サンボマスター 究極のレコーディング方法に挑戦し辿りついた新境地
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サンボマスター 撮影=西槇太一
山口隆(唄とギター)のヒーローであるショーケンこと萩原健一と共演するというミラクルが実現した4月16日の日比谷野外大音楽堂公演で、今年12月3日に自身初の日本武道館公演を開催することを発表したサンボマスター。ここに来て、さらに活動が加速していきそうな、その彼らが約2年ぶりに9作目となるアルバム『YES』 をリリースする。“No!”と言われる前にギリギリと歯ぎしりしながらも、こちらから“Yes!”と言ってやるという想いを込めた今回は、それに見合う新しい音を奏でるため、3人は究極のレコーディング方法に挑戦したという。結果、それが彼らを追い込むことになってしまったのだが、その試練を乗り越えたとき、3人が辿りついたのは新境地と同時にロックバンドとしての原点だった。
レコーディングってどれだけテクノロジーが進んでも、
意志と偶然と幸運でできる以外の何物でもないなとも思いました。
――日本武道館公演が決まったからというわけではないんですけど、そういう大きな会場でドカドカと轟かせたら、絶対かっこいい曲が揃ったアルバムが完成しましたね。
山口隆(唄とギター):あはは、ありがとうございます。
――新境地と言える変化や、ぱきっとした広がりを感じました。まず、『YES』というタイトルがサンボマスターにしては……。
山口:短いですよね(笑)。
――多くの人がびっくりするんじゃないかと思うんですけど、その短いタイトルが新作の新境地を象徴しているんじゃないか、と。
山口:ああ、そうかもしれないですね。 “No!”と言われて、こっちも“No!”と言ってプラスになるみたいなところって、ロックの一つの美しさとしてあるじゃないですか。そっちが“No!”って言うんだったらこっちも“No!”だっていう。ただ、時代が変わってきて、それすらもしかしたら有効じゃない時もあると言うか、一筋縄では行かなくなってきたようなね、僕はそういう気がしている。もちろん、そういうやり方があってもいいでしょう。だけど、今回は音楽の力で“Yes!”って言いたかった。先回りして“Yes!”って言ってやりたかったんです。それは別に僕が発明したことでも何でもなくて、新しい音楽を作る偉大な人は歴史上、みんなやっている。ダニー・ハサウェイが“いつか自由に”って歌った時も新しいことが起こったし、マーヴィン・ゲイが“ホワッツ・ゴーイン・オン”と歌った時も新しいことが起こったし、日本のすごい2人が“未来は僕等の手の中に”と歌った時も革命が起こったし。だから、僕らもそういうことをやってみたいと思ったんですよ。1曲目の「YES」のサビの最初で“Yes!”と歌うから、(アルバムタイトルが)『YES』ってことなんですけど、ライブハウスに来てくれる人達とだったら革命が起こせるかもしれない。革命って言ったら偉そうですけど、マジックやミラクルを起こせるかもしれない。そんなことは思いました。
――そんな想いは当然、曲やサウンドにも込められているわけですよね?
山口:そうです、そうです。そういうことを考えて、新しい音をやりたいと思いました。新しい音を。今、イギリスのブリストルでは新しいダンスミュージックがどんどん生まれているでしょ? 西ロンドンでもそうですよね。アメリカに行けば、シカゴのゲットー・ハウス、さらにはフットワーク/ジュークが生まれている。だから、自分達も新しい音を……理屈っぽいことを言っているわけじゃないんですよ。これ(『YES』)、5月10日に出るじゃないですか。きっと“No!”って言われると思うんですよね。“おまえはクソだ”みたいなことは手を変え品を変えね。誰かを否定し続けるみたいな空気がずっとあるじゃないですか。新しい音を作れば、そういう新しい痛みに対抗できるかなと思うんですよね。だから、新しい音を、俺は作りたいと思っていました。それで、そのためにはどうしたらいいかってことを、3人で話し合って、今回は3人が持っているポテンシャルが美しく出たほうがいいから、そのためにはレコーディング技術で良くする……つまり、音を誇張したり拡散したりするようなタイプの機材、エフェクトを使うのをやめようってことになりました。その代わりに3人の音を、サムさんってすごいエンジニアさんとしっかり作って、それで録りきろう、と。でも、それは2017年だからできるんですよね。そういう機材を使わなくていいやり方っていうのは。
