アイスランドの新星・アウスゲイル Spotify Japanで行われた、プレミアムな新作試聴パーティーに潜入
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アウスゲイル
2017年4月、ビョークやシガー・ロスを生んだアイスランド出身のシンガー・ソングライター、アウスゲイルが来日した。それに伴い、Spotify Japanにてニューアルバム先行試聴会を実施。新曲にまつわるエピソードを明かしたほか、自作のSpotifyプレイリストを公開、さらにはサプライズでアコースティックライブも披露した。
アウスゲイルは前述の通り、人口わずか30万人ほどの小さな国・アイスランド出身のシンガー・ソングライターである。2014年に発表したアルバム『イン・ザ・サイレンス』は日本でも高い評価を受け、昨年はHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERにも出演、深夜にもかかわらず心震えるパフォーマンスで多くのオーディエンスを魅了したことも記憶に新しい。そんなアウスゲイルが、5月5日(日本リリースは4月28日)にリリースするニューアルバム『アフターグロウ』の先行試聴会を行った。
世界で一億人以上が使用する音楽配信サービス・Spotifyが日本に上陸したのは昨年9月のこと。スウェーデンから発信されたSpotifyは、音楽を聴くプラットフォーム自体を変化させてしまったと言っても過言ではない。冒頭には、Spotifyのスタッフより「特に洋楽好きにはSpotifyはオススメ」とサービスの説明がされた。
Spotify Japanのオフィスで行われた試聴会には約20名ほどのリスナーが招かれ、なんだか小さなクラスルームのよう。しばらくするとアウスゲイル本人が登場し、ニューアルバム先行試聴会がスタート。イベントの前日に日本に到着し、「東急ハンズにあるカフェで朝食をとった」と明かしてくれた。彼は2014年以来2度目のフジロックフェスティバルへの出演が決定しているが、「今年またフジロックに出られるのをとても楽しみにしているよ」とコメント。どうやら、フジロックを待ちきれないのは我々ファンだけではないようだ。
まずはアルバムから、ピクシーズのカバー曲「Where is my mind」を試聴。この曲は、日本盤CDにボーナストラックとして収録される。「何年か前にニルヴァーナをカバーしたんだけれど、その時に、必ずしもオリジナルを再現しなくても、いい曲になるんじゃないかと思ったんだ。曲のフレーズをバラバラに分解したり、思いつきのままにやってみたカバーソングで、およそ一日くらいで完成したよ」とアウスゲイル。
こんな風に、終始リラックスムードで、曲ができたときのエピソードなどを丁寧に語ってくれた。作った張本人から誕生秘話が聞けるなんて、ファンにとっては嬉しいことこの上ない。
次に、「New Day」を試聴する。アウスゲイルはアルバムを制作するにあたり、アイスランドに里帰りをしたそうだが、この曲の歌詞は彼の父親がアイスランド語で歌詞を書いてくれた曲なのだそう。「古い曲で、アルバムの中でもっともフォーキーで高揚感のある曲のひとつ」と話してくれたその言葉どおり、このアルバムの中でもひときわ輝きを放つ一曲になるだろう。
続いては「Nothing」。わずか2分足らずという短い楽曲だが、「普段曲を書くときは、意味を成していない言葉が同時に浮かんでくることが多いので、ちゃんとした歌詞を後からつける。でもこの曲は歌詞が同時に浮かんできて、それにピアノを乗せてみたらもう曲になっていた。余計なものを足すことなく、この長さでいこうと思ったんだ」と話してくれた。
そして最後に、「Underneath It」を試聴。途中で展開が大きく変わる壮大な曲で、様々な実験的な新しい要素を取り入れた曲だと説明してくれた。故郷であるアイスランドで制作した際には父親だけではなく、彼の兄も歌詞を書いたり、また、父親がアイスランド語で書いた歌詞を英語に翻訳したりなどと手伝ってくれたそう。「完成したアルバムを家族で聴くことはある?」との質問には「ちょっと恥ずかしいな」と苦笑いする場面もあった。
さて、Spotifyはただアーティストの楽曲を聴くだけでなく、アーティスト自身が作ったプレイリストを楽しめることも醍醐味のひとつ。アウスゲイルも自身のプレイリストを披露し、オススメのアーティストを紹介してくれた。
