高校生ナンバー1バンドに選ばれたのは!? ゲストにノクモンらも出演した『BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会』レポート
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BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会 撮影=シモムラリュウイチ
BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会
2017.3.31(Fri) 阿倍野ROCKTOWN
2017年3月31日(金)にヒューマンアカデミーミュージックカレッジ大阪校が毎年行っている、高校生限定のライブイベント『BREAK OF LIMIT』の2016年度グランドチャンピオン大会』が大阪・阿倍野ROCKTOWNにて開催された。予選を勝ち抜いた実力派高校生バンドと、大型フェスなどで活躍中のKNOCK OUT MONKEYなど豪華ゲストも出演し、白熱のライブを見せた『BREAK OF LIMIT』の決勝大会の様子をSPICEがレポートする。
河内REDS
河内REDS 撮影=シモムラリュウイチ
陽気なSEと共に、「今回のイベントのお手本バンド代表の河内REDSです!」とギターを高く突き上げ、本日の『BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会』のライブの幕が開けた。TOPバッターを飾るのは、今回ゲストとして出演する河内REDSだ。コミカルでわかりやすい歌詞とメロディー、そして思わず飛び跳ねてしまうようなリズムの楽曲で会場の温度を上げていく。途中バラードの楽曲やコールアンドレスポンスを挟んだエンターテイメント性が高いライブを見せ、ストレートに音楽を表現し、本日のトップバッターを華やかに飾った。
河内REDS 撮影=シモムラリュウイチ
然れど
然れど 撮影=シモムラリュウイチ
続いて登場したのは、2015年度『BREAK OF LIMIT』年間優勝アーティストの“然れど”。会場が暗転し、幕が開くとギターのアルペジオが鳴り響き、メンバーがゆっくりと照らし出される。MCを挟み「時間はすぐに過ぎ去ってしまうから、悔いのないように今日は全力で楽しみましょう」と言い放つと、情緒的なギターのイントロが印象的なアッパーな1曲目が演奏される。安定したリズムとメンバーそれぞれの演奏力、そして突き刺さるような歌声に観客は息を飲んだ。畳み掛けるように楽曲を披露していき、わずか15分という短い演奏時間ではあったが、“然れど”の世界観とメッセージ性はしっかり観客に伝わったのではないだろうか。
然れど 撮影=シモムラリュウイチ
堤信二
堤信二 撮影=シモムラリュウイチ
2組のゲストライブを終え、今大会の予選を勝ち抜き1組目に登場したのは堤信二だ。観客で埋まったフロアにアコースティックギター1本担ぎ、その光景に笑顔を見せギターをかき鳴らす。「今日を無駄にするつもりは無いので楽しんでいきます!」とテンポの良い楽曲を披露し、優しい歌声とアコースティックギターの温かい音色が会場を包む。そして、「手を挙げれますか?」というコールアンドレスポンスでステージとフロアの距離を縮め、一体感を生み出す。自身が高校生活の中で感じた感情と音楽が好きな想いを伝えた楽曲に、来場した高校生の観客は共感し頷きながら、演奏を聴き入っていた。弾き語りとは思えない、大きく元気いっぱいなステージパフォーマンスと楽曲センスで観客を楽しませた。
Dusk-Fade
Dusk-Fade 撮影=シモムラリュウイチ
次に登場したのは、4人組バンド・Dusk-Fadeだ。ライブ開始から迫力のあるサウンドと派手なステージングで会場を盛り上げる。しっかりした演奏力と高校生ながらも確立された個性的な楽曲を披露し、予選を勝ち抜いてきたのが納得できる。途中、ギターソロのパートではテクニカルな演奏を見せ、その素晴らしいテクニックに観客も手を挙げ答える。短い演奏時間ではあったが観客の心をグッとつかみ、彼らにしか出来ないであろう個性を見せつけたライブを披露しステージを後にした。
Made in Raga-sa
Made in Raga-Sa 撮影=シモムラリュウイチ
フロアにいる観客の数も増え、さらに盛り上がりを見せてきた『BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会』。3組目に登場したのは、女性ベーシスト率いるMade in Raga-sa。ハウリングの音が会場内に鳴り響き、演奏が始まるとエフェクティブなギターのイントロが印象的な楽曲を披露し、メンバーがステージ前で観客を煽る。楽曲の中に織り交ぜられたブレイクやキメの部分もバシッと決まっていて気持ちいい演奏だ。沢山の観客の前でも動じることなく堂々としたパフォーマンスで今大会にしっかりと爪痕を残していった。
No Problem.
