけどね。若い子の前でやるときとかは、やっぱりセットリストも考えるんですよ。ちょっと変拍子とか入ると、ピタッと動きが止まったりするから。「あ、これでダメかあ」とか。
フミ:好きにワーッと暴れてそうなのに、けっこう気にするんだなと思ったりしますね。
——さっき自分たちの音楽は伝わりづらいっていう話もありましたけど、それとライブの盛り上がりみたいなところで、ギャップを感じたりしませんか?
ハヤシ:うーん……それは曲によるのかな。僕らは出で立ちが特殊なのもあるから、そこで躊躇しちゃう子が多いと思うんですよ。でも、そこに一歩踏み込んだら、楽しいよって提示できるものはあるんです。そのために手を差し伸べるわけじゃないけど。今回のアルバムで言うと、「Let’s ダバダバ」みたいな曲がそうですよね。でも、そればっかりやってるのが楽しいわけではない。そこは、バランスなので。結局、POLYSICSって、そういうバランスのなかで成り立ってるバンドだと思うんですよね。
——歩み寄るところと、媚びないところというか。
ハヤシ:その結果、どうなるかっていうことをやり続けてるんですよ。だから、さっきの「Electric Surfin' Go Go」みたいな例外もあるけど、基本的にはウェットな部分を一切歌詞に曲に持ち込まないっていう意識があるんです。
フミ:演歌的なね。人情みたいな。
ハヤシ:日本人が好きそうな、共感とか応援とか。
フミ:それを音楽では出さないけど、たとえば古くから来てる人とかは、我々がライブでやってる姿を観て、なぜか泣いたとか。その人なりの楽しみ方を見つけてくれてるんです。言葉で説明できない部分で。だから、泣いてくれても、楽しんでくれてもいいんですよ。説明できないけど、感情にバッとくる。楽しい、ウェーイ!でもいい。いろんな楽しみ方があるっていうのを提示したいから、そういう話を聞くと良かったなと思います。
POLYSICS 撮影=樋口隆宏
——アルバムには1曲目の新曲の「Tune Up!」収録されているので、最後にその話も。
ハヤシ:ライブの定番曲をリテイクしたものを作るって決まったときに、「新曲は入れたいね」っていうのもあったんですよね。
——ビート感がかっこいい曲ですけど、これもライブを意識したんですか?
ハヤシ:ライブも意識してたけど、それより、いままでトライしたことないことをやりたいなと思いました。それで、アフロビートを取り入れてみたんです。わりと速いテンポでバンッと勢いのある曲はやってたんですけど、ちょっとテンポを下げても、血が騒ぐようなものを作りたかったのでハマりましたね。作業しながら、これがカタチになったら面白いものになるなっていう手応えはありましたね。
——テンポを落としても踊らせるみたいなことに挑戦してみたと。
ハヤシ:いまは4つ打ちのビートがロックでもわりと主流になりつつあって。
フミ:もう珍しくないですからね。
ハヤシ:ポリがいま一度踊れるロックを作るとしたら、そことは違うようなものをアプローチしたいなと思ってましたね。
——ヤノさんはハヤシさんからの新しい提案にどんなふうに応えようと思いましたか?
ヤノ:提示されたものを、自分のものに変換してっていう感じですかね。
ハヤシ:わりとヤノもフミすんなりいけたよね。
フミ:ヤノは、ふだん個人的に聴いてるものにこういう音楽の血は入ってるので。「もうちょっとああいう感じにして」って言ったら、ポンッてやってくれたんです。
——この曲は新たなライブアンセムになりそうな予感もありますけど。すでに何回かライブでも披露してますよね。
フミ:年末に。
ハヤシ:こないだのツアー(『20周年直前!奇跡の3マン!!! リターンズ TOUR 〜POLYSICS×POLYSICS シャホー×「1st P」再現 POLYSICS 〜』)でもやったよね。
フミ:初回盤DVDにはこの曲の初出し映像が入ってるんです。去年の『COUNTDOWN JAPAN』が正真正銘の初披露だったので。緊張具合がすごいです(笑)。
——この先も20周年イヤーで楽しいことが続きそうですか?
