音楽とスケートのカルチャーが融合 KNOCK OUT MONKEY、安床兄弟らが出演する『ROLL IN ROCK』とは?
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左よりACCHAN、安床 武士、w-shun
2016年6月5日(日)、大阪・名村造船所跡地で、これからを担う新しい世代によって、音楽とスケートがクロスオーバーした“ROLL IN ROCK”というニューカルチャーが産声をあげた。そして、今年2017年4月22日(土)に2回目となる『ROLL IN ROCK Vol.2』の開催が決定している。今回はそのイベントを主催する、堀江で『Feelin’』というアパレルショップを経営するACCHANこと坂尾 篤氏と、プロインラインスケーターの安床 武士氏、そして前回に引き続きイベントに出演するKNOCK OUT MONKEYからボーカルのw-shun氏に登場してもらい、自身のルーツや出演アーティストとの出会い、そしてこのイベントの楽しみ方などを熱く語ってもらった。
――今回は『ROLL IN ROCK Vol.2』について、色々と話を聞かせて頂きます。では、まず主催の1人でもある坂尾さん(以下、ACCHAN)から自己紹介をお願いします。
ACCHAN:『ROLL IN ROCK』の主催者で、大阪の堀江で『Feelin’』という服屋をやっています。もともと僕は90年代のアメリカ西海岸のパンクロックが好きで、そこからアメリカ西海岸のファッションやスケート、タトゥーといったカルチャーに興味を持ち始めたんです。20歳くらいの時に大阪の堀江にあった、アメリカ西海岸の音楽やカルチャーを取り入れたブランドを取り扱っているショップがあってそこに通っていたのですが、そのショップが閉店してしまい、自分の買いたい服が買える場所が無くなってしまって……。その時に、“自分の欲しい服が買えなくなってしまったから、自分でそういったカルチャーを発信できる服屋をやればいいんだ!” と思い立ち、5年前に『Feelin’』という服屋をアメリカ村で開き、2年前に堀江へ移転して今に至ります。
――『Feelin’』のコンセプトを教えてください。
ACCHAN:“アパレルからアメリカ西海岸のカルチャーを発信できる店”というのがコンセプトですね。あとは“ロックとファッションのリンク”というところでしょうか。『Feelin’』を通して、ロックもかっこよくてオシャレだということを発信していきたいと思ってます。『Feelin’』で扱っているブランドは、アメリカ西海岸を代表するブランド『REBEL8』や『OBEY』、あとはBLINK-182のドラマーであるトラヴィス・バーカーがやっているブランド『Famous』といった、音楽に関わったものやタトゥーアーティストが発信しているようなブランドを取り扱ってます。また、僕の作ったアパレルブランド『LZBN(レイジーボーンズ)』も、スケートやタトゥーといった僕が今まで感じてきたカルチャーの空気感を取り込んでいます。
『Feelin'』ACCHAN
――次に安床さんについて聞かせてください。
安床武士:ACCHANと同じく『ROLL IN ROCK』の主催者であり、インラインスケーターの安床武士です。もともと僕の父親が昔からプロとしてローラースケートでダンスをする仕事をしていて、大阪のローラースケートリンクで専属のプロスケーターとして在籍していたんです。なので、父の職場がスケートリンクだったので、物心つく前からローラースケートを履いて滑って遊んでいました。それが、最初にスケートをやり始めたキッカケですね。
――人前でショーを披露するようになったのはいつ頃でしょうか?
