クラシック音楽漫画「四月は君の嘘」実写映画化決定!
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「宮園かをり」に広瀬すず、「有馬公生」は山﨑賢人!
「四月は君の嘘」は月刊少年マガジンに連載された新川直司のマンガで、今年3月に堂々完結している。ストーリーは、かつて神童と呼ばれたけれど今は心を閉ざしてしまいピアノの演奏ができない少年と、そんな彼の前に現れた奔放な演奏をするヴァイオリニストの少女とその友人たちが織りなす、根本はシンプルなボーイ・ミーツ・ガールの物語。作中で演奏される多くのクラシック音楽がドラマを時に美しく飾り、時に言葉よりも絵よりも雄弁に語ることもあって、早いうちからクラシック音楽好きの間では知られていた作品だ。
本作は2014年10月にはアニメ化もされて大好評を博した。今年の三月に原作とアニメがほぼ同時に完結したことでも話題を呼んだのは記憶にあたらしい。最後のコンクールの場面のために、ショパンのバラード第一番をもう以前のように冷静な気持ちでは聴けなくなってしまった、というのは私だけではあるまい。その後、作中でも使われた演奏を提供したモデルアーティストたちの出演によるコンサートも各地で開催され、8月には新宿バルト9で二週にわたるオールナイト上映会も行われるなど、作品が完結してもなおファンの心にしっかりと生き続けている、ほんとうに幸せな作品だ。
そして新たに実写映画も作られる、というのだからこの作品がどれだけ愛されているかがおわかりいただけるだろう。監督は新城毅彦(「僕の初恋をキミに捧ぐ」、「パラダイス・キス」)、気になるキャストはヴァイオリニストの「かをちゃん」こと宮園かをりに広瀬すず(「海街ダイアリー」「ちはやぶる」)、ピアニストの有馬公生に山﨑賢人(「デスノート」)と、マンガを原作とする作品経験も豊富な、旬のメンバーが揃う模様だ。
公開は2016年と、映画を見られるのはしばらく先のことなのでその間ファンの皆さまにおかれましては原作を読み返しアニメを見直し、そしてぜひ、音楽をいろいろと聴いてお待ちいただきたい。
主人公の有馬公生は作中で「ヒューマンメトロノーム」などと言われ「正確に演奏できる実力を認められつつコンクールで勝つだけのピアニスト」と揶揄される、という独特の立ち位置なので、具体的に現実のピアニストになぞらえるのは難しい。過去に負ったトラウマ故にその演奏が不安定になりがちでもあるから、誰かの演奏を当てはめてどうこう言うのもちょっと不躾というものだろう。
だがしかし、「かをちゃん」こと宮園かをりの演奏は、私の場合、脳内でかってに一人のヴァイオリニストの音楽で再生されていた。
ということで最後に、ピアニストにして作曲家のファジル・サイのYouTubeチャンネルから一曲お送りします。曲はベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」、演奏はファジル・サイのピアノ、そして、私の念頭にあったヴァイオリニストであるパトリツィア・コパチンスカヤ。音楽のイメージが合いますかどうか、そんなつもりで聴いてみてください、ではどうぞ。