近藤(ベースとコーラス):デジタル的な加工っていうのが、どんどん発達してきて、それこそベッドルームで音楽を作って、それを世の中に発信できる時代ですけど、それとは逆に我々が出した音を、いかにそのまましっかりCDやレコードの中に落とし込んでいくかっていう作業を究極に突き詰めた作品ではありますよね。
山口:音を出して、“やべえ。これやべえやべえ”って思ったやつが、音を良くするメカを使うことによって、音は良くなるんだけど、その“やべえ”が消えちゃうみたいなのがすげえ良くないんじゃないかって。
木内(ドラムスとコーラス):一言で言えば、いい音で録りたいってことなんですけど、そのいい音っていうのは、俺だったら、ここで一番いい音が鳴ったりするんですよ。
山口:うん、手元でね。
木内:それをちゃんと録りたかった。俺はこうやって表現しているんだよ。こうやって弾いているんだよっていうのを、そのままちゃんと残したかったんです。できる限りいい形で。確かに、たとえばコツンって叩いたやつも、後から加工すればドンって音にできるんですよ。でも、小さい音は小さい音だし、大きい音は大きい。それには意味があるんだから、そういうところもちゃんと録りたかったんです。そのためには何をするかってなると、一番初めの段階で、とことん楽器の音を良くしなきゃいけないんですね。これはこう録りますって、まず計算をして、たとえばドラムだったらバスドラをここに配置して、スネアをここに配置して、ここの間にベースが入ってきて、そこにこうやってギターが入ってくるからっていう、その音作りがとにかく時間がかかる。
山口:そういうことを考えたのが間違いの始まりだったんですよ(笑)。なんで、そんなことを考えちゃったんだろうって。
――かなり大変だったわけですね?
山口:うわーってやって、ハイ、おしまいってやり方の真逆だったから。朝から朝まで音を作ってるんですよ。午前10時に入って、“用意ができました”って時計を見たら2時半なんですよ。午後の2時半じゃないですよ。夜中の2時半ですよ。それまでずっとドラムを、ダン、ダン、ダンって(笑)。
――レコーディングを始めるまでの音作りにそれだけ時間をかけた、と。
山口:音を良くするエフェクトを使わないってことは、出音で録りきらなきゃいけない。しかも、Aマイナーってコードはこうやって(弦を押さえる手を)握り込むでしょ。でも握り込んじゃダメなんですよ。チューニングがずれるから。“じゃ、どうするんですか?”ってさすがに言うじゃないですか。そしたら、“いや、このコンセプトだとね。ギターやエレキベースみたいにフレットがついていて、弦が張ってある楽器は向かないんだよ”ってエンジニアさんから元も子もねえことを言われて……大変だったよね?
木内:大変でした(しみじみ)。
――それを12曲分やったわけですよね?
山口:近藤君なんて、12曲録りおわったところで、エンジニアさんから“近藤君、これチューニングがずれてるね”って(笑)。
近藤:実際はずれてないんですよ。
山口:ちゃんと機械で測ってやったから、ずれてるはずがないんですよ。そこまでやったんだから。
近藤:ずれているとは言わない範囲のずれなんですよ。ギターだってね、1回弾いたあと、もう1回、弾かなきゃいけなかったんですよ。
山口:つまり、ガッと演奏するでしょ。でも、ステレオにするには、もう1回同じことを弾かなきゃいけない。
近藤:1回弾いたやつを左右で鳴らすというやり方もあるんですけど、“いや、それじゃダメだ。ガーンと来ない”って言うから、もう1回弾くんですけど、少しでもずれたらダメなんです。
山口:最新の楽器だったらチューニングもそんなにずれないんですけど、1950何年製っていうヴィンテージのギターを使ったんですよ。それはヴィンテージの楽器がいいということではなくて、この音を出すにはそれが必要だったからなんですけど、ギター1本が3000万円って聞いて、ギターに傷をつけないように、まずベルトをはずして、せっかくだからってギターを持って記念写真を撮って(笑)。近藤君も同じですよ。そんなことをずっとやっているから、いつまで経っても終わらない。4か月押したかね?
木内:そうだね。
――え、そんなに押したんですか。じゃあ、本当はもっと早くリリースする予定だったわけですね。
木内:今年1月のリリースを目指して、(去年の)11月いっぱいで完パケようとしてたんですけど、その時点で全然終わってなかったです。
山口:3月中旬ぐらいまで録ってました。
――でも、それだけやったんだから、ものすごい達成感と満足感があるんじゃないですか?