安床武士:人前で滑り始めたキッカケは、僕が小学生の時です。父親がスケートのショーをする為に毎月1回、家族とチームの人たち20人くらい連れて、原宿の歩行者天国にショーを披露しに行ってました。そして1995年に初めて国際大会に出場してから、アスリートとしての活動もスタートしました。
インラインスケーター 安床 武士
――では、安床さんとACCHANの出会いについて聞かせてください。
安床武士:僕は今、一家で『“g”skate park』というスケートパークを神戸市東灘区で経営しているのですが、3年前くらいにACCHANが、その『“g”skate park』で開催されたスケートボードのイベントにDJで出演してたんです。当時のACCHANをみて、髪の毛が緑色でピアスが沢山ついていて、なんだかチャラい人がDJしているなぁ……と思っていたんですよ(笑)。その時は、お互い人見知りという性格もあって特に会話することも無く、軽い挨拶程度で終わりました。
ACCHAN:その数日後に、The BONEZのライブがあって、知り合いに「前にスケートボードのイベントでDJした時にパークにいた安床も来ているよ」と聞いたので、そのまま武士に会いに行って改めてちゃんと挨拶しました。それから僕のお店にも来てくれるようになって、いろんな話をするようになったんです。
安床武士:その時も、人見知り同士なのでお互い少し牽制しあっていたのですが、音楽の話をキッカケに一気に距離が縮まって、気がつくとすごく仲良くなってましたね(笑)。他にも色々と話しているうちに、お互い“誰にも媚びず、自分はこうしたい!”という生き方で今までやってきたのがわかって、人生かけて全力で生きている熱い人なんだなと感じたんです。それで一気に心を開きましたね。
――では、次に『ROLL IN ROCK』について聞いていきたいのですが、このイベントを開催しようと思ったキッカケを教えてもらえますか?
安床武士:スケートを入れ込んだイベントが最近いろいろと開催されているけど、個人的にどれもしっくりこない……と思っていたんですよ。何故かというと、スケートがイベントの中でおまけ的な要素で組み込まれていたり、遊びのカルチャーなので遊びの部分ももちろん大切だと思うんですけど、その“遊び”のところしかピックアップされていないようなイベントが多いと思ったんです。特に自分がやっているハーフパイプを使った技などは、一歩間違えると大怪我をしてしまうし、毎回とても集中して人生をかけて滑っているんです。そういった“エクストリームスポーツ”と呼ばれる、“過激”な部分もピックアップされるようなイベントがあってもいいと思う、というような話を僕が『Feelin’』に行った時にACCHANとしていたんですね。
左より安床 武士、ACCHAN
ACCHAN:その逆パターンもあって、エクストリームスポーツのイベントで、“この手のバンドが出演していればいいだろう”というような感じで、バンドがオマケようなイベントもあるんです。僕は、スケートのショーもバンドのライブも、どっちも同じくらい楽しくて好きなものだし、そういった好きな音楽とカルチャーがリンクするイベントを武士とならできると思ったので、一緒にイベントを作ろうという流れになって、イベントを一緒にやることになりました。
――KNOCK OUT MONKEYのw-shunさんは、『ROLL IN ROCK』へは2回目の出演ということですが、前回出演した時のイベントの空気感はどうでしたか?
w-shun:とにかく僕の大好きな2人が主催しているイベントだったので、楽しいだけじゃなくて心地がよかったですね。スケーターやバンドマン、お客さんも関係無く同じ気持ちで楽しんでいて、『ROLL IN ROCK』という、一つのカルチャーが出来上がっていたんじゃないでしょうか。そしてこれからもっと大きなイベントになって更に広がっていくんじゃないかな?という可能性もその日に凄く感じました。なので、今回2回目のオファーが来た時も、なにがあっても『ROLL IN ROCK』は絶対出ようと決めていましたね。
安床武士:前回のライブのMCでw-shunさんが、「ROLL IN ROCKというカルチャーが出来上がったと思う」と言ってくれたのが、凄く嬉しかったんです。開催する前、最初にACCHANと2人で “将来的に『ROLL IN ROCK』というイベントではなくカルチャーにしたい”と話していたのですが、それが自然と伝わっているんだなと感じて嬉しかったですね。
KNOCK OUT MONKEY・w-shun
安床 武士、ACCHAN、w-shun
――では、出演バンドとの関係について聞いていきたいのですが、まず今回2回目の出演となる『KNOCK OUT MONKEY』は2人のなかで今回も絶対呼ぼうと決めていたのですか?