ハヤシ:そうですね。いろいろと考えてます。まずは3月4日(『20周年OR DIE!!! All Time POLYSICS!!!』)は土曜日なので、ぜひ地方からもPOLYSICSを応援してほしいと思います。けっこう大変な仕込みのライブをしようと思ってますので。
——また、とんでもない曲数をやるとか?
ハヤシ:100曲ライブとかにも近いような、中身の濃いものになると思いますね。まあ、100曲ライブはもうやらないですけど。数でこすることはもうやりません(笑)。
——量より質で(笑)。
ハヤシ:で、10周年、15周年とは違った周年ライブにしようと思ってます。
——ちなみに今回のベスト盤を『Replay!』というタイトルにしたのは?
フミ:最初はベストアルバムだから、“グレイテストヒッツ”とかにしようとか言ってたんだよね。でもヒットはしてないなと思って(笑)。
ハヤシ:それで、“リプレイ”っていうワードが出てきたときに、良いね、良いねって、サクッと決まったよね。あとはビックリマークの数で悩んだぐらい。今回は文字ジャケにしたかったので、3つ付けちゃうと、文字にパンチがなくなるなと思ったんですよ。普段はビックリマークをつけたがる人なんですけど、ちょっと大人になったなあと。
フミ:20年で大人になって、引き算ができるようになりました(笑)。
取材・文=秦理絵 撮影=樋口隆宏
POLYSICS 撮影=樋口隆宏
2017.2.22 In Stores.
1.Tune Up!
2.シーラカンス イズ アンドロイド 2017
3.Young OH! OH! 2017
4.Shout Aloud! 2017
5.URGE ON!! 2017
6.Electric Surfin’ Go Go 2017
7.Digital Coffee 2017
8.Rocket 2017
9.カジャカジャグー 2017
10.MEGA OVER DRIVE (Live at Shinjuku ReNy 2016/10/13)
11.Let’s ダバダバ (Live at Shinjuku ReNy 2016/10/13)
12.Buggie Technica (Live at Shinjuku ReNy 2016/10/13)
初回盤
CD+DVD ¥3,240(税込)
DVD「Replay! Live Side DVD」収録楽曲
1.Tune Up! (from COUNTDOWN JAPAN 16/17)
2.シーラカンス イズ アンドロイド(from Now is the live!)
3.Young OH! OH! (from BUDOKAN OR DIE!!!! 2010.3.14)
4.Shout Aloud! (from BUDOKAN OR DIE!!!! 2010.3.14)
5.URGE ON!!(from DVDVPVDVLIVE!!)
6.Electric Surfin’ Go Go(from Now is the live!)
7.Digital Coffee(from We ate the show!!)
8.Rocket(from We ate the show!!)
9.カジャカジャグー(ハヤシ iMovie Edit)
10.MEGA OVER DRIVE(from What's This???)
11.Let’s ダバダバ(from MEMORIAL LIVE OR DIE!!! 祝1000本&15周年!!! 2012.03.03/04)
12.Buggie Technica (from LIVE AT newwave)
通常盤
CD ¥2,700(税込)
DAY 1 ~トイス前夜~
DAY 2 ~トイスの覚醒~
DAY 3 ~進撃のトイス~
場所:下北沢 風知空知
時間:3/31(金) OPEN 18:00 / START 19:00
4/1(土)、4/2(日) OPEN 17:00 / START 18:00
前売:¥2,500(ドリンク代500円別途)
※詳細はHPにてご確認ください。http://www.polysics.com/
問合せ:風知空知 03-5433-2191
http://fu-chi-ku-chi.jp/
20周年OR DIE!!! All Time POLYSICS!!!
2017/03/04
OPEN 16:00 / START 17:00
豊洲PIT
前売:¥4,300(D別)
一般発売中
※20thメモリアルグッズ付