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名古屋から全国へ。高みを目指す「名古屋演劇杯」開催

2015.9.5
ニュース
舞台

「名古屋演劇杯」チラシ表

演劇人の“やる気”を触発する【劇団賞】と【俳優賞】を授与

“名古屋から全国へ舞台と俳優を届ける演劇祭”を目標に掲げる「名古屋演劇杯」が、名古屋・伏見の小劇場G/pitにて開催されている。これは、2014年にG/pitと名古屋の演劇情報サイト「名古屋演劇アーカイブ」がタッグを組みスタートした企画で、今回が2回目。夏から秋にかけて参加劇団が公演を行い、審査員によって【劇団賞】と【俳優賞】の2つの賞が選出されるというものだ。

企画立案者は、G/pitのスタッフであり、自らも劇団あおきりみかんの俳優である松井真人。協力を持ちかけられた「名古屋演劇アーカイブ」主宰の長谷川公次郎(虚構オメガの主宰、劇作・演出家でもある)はすぐに快諾、その日のうちに準備を始めたという。参加劇団は、公募をもとに各劇団から提出してもらう企画書や書類を審査し、二人が面白いと思った団体をラインナップ。今回は11団体が公演を行い、劇作家・演出家、編集者・ライター、そして昨年の優勝劇団の役者・演出家の3名が審査を行う。

左から松井真人、長谷川公次郎。主に若手劇団の活動拠点として、重要な役割を担うG/pitにて

【俳優賞】を設けた点については、「劇作家や演出家に与えられる賞はいくつかありますけど、名古屋には俳優の賞というのがなかったと思うんです。僕自身俳優は素敵な仕事だと思っているので、俳優が認められる場があってもいいんじゃないか、というのが大きくあって」と松井。

加えて、「作家や演出家は作品に対して一人しかいないけど、俳優は何人もいて作品に対する責任を分散しがちだと思うんですね。稽古が8時間あれば演出家は8時間渦中にいる。でも俳優は、他の人にチェックが入っている時や自分が出ない場面とか渦中にいない時間があって、そもそも掛けている時間が違うんじゃないかと。賞をもらう俳優がどれくらい努力しているかということも伝えていきたいし、俳優というのは演出家の言うことを聞く仕事ではなくて、ひとつの芸術的判断を持った技術職であり芸術家であるという観点に立てる俳優がもっと増えるといいなと思う」と、若き俳優たちを鼓舞する熱い思いも。

さらに長谷川も、「賞をもらうことで自覚が出るだろうし、立場が俳優を育てるということもあると思います。松井さんが言われたように、受賞した人がどのくらい努力をしているかということがわかってくればそれがスタンダードになって、自分はどうすればもっと上手くなるだろうと考えるようになる。このイベントがそのきっかけのひとつになれば」と語った。

昨年【劇団賞】を獲得したroom16(【俳優賞】も同劇団の藤島えり子が受賞)は、受賞後の公演でそれまでの3倍以上も動員を伸ばしたという。room16の実力はもちろんのこと、フェスティバル後に結果や受賞理由が載ったチラシを撒くといった細やかなフォローも状況を後押ししているのだろう。「このフェスをステップアップに使ってほしいし、チャンスになれば。上の世代の人達が下の世代を見てくれることはすごく励みになりますが、そんなことを言っているだけでは仕方がないので、「名古屋演劇杯」は同世代で創って観ていこうという企画なんです」と、実に頼もしい。

今後もより良いシステムを模索し、できるだけ長く続けていきたいという二人。まもなく第3回目の公募も始まるという。これから名古屋小劇場界の登竜門となる賞へと育っていくのが楽しみだ。

「名古屋演劇杯」チラシ裏

 
イベント情報
名古屋演劇杯

期間:2015年7月30日〜11月22日
会場:G/pit(名古屋市中区栄1-23-30 中京ビル1階)
料金:公演により異なる
アクセス:名古屋駅から地下鉄東山線「伏見」駅下車、6番出口から徒歩5分
公式ホームページ:http://nagoyatrouper.com/cup/

【参加劇団と上演日程】
◆妄烈キネマレコード/7月30日(木)~8月2日(日)
◆赤いスリッパ企画/8月21日(金)~23日(日)
◆歓喜ハザード/9月3日(木)~6日(日)
◆劇団中内(仮)/9月11日(金)~13日(日)
◆あたまのずかん/9月17日(木)~20日(日)
◆シアターUNA!/10月9日(金)~11日(日)
◆劇団んいい/10月16日(金)~18日(日)
◆劇団「放電家族」/10月23日(金)~25日(日)
◆演劇組織KIMYO/11月5日(木)~9日(月)
◆妖帝デカダンス/11月13日(金)~〜15日(日)
◆劇団「獅子」/11月20日(金)~22日(日)