ACCHAN:そうですね。まずKNOCK OUT MONKEYには出演してもらわないと困るってくらいの距離感なので、誰よりも先に一番最初にオファーしました。
――もう家族ぐるみというか、付き合いも随分長いですもんね(笑)。ではHEY-SMITHは?
ACCHAN:HEY-SMITHがデビューする前、僕と仲がよかった大学生の子に「先輩にHEY-SMITHというかっこいいバンドがいる」と紹介されて、ライブを観に行ったんですね。それで、ライブを観てみると僕好みで凄くかっこよかったんです。そこから、猪狩(Gt/Vo)と色々と話をするようになってライブも観に行くようになって、今回の『ROLL IN ROCK』でオファーしました。
――なるほど。次にThe BONEZとの出会いは?
安床武士:The BONEZの「Zenith」という曲のPVの中で、僕が滑っている映像を使いたいというオファーがきて、その時が初めてのThe BONEZとの共演でした。その「Zenith」のPVを観てもらうとわかると思うのですが、スケートとインラインをJESSE本人もやっているシーンがあるんです。JESSEもエクストリームスポーツやこういったカルチャーが好きという、僕と同じ共通点があるので一気に距離が縮まって仲良くなりましたね。今回の出演は、その繋がりからオファーさせていただきました。
――では、こちらも2回目の出演となるPOTですが、どういった出会いだったんですか?
ACCHAN:僕が先輩から、「弟が頑張ってバンドやっている」と紹介されたのが、よっぴー(Vo/Ba)だったんです。それから、POTが僕のお店に顔を出してくれるようになって、POTがデビューしたらLZBNのTシャツを1枚あげるよっていう話になったんです。それで、デビューが決まったとたん、「あっちゃん! デビュー決まりました! Tシャツください!」ってポスター持ってお店に来たんです(笑)。そんなこともあり、POTとは昔から仲が良いですね。
――身内感がすごい(笑)。では、SHADOWSとの出会いのキッカケは?
安床武士:SHADOWSがデビューして、その音源を聴いてみるとかっこよかったので、その感想をツイッターに書いたんです。そしたら、 SHADOWSの公式アカウントから「是非今度ライブに遊びに来てください!」という返信をいただいたんです。それで、ライブに遊びに行くとまたその格好よさに刺激をもらって、Twitterに書いたらまた返事をもらって、Vol.2に出演 してもらえないかと熱烈な想いを乗せてオファーしたら、メンバーが出演したいと言っているのでお願いします、という 返信をいただいたんですね。日程的に空いているからとかではなく、“メンバーが出演したい”と言ってくれていたのが凄く嬉しかったです。 SHADOWSもそういった面白い不思議な出会いでしたね。
――では、次に今回出演するスケーターの人たちも紹介してもらえますか?
安床武士:今回のイベントに出演するスケーターは、プロで活動している人たちもいれば、そうではない若い学生もいます。そして、今回は僕の兄の安床エイトも出演します。世界トップクラスのパフォーマンスを見せることができるので楽しみにしていて欲しいですね。あとスケートボードでは、2020年に開催される東京オリンピックでスケートボードが正式種目になるのですが、その代表選手候補で、2016年Xゲームズで優勝した中村貴咲という16歳の女の子の出演が決まっています。男の子も、一緒にショーで頑張っている14〜20歳くらいの勢いのある子たちが集まってます。本来ならスケーターも出演する人数をもっと増やせるのですが、バンドを決める基準と全く一緒で、イベントの温度感に合っていて、この人には出てもらいたいと思った人にしか声をかけていないんです。
左より安床 武士、ACCHAN
――スケートというカルチャーの中で、ロックという音楽は密接にあるのですか?
