『ムーンライト』がアカデミー賞で3冠 助演男優賞のマハーシャラ・アリは黒人俳優として12年ぶりの受賞
映画『ムーンライト』 (C) 2016 A24 Distribution, LLC
2月26日(日本時間27日)、カリフォルニア州ハリウッドのドルビー・シアターで第89回アカデミー賞の授賞式が開催された。8部門(作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞、助演女優賞、編集賞、撮影賞、作曲賞)にノミネートされていた映画『ムーンライト』は、作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門で受賞を果たしている。
映画『ムーンライト』は、1980年代のマイアミの貧困地区を舞台に、ゲイの黒人男性・シャロンが成長していく姿を、少年、ティーンエイジャー、成人の3つの時期で構成し、3人の俳優がそれぞれを演じる。製作はブラッド・ピット率いるプランBが担当。『007』シリーズのナオミ・ハリスが主人公の母親役を演じ、少年の父親代わりになる男として、海外ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のマハーシャラ・アリが出演している。メガホンと撮ったのは、同作が長編2作目となるバリー・ジェンキンス監督。
授賞式では、『ラ・ラ・ランド』が作品賞を受賞したと発表されたが、訂正されるハプニングも。思わぬハプニングもものともせず、『ムーンライト』のジェンキンス監督は、『ラ・ラ・ランド』のチームに敬意を払いながらも、熱のこもったスピーチを披露している。また、助演男優賞に輝いたマハーシャラ・アリは、『ミリオンダラー・ベイビー』でのモーガン・フリーマン以来、12年ぶりの黒人俳優としての受賞となった。
助演男優賞に輝いたマハーシャラ・アリ 映画『ムーンライト』 (C) 2016 A24 Distribution, LLC
キャスト・スタッフの各賞スピーチ時のコメントは以下のとおり。
助演男優賞/マハーシャラ・アリ
多くの恩人に巡り合いました。“お前が中心ではない。物語やキャラクターに奉仕しろ”といわれたのですが、このような機会を頂けて本当に感謝してます。キャスト、スタッフ素晴らしいチームでした。キャスト皆からインスピレーションを受けました。アカデミーに感謝し、妻に感謝しています。4日間前に娘が生まれたんですが、その間もずっとサポートしてくれていました。ありがとう。
脚色賞/バリー・ジェンキンス、タレル・アルビン・マクレイニー
バリー・ジェンキンス:A24、プランB、キャスト、作品に関わった全ての人に感謝しています。プロセスより、結果が大事だということは常々を話しているけれど、今回の結果に本当に満足しています。
タレル・アルビン・マクレイニー:私も監督の言葉に同感です。母親から、苦労があってもめげずに頑張れば成功すると訓えられてきました。この賞は、有色人種のすべての人にささげたいと思います。
監督・作品賞/バリー・ジェンキンス
この映画を完成させることは不可能だと思っていました。でもここいる全員が“決してそんなことはない”と必死で励ましてくれました。そして僕に力を貸してくれた皆さんありがとうございました。選んでくれたすべての人に感謝しています。これは夢でない。これが現実なんです。なんてことでしょう!
映画『ムーンライト』 (C) 2016 A24 Distribution, LLC
映画『ムーンライト』は4月28日(金)、TOHOシネマズシャンテ他にて全国公開。
映画『ムーンライト』
(C) 2016 A24 Distribution, LLC
名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。そんなシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに。
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレバヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホーランド、ジャネール・モネイ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス、
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ/朝日新聞社
配給:ファントム・フィルム
原題:MOONLIGHT
(C) 2016 A24 Distribution, LLC