No Problem. 撮影=シモムラリュウイチ
SEのジングルが鳴り、バンド全体が音を一斉に鳴らすとラウドでエモーショナルな楽曲を披露する。抜群の歌唱力と綺麗なメロディーラインの上に乗った日本語の歌詞がストレートに心に突き刺さる。途中ブレイクダウンとシャウトが交互するパートでは、派手なパフォーマンスを見せる。そして、ギターソロでは、ツインギターの強みである掛け合いのソロを披露し会場を沸かせた。全2曲という少ない曲数だったが、全力で想いを込めたライブは、No Problem.の伝えたいメッセージがしっかりと観客に伝わったことだろう。
くてんまる
くてんまる 撮影=シモムラリュウイチ
『BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会』も中盤に差し掛かり、5組目に登場するのはキーボードが入った6人構成のバンド“くてんまる”だ。キャッチーでポップなメロディーが印象的な楽曲が1曲目から披露され、序盤からフロアにいる観客は身体を揺らし楽しんでいる。バンドサウンドの中に取り込まれた綺麗なピアノのサウンドの交わり方も絶妙だ。表現力豊かな歌声とボーカルパフォーマンスが独特の世界観を生み出している。圧倒的な存在感と演奏力で、あっという間の10分のステージを終え、メンバーは笑顔でステージを後にした。
Re:name
Re:name 撮影=シモムラリュウイチ
今まで出演したバンドとはまた違った音楽ジャンルを演奏するスリーピースバンド・Re:name。ライブ開始早々からアッパーなリズムのパンクロックを感じさせる楽曲を披露し、会場のボルテージを一気に上げる。「BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会というステージに立てて嬉しいです」というMCから、続く2曲目ではミドルテンポで勇気づけられるストレートな歌詞が混ざり合った楽曲が演奏されフロアからはたくさんの手が挙がる。力強いドラミングと勢いのあるフロントの2人の演奏からは、スリーピースバンドということを感じさせない音圧で、見ていた観客を驚かせた。そして最後の曲を演奏し終えると観客にに深くお辞儀をし、Re:nameの全力のライブを終えた。
TONIC SPOT
TONIC SPOT 撮影=シモムラリュウイチ
逆光の中に、メンバーのシルエットが浮かび上がり轟音が鳴り響いた。怪しい雰囲気のキーボードラインとギターのカッティングが目立った楽曲が演奏され、TONIC SPOTの世界観を一目で印象付ける。披露された楽曲は、メンバーそれぞれの個性が際立った構成で、かなり作りこまれている楽曲だということがわかる。そして、2曲目に披露された曲も、ドラムのリズムパターンと、ベース、キーボード、そしてギターのリフレインが個性的で飽きがこない。10分という短い時間の中ではあったが、多くの観客にTONIC SPOTというバンドの存在を強く印象付けられた楽曲とパフォーマンスであった。
PHONOLITE
PHONOLITE 撮影=シモムラリュウイチ
ステージにメンバーが登場すると、「3月31日、今日私は勝つためにここに来ました!」と言い放ち、ギターストロークをかき鳴らすとフロアから手拍子が巻き起こる。口ずさみやすいメロディーとテンポの速いビートに会場は盛り上がりを見せる。徐々にフロアから挙がる手の数も増え、その光景にメンバーも笑顔を見せ、この瞬間しかないライブを楽しんでいるようだった。「次の曲で最後ですが、私たちの全部をぶつけるので最後まで楽しみましょう!」と、爽やかでアップテンポなチューンを披露し全身全霊で挑んだPHONOLITEライブを観客に見せつけ、熱いライブパフォーマンスを終えた。
ERUVOMA
ERUVOMA 撮影=シモムラリュウイチ