安床武士:ありますね。ロスに行った時やスケートのビデオを見ていたら、バックにザ・オフスプリングやグリーンデイなどが流れているので、昔から自然にそういった音楽を聴いてきました。そして、今回出演するスケーターもみんな音楽が好きなので、今回の出演バンドを伝えたら予習して聴き込んでくれていますね。僕は気持ちの一方通行は嫌で、バンドもスケートもお互いに興味を持ってもらうという関係性にしたかったので、スケーターのみんなが出演バンドに興味をもって音源を聴き込んでくれているのが本当に嬉しいんです。
ACCHAN:『ROLL IN ROCK』は、スケートしている人にかっこいい音楽を知ってもらう場であって、ロック好きな人たちにもスケートと音楽はリンクしているんだよ、というところを知ってもらえるようなイベントにしたいですね。
――『ROLL IN ROCK』に来られる人の中にはスケートのショーをあまり見たこと無い人たちもいると思いますが、そういったまだ馴染みのない人たちの為に見どころなどをお話しいただけますか。
安床武士:細かい話をすると……スケートの大会の時は個人種目なので1人で滑るんですよ。でも、2人や3人で滑るコンビネーションはショーでしかやらないことなので、是非そこに注目して欲しいです。一歩間違えると、怪我をして今後滑れなくなる場合もあるという、選手生命をかけて一回一回のショーに全力で挑戦しているスリリングな部分にも注目して欲しいです。エクストリームと呼ばれる由縁でもある緊張感も楽しんで欲しいなと思いますね。
ACCHAN:ハーフパイプの1番上って、実際に立ってみると凄く高くて怖いんです。あの場所で繰り広げられる技は生で観るとすごい迫力ですよ。
安床武士:せっかく『“g”skate park』の近くにいるので、なにか技を披露しましょうか?
――是非お願いします!
(安床一家が営む『“g”skate park』へ移動)
”g”skate park
”g”skate parkに設置されているハーフパイプ
ハーフパイプ頂上にいる2人を飛び越える安床 武士
――あんな高い場所で、しかも近くで見るとかなりスリリングでした……。是非『ROLL IN ROCK vol.2』に来た方は体験してほしいですね。では最後に、このイベントに来場する皆さんにメッセージを頂けますか?
安床武士:このイベントに来てもらえたら自然と『ROLL IN ROCK』というカルチャーが体験できるように考えてイベントを作ってあるので、気持ちを解放してその場で起こっていることをそのまま観て感じて欲しいと思っています。すべてにおいて妥協せずにイベントを作り上げています。全力で楽しみに来てくださいね!
ACCHAN:名村造船所跡地というロケーションは、海沿いでヤシの木があって倉庫があって……、少し悪い感じがして凄くいい雰囲気なんですよね。正直ロック好きの人や、若い人たちは今回の会場のことを知らない人も多いかと思うのですが、1回目の『ROLL IN ROCK』に来てくれた人は“このロケーション最高!”って喜んでくれたので、来てもらったらわかる特別な空気感がありますし、交通の便に関しても行きやすい場所です。名村造船所跡地は『ROLL IN ROCK』というカルチャーを披露するのにピッタリの場所なのでそれも含め是非体感しにきて欲しいと思います!
インタビュー・撮影=K兄 文=けんじろ~
日時:2017年4月22日(土)
会場:名村造船所跡地(大阪府)
時間:開場13:00/開演14:00
出演者:
[BAND]
KNOCK OUT MONKEY / HEY-SMITH / POT / The BONEZ / SHADOWS
[EXTREME]
安床武士 (INLINE SKATE) / 安床エイト (INLINE SKATE) / 中村友彦 (INLINE SKATE) / 佐野誠哉 (SKATEBOARD) / 中村貴咲 (SKATEBOARD) / 橋本カイト・フウタ(SKATEBOARD) and more!!
[MC&DJ]
飯室大吾 (FM802)
[DJ]
ACCHAN (LZBN/Feelin’) / TAKA (TRICK/ZOUMA/mimic)
[SHOP]
LZBN / Feelin' / TY GOODS / GOOD SKATES
[FOOD]
HAHAHA CREPE / DEAR SAND CAFE / カリーポロヴィッツ
[BAR]
LeiMond
お問い合わせ:Feelin' 06-6537-7594 (12:00〜21:00※水曜日定休日)