▼Ásgeir's Listening To Now
今は、ブライトン出身のエレクトロアーティスト・Alex Banksをよく聴いているそうで、同じプレイリストに入っているジョン・ホプキンスと同様、良いエレクトロを作る人だ、と絶賛していた。彼自身が聴く音楽ではあまりジャンルにこだわりはなく、これが”リアル”だと思うものを気に入っているそう。他にもBon IverやMUSE、同じアイスランドの新しいアーティスト、Shefillなども紹介してくれた。プレイリストの詳細は、是非Spotifyでチェックして欲しい。
そして、アウスゲイル本人から「サプライズプレゼントがある」とのこと。なんと、その場でアコースティックライブを披露してくれたのだ! 発売前のアルバムと楽曲解説まで本人から聞けたうえに、さらにエクスクルーシブなライブまで付いてくるだなんて、太っ腹なイベントである。彼の親友でもあるユリウスを迎えて、アルバムの先行トラックである「Stardust」と「Unbound」、さらに彼の代表曲のひとつ「King and Cross」のアイスランド語バージョン「Leyndarmal 」の3曲を披露し、先行試聴パーティーは幕を閉じた。
少人数で終始アットホームな雰囲気も手伝ってか、アーティストの普段ステージに立っている時とは違う表情を垣間見ることができた。この時間を共有することで、ますますアーティストのことが好きになり、そしてアルバムのリリースが楽しみになる……そんなイベントだったのではないかと思う。
新しい音楽の楽しみ方をどんどん提案してくれるSpotify Japanでは、同様のイベントを今後も企画しているそうなので、是非チェックしてみてはいかがだろうか。アウスゲイルのニューアルバム『アフターグロウ』は日本では4月28日にリリースとなる。また今年は、3年ぶりとなるフジロックフェスティバルへの出演も決定しているので、そちらもお見逃しなく。
▼アウスゲイルの人気曲TOP10
アウスゲイル『Afterglow / アフターグロウ』
品番: HSE-6393
レーベル:Hostess Entertainment
定価 : 2,490円+税
発売日: 2017年4月28日(金) (海外発売:5/5)
※日本盤は先行発売、ボーナストラック8曲、歌詞対訳、ライナーノーツ(内本順一) 付
<トラックリスト>
1.Afterglow
2.Unbound
3.Stardust
4.Here Comes The Wave In
5.Underneath It
6.Nothing
7.I Know You Know
8.Dreaming
9.New Day
10.Fennir yfir
11.Hold
12.Afterglow (Alternate Version)*
13.Unbound (Acoustic)*
14.Where Is My Mind*
15.Trust*
16.Unbound - Hljóðriti Sessions*
17.Stardust - Hljóðriti Sessions*
18.Where Is My Mind? - Acapella*
19.Dreaming - Acapella*
*日本盤ボーナストラック
アイスランド出身のシンガー・ソングライター。12年に母国でリリースした『Dyro i dauoapogn』が、アイスランド史上最速で売れたデビュー・アルバムとなった他、アイスランドのグラミー賞、アイスランド音楽賞主要2部門(「最優秀アルバム賞」、「新人賞」)を含む全4部門受賞。14年1月、デビュー盤の英語ヴァージョン『イン・ザ・サイレンス』を発表。2月にはHostess Club Weekender出演、さらに7月にはフジロック出演のため再来日し、観客を優美な歌声で魅了した。11月には『イン・ザ・サイレンス』のデラックス盤をリリース、翌15年1月には、初のジャパン・ツアーを決行。新作の発表が期待される中、16年8月にはHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERで4度目の来日。さらに、10月には日本 独自 企画7インチ・シングル「Where Is My Mind?」をリリース。17年4月、待望のセカンド・アルバム『アフターグロウ』をリリース、7月にはフジロック出演も決定している。
日本公式サイト:http://hostess.co.jp/asgeir