ここで再び、ゲストバンドが出演する。SEが鳴り、メンバーがステージに登場すると勢い良く手拍子で客席を煽る。ERUVOMAの登場だ。そして、SE後に間髪いれず曲が始まり、確かな演奏力とキャッチーなサビのコーラスリフレインでフロアの温度を一気に上げていく。次に披露された曲では、ツインリードでバシッと決まったハーモニーソロパートを聴かせる。そして、「みんなも声出していいねんで!」と言い、観客の心を一気に解放させフロアからはたくさんの歓声が挙がる。畳み掛けるように、次々と曲を披露ししっかりとした演奏力と楽曲センスで、“これぞERUVOMAのライブ”と感じさせる約30分の大満足のライブパフォーマンスを見せつけた。
ERUVOMA 撮影=シモムラリュウイチ
KNOCK OUT MONKEY
KNOCK OUT MONKEY 撮影=シモムラリュウイチ
そして、イベントの大トリを飾るのはゲストバンドのKNOCK OUT MONKEYだ。ステージにメンバーが登場し、w-shun(Vo/Gt)が「遠慮なくこいよ! 宜しくお願いします!」と叫ぶと、お立ち台に登ったdEnkA(Gt)が頭を振り乱しながらギターリフをかき鳴らし客席を煽る。さすが、百戦錬磨のライブを経験してきただけあって勢いのあるライブを見せつける。そして「無茶苦茶にさせてもらいます! それがライブハウスでしょ!」と言い放ち、続く「HOPE」では、フロアが揺れるほどのジャンプが客席で起こる。休む間もないくらいに、アップテンポでロックな楽曲を畳み掛けるように披露し、圧巻のライブをみせたKNOCK OUT MONKEY。今日このイベントでライブを観た高校生たちは、きっと音楽の格好良さと夢を追いかけて頑張る素晴らしさに気付いたに違いないであろう。
KNOCK OUT MONKEY 撮影=シモムラリュウイチ
優勝バンド発表
優勝バンド発表 撮影=シモムラリュウイチ
イベントの来場者の投票によって優勝者が決まるこの『BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会』。各バンドの代表者がステージに呼び込まれ、ついに優勝者発表の時が来た。最初に発表されたのは審査員特別賞。その賞に選ばれたのは、唯一の弾き語りで出演した堤信二だった。「これからも音楽活動を頑張ります」というメッセージを伝え、彼は誇らしげに表彰状を受け取った。
審査員特別賞 堤信二 撮影=シモムラリュウイチ
そして、準優勝はアグレッシブなライブパフォーマンスを見せた高校2年生のメンバーからなるRe:nameが獲得した。
準優勝 Re:name 撮影=シモムラリュウイチ
そして、ついに優勝者の発表。どのバンドも素晴らしい演奏を見せていたが、投票の結果、『2016年度 BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会』の優勝者に選ばれたのは「勝つために来た!」というMCを現実にしたPHONOLITEだ。「いろんな想いが詰まったこの大会で優勝できて嬉しいです」とトロフィーを抱きしめ笑顔を見せた。こうして、今回の『2016年度 BREAK OF LIMIT』も、感動のフィナーレで締めくくった。
2016年度 BREAK OF LIMIT グランドチャンピオン大会優勝 PHONOLITE 撮影=シモムラリュウイチ
イベントを通して、技術的な部分だけではなく“音楽が好き”という純粋で熱い気持ちをヒシヒシと感じることができた。そして、新しい時代を担っていくであろう高校生バンドたちによって、これからの音楽の可能性を感じさせてくれた。また来年もここから新たなミュージシャンが生まれ、音楽の新しい時代が生まれることに期待し、次回開催を心から待ち望んだ。
レポート・文=けんじろ〜 撮影=シモムラリュウイチ
日時:2017年3月31日(金)
会場:阿倍野ROCKTOWN
出演者:出演アーティスト
・Dusk-Fade・TONIC SPOT・PHONOLITE・Made in Raga-Sa・Re:name・堤信二・No Problem.・くてんまる
SPECIAL GUEST !!
・KNOCK OUT MONKEY・河内REDS(2016ブラカン優勝アーティスト)・ERUVOMA(2016ブラカン優秀賞アーティスト)・然れど(2015年度BOL年間優勝アーティスト)