山口:やってやりましたよ! 今回のレコーディング方法に新たな名前をつけようと思ったぐらいです。こんなの誰もやってないんだから。でも、もうちょっとハードルを下げれば良かったなって(笑)。
――いやいやいや、やり遂げたんだから良かったじゃないですか。だからなのか、サンボマスターらしい熱量もちゃんと感じられるんですけど、今回は音色、フレーズ、演奏においても、これまで以上にすごく耳に残るところがありますよね。
山口:だって、128トラックで入らないんですよ!
木内:僕らが使ったプロツールスって(デジタルオーディオワークステーションの)ソフトは最大で128トラックまで同時再生できるんですけど、「Sad Town, Hot Love」だけ、それを超えていたんです。
山口:マイクがスタジオの至るところに立ててあって、笠地蔵かと思いましたよ(笑)。
――じゃあ、リスナーには細かいフレーズやアレンジの妙まで聴き込んでほしいんじゃないでしょうか?
木内:それはあります。
山口:そりゃあ聴いてほしいですよ。「Sad Town, Hot Love」以外の曲だって大変だったんだから、全曲、聴き込んでほしい。それなのにビクターのYは、そこまでやってレコーディングした音を、“ちょっと携帯で聴かせていただきます”って言うから、“ふざけるな、この野郎”って(笑)。でも、俺らも“ここまでこだわってるけど、みんなに伝わるかな。でも、そういうもんだもんな”って3人で励まし合いながら作ってたんですけど(笑)。
――いや、伝わりましたよ。
山口:ありがとうございます。そう言ってもらえるとね。ミックスも大変だったんですよ。この音で録りきっているからミックスされると困っちゃうんですよね。つまり、エフェクターを使わないで録っているから、ミックスの時、勝手にエフェクターを使わないでくれよって。でも、使わないとミックスにならないっていうんで、そこはもう、この完璧さが消えるのだけはイヤだって、そっちはそっちで試行錯誤しながら、まあ終わらなかった。それでずっーとやってました。でも、この話をさせていただけるのが供養になります(笑)。
――そういうレコーディングをするわけですから、アレンジもいつも以上に詰めたわけですよね?
山口:そうですね。僕の意見だけではなく、たとえば「YES」の最初の弾き語りは、近藤君が提案してくれたりとか、「Sad Town, Hot Love」は木内がとにかく大きく鳴らしたいんだと言ったりとか、現場にいるサムさんも自由に、この曲はこう思うよって言ってくれたりとか、そんなふうに作っていきました。
木内:叡智を結集した感はありますね。
近藤:話が違うこともありましたよね。
山口:どういうことですか、それは?(笑)
近藤:みんなでデモを作って、この感じでブラッシュアップしていこうってなるわけじゃないですか。木内のドラムがこうだから、ベースはこうだとか、歌詞がこうだからこうだとかって考えていったにもかかわらず、それが本番になったら変わっている。“あれ、木内、ここ、こんなんだったっけ?”って聞いたら、“俺、新たに考えてきたんだよ”って。
木内:だって、そこは超えていかないと。
山口:いやいや、変える時は変えるって言わないと(笑)。
近藤:そういうことが度々あって……。
山口:大変だったねぇ。さっきも言ったようにコードを弾くのに適さないんですよ、今回のレコーディングは。だから、最後の「Stand by me & You」って曲はマイナーナインスをはじめ、ソウル的な複雑なコード進行を使っているから、ステレオ録音はこのレコーディング方法ではできないって言われました。
近藤:現代の医学では救えない、と(笑)。
山口:だから“山ちゃん(ギター)1本で行こう1本で”って(笑)。
――そのせいなのか、今回、山口さんのギタープレイがいつも以上にリードギターって言うんですか、シングルトーンのフレーズが多かったような印象を受けたんですけど。
山口:あ、そうですか。ギターソロが何曲かあるんですけど、ギターソロは、みんなに悪いから、どうしてもささっと時間をかけずにやらざるを得ないんですよ。それでこのクオリティーかって、いっつも思っちゃうんです。もう1回説明しようか?(笑)
近藤:いや、大丈夫です。自分で自分をホメたんですよね(笑)。本当に1、2回しか弾いてないもんね。
山口:とにかく早く録ろうって気持ちがあるんですよ。毎回そうなんですけど、余った時間