柄本佑インタビュー 芥川龍之介の「羅生門」「薮の中」が百鬼オペラ『羅生門』となって現代に蘇る

インタビュー
2017.5.23
柄本佑

柄本佑


日本文学史上における短編小説の名手・芥川龍之介。そんな芥川作品の「羅生門」と「薮の中」が2017年9月に舞台化される。9月にシアターコクーンで上演される百鬼オペラ『羅生門』である。今作では演出・振付・美術に世界的演出家ユニットのイスラエル人インバル・ピント&アブシャロム・ポラックを起用。台詞、身体表現、オーケストラによって誰もが想像もしていない芥川の世界を表現する。今回、本作に出演が決まった、演技力に定評のある柄本佑に話を聞いた。


--本作の依頼を受けての感想は?

今まであまり踊ったり歌ったりはしたことなかったんで、これまで出演してきた舞台とは違うと思いますね。自分にこういう作品へのお話がくるとは思ってなかったです。

--原作は読んだことありますか?

芥川龍之介作品は「羅生門」「薮の中」「蜘蛛の糸」「鼻」とか、国語の授業のときに読みました。大人になって読み返すと変な解釈が働いちゃいますね。だから、子どものときに読むということには理由があるなと思います。子どものときは裏読みもせずに純粋に読んで「楽しかった」という感想になりますよね。

例えば、太宰治の「人間失格」を子どもが読んでも理解することはかなり難しいと思います。でも、芥川龍之介の作品はわからないなりに豊かな何かを感じ取れるから、子どものときに読む意味ってありますよね。この物語を考えた人はすごいなって、純粋に吸い取っていける作品ですからね。「薮の中」は大正時代の作品ですけど、その時代にこのクオリティのミステリーって本当にすごいです。パイオニアですよね。

--本作は、芥川龍之介の短編「藪の中」「羅生門」を原作としつつも、イスラエル人のインバル・ピント&アブシャロム・ポラックによって、演劇とダンスと音楽を融合させた舞台作品に仕上がると聞きました。柄本さんも、いつもの舞台俳優に求められる以上のことを要求されそうですが、それに対して、いま具体的にどのような意欲や期待感あるいは不安感をお持ちでしょうか。

とにかく、身体は柔らかくしておいたほうがいいなと思います。稽古までに動ける身体を作りたいです。それはただ筋肉をつけるということではなく、体幹などを作っていくといった感じですね。どこまで出来るかわからないですけど、やれるところまでやっていきたいです。あと、もちろん不安もあります。イメージですけど、今回の舞台はやはり身体表現的な作品だと思うんです。たとえば稽古場で抽象的な絵を見せられて、それを身体で表現してとか言われそうで(笑)。もしもそんな稽古が1ヶ月半もあったら僕は死んじゃいますね(笑)。でも、そういうのも貴重な経験かなと思う。ちょっとずつ慣れていって楽しくなっていけばいいかなと思っています。最初は表現するということを羞恥心が邪魔しそうですけどね。

--実際にダンスレッスンを経験されての感想は?

僕は既に1月から受け始めていますが、やったことのないことをやるって楽しいですね。家ではずっと座っているだけであまり動いたりはしないんですけど、ダンスレッスンを経験して身体を動かすことって、案外嫌いじゃないなって思いました。

自分にはコンテンポラリー・ダンスのベースはありませんが、最近、そうしたベースの必要性を強く感じています。そのベースがあった上でやるものでもあるかなと思えてきました。骨1本1本をバラバラにする、骨単位で出来るようになると結構楽しいんじゃないかなぁと。抽象的にダラダラとした動きみたいな感じで振り付けを教えていただいていますが、そういうときに身体のどこが動いているのかというのを自分でわかり始めると楽しいでしょうね。今はただ言われたことを追っかけてやっているだけなので、そこまでの自覚はありません。指を動かせという1つのことでもただ動かすのではなく、どこを動かしたらこういう風に見せることが出来る、とか。そういうことがわかってくると、さらなる面白味が出るのかなと。たとえば、これくらいジャンプしたらどれくらい飛べるだろうとか、自分の身体がよりよく使えるんじゃないか、なんて思いましたね。稽古を重ねていくにつれ、だんだんとステップアップ出来るんじゃないかなと思っています。

--最後に読者へのメッセージ、または、本作に向けた意気込みを教えてください。

今はまだ不安が多いですけど、最終的には楽しんでいると思います。「羅生門」と言っても、とても幅広く色々な要素が詰め込まれているので、一体どうなるか想像もつかないんですが、1つ1つの出来事を楽しみながら頑張っていきたいです。

百鬼オペラ『羅生門』宣伝写真

百鬼オペラ『羅生門』宣伝写真

取材・文・撮影/鈴木 唯

公演情報
百鬼オペラ『羅生門』
 
■日程:2017年9月8日(金)~25日(月)
■会場:Bunkamura シアターコクーン
■料金:S席¥10,800、A席¥8,500、コクーンシート¥6,500(全席指定・税込)
■一般発売日:5月27日(土)
■原作:芥川龍之介
■脚本:長田育恵
■作曲・音楽監督:阿部海太郎
■作曲・編曲:青葉市子、中村大史
■演出・振付・美術・衣裳:インバル・ピント&アブシャロム・ポラック
■照明:ヨアン・ティボリ
■音響:井上正弘
■ヘアメイク:宮内明宏
■演出家通訳:角田美知代
■振付助手:皆川まゆむ
■演出助手:西 祐子
■舞台監督:山口英峰
■出演
柄本 佑、満島ひかり、吉沢 亮、田口浩正、小松和重、銀粉蝶
江戸川萬時、川合ロン、木原浩太、大宮大奨
皆川まゆむ、鈴木美奈子、西山友貴、引間文佳
青葉市子、中村大史、権頭真由、木村仁哉、BUN Imai、角銅真実
 
■公式サイト
・ホリプロ http://hpot.jp/stage/rashomon
・東急文化村 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_rashomon.html
 
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