むすめん。が立った一つの到達点、そして出発点――歓喜の中野公演をレポート
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10人の歩みが結実した一夜
むすめん。が、8月16日(日)に東京・中野サンプラザにて『全国ツアー2015夏 ファイナルSP~Dream of 2222~』を開催した。モーニング娘。ファンが集まって結成されたむすめん。にとって、ハロプロの聖地・中野サンプラザでの公演は大きな夢であり、メンバーのみならずファンにとっても悲願だった。
照明が落ち、パッションピンクのカラーをまとったひとりの姿にスポットライトが灯る。そこにいたのは、10人目のむすめん。だった!
2014年1月、新宿BLAZEにて涙の休止発表をしたにーちゃんが「中野サンプラザでライブをする時は帰ってくる」その言葉通り、戻ってきたのだ。当然、会場からは大歓声。
オープニングナンバー「You’re the love」では、歌詞の一部がにーちゃんおかえり!と変えて歌われ、続けての「War cry ~アイドル気取りで何が悪い~」では早速コール&レスポンス。会場は早くも一体となり、メンバー紹介の映像が流れると、自然とコールが沸き起こる。真っ赤な衣装にチェンジした後は、かっこいいキレのあるダンスとともに「ON」、「男子かしまし物語」を披露。
全員で「僕たち、むすめん。でーす!」と叫ぶと、客席は10色のサイリウムで光の海を作って応える。ここで、白服が「皆さん、1曲目の変化に気づきました?」と問いかける。<心の中のサプライズ>という歌詞が、<ここが中野サンプラザ>と変えられていたのだが、これは作詞・作曲のhalyosyが、作った当初から「中野サンプラザ」と歌って欲しいと作ってくれたのだと明かされた。
「盛り上がる準備はできていますか!」と呼びかけ始まったソロ曲コーナーや「HOW DO YOU LIKE JAPAN?」などのダンスチューンに続いては、むすめん。の十八番とも言える「ワクテカ take a chance」など3曲の振りコピで。モー娘。仕込みの見事なフォーメーションダンスを見せてくれた。
会場の熱気冷めやらぬ中、MCが始まると突然、そこに最終兵器俺達のキヨが登場。「聞いてない~」と慌てふためくメンバーに、「まだサプライズゲストがいる」と呼び込まれ、登場したのは踊り手のあすぱらと巫覡夜徒。駆けつけた所縁のメンバーに祝われ、戸惑いつつも嬉しそうなメンバーだったが、実は本当のサプライズはこの後に待っていた!
メンバーが次の曲に行こうとすると…突然「好きすぎてばかみたい」を歌いながら、石川梨華が登場!固まり混乱するメンバーだったが、流石は全員がモー娘。ファン、「L・O・V・E ラブリー梨華ちゃん!」とコールをしたり一緒に踊ったり、隠し切れない動揺の中なんとかその場を乗り切った。「僕たちって、ただのファンなんですよ?!」と確認されると、「私も(むすめん。が中野サンプラザ公演に辿り着いて)嬉しいんです」と笑顔で答える石川。「最後まで素敵なステージにしてください」と祝福され、むすめん。は恐縮しきりだった。
暫く動揺が収まらない様子だったが、歌い出せばむすめん。はむすめん。だ。「Would you like dance with me」では伸びやかな歌声でハモり、ライブ終盤には、激しいダンスパートを加えロングVer.にアレンジされた「Chameleon Collar」、「悲しみフォトグラフ」「Honey Bee」で会場を魅了。白服が「早いもので、続いての曲がラスト1曲になってしまいました…」と口にすると、会場からは「今来たばっかりー!」と恒例で最強の答えが返ってきた。「ラストはこの曲…。僕たちがグループを結成するきっかけとなったこの曲です」という白服の言葉とともに流れたのは「恋愛ハンター」。むすめん。結成のきっかけとなったの曲を全力で踊りきり「ありがとうございました!」とステージを去るメンバーの顔は、達成感に満ちていた。
鳴りやまないアンコールに答え、1stシングルの衣装で再びメンバーが登場。「ばいばい」が始まると、ここまで泣かずにがんばってきたメンバーが一斉に目を潤ませ、会場からもすすり泣く声が漏れた。
曲が終わり、白服が「これから皆さんにむすめん。から大切なお話をします」語りだす。「2012年5月10日、むすめん。を結成してから、今日まで夢に向かってがむしゃらに走ってきました」とゆっくり言葉を選びながら語る白服。「僕たちと皆さんの夢だった中野サンプラザ公演の実現し、これからのむすめん。のことについて考えました。僕たちは、この先一体、何のために踊るんだろう?何のために歌うんだろう?……今日まで時間をかけて話し合ってきました」言葉を詰まらせる白服には、ファンから「がんばって」という温かい声がかけられる。
「……僕たちむすめん。は、明日から新たなスタートを切りたいと思います!」力強く語られたその答えに、会場からは喜びの声が沸き起こった。これまで、むすめん。のメンバーは仕事や学業と並行しながら、活動に取り組んできた。もっと時間があったら…と後悔することも多く、その中でいつしか生まれた「むすめん。を仕事としてできたら」という想い。しかし、これを口にすることはとても怖かった」と白服。趣味の延長線上だった活動が、たくさんの人に受け入れられる一方、大きくなる活動についていけないと離れていくファンもいたという。「誰かのために生きていけたら。誰かのために、むすめん。でいたい」メンバーそれぞれから直接語られた“これまで”と“これから”。そこから伝わってきたのは、みんな“むすめん。が大好き”という純粋な愛と感謝に溢れた気持ちだった。
「10人で新たなスタートを切ります!また中野に来たい!!」と、最後は明るいぶちアゲソング「サマービーナス~真夏のアイドル~」を歌い、悲願の中野サンプラザ公演は笑顔で締めくくられた……と思いきや、最後に更なるサプライズ発表が。
2016年47都道府県ライブ開催、ファンクラブ結成、「Chameleon Collar」発売記念追加チェキ会開催、8月20日(木)ETA武道館2015への参加、2015年10月3日(土)よりさいたまテレビにて冠番組開始などなど、盛りだくさんの新情報が飛び出した。
正真正銘“アイドル”としての一歩を踏み出したこれからのむすめん。から目が離せそうにない。
文=松崎玲
2015.8.16 @中野サンプラザ
1. You’re the love
2. War cry ~アイドル気取りで何が悪い~
3. ON
4. 男子かしまし物語
5. 白い服を君と(白服ソロ)
6. Blue Moon(あおいソロ)
7. 気まぐれプリンス(気まぐれプリンスソロ)
8. HOW DO YOU LIKE JAPAN?
9. Fantasyが始まる
10. みかん
11. ワクテカ take a chance
12. One Two Three
13. わがまま気のまま愛のジョーク
14. Would you like dance with me
15. Last Regret
16. マジカルステッキ☆
17. 青春ロードムービー
18. ボクらのテリトリー
19. rabbit jump!!
20. アンラッキー☆BOY
21. Chameleon Collar(ロングver.)
22. 悲しみフォトグラフ
23. Honey Bee
24. 恋愛ハンター
[ENCORE]
25. ばいばい
26. サマービーナス~真夏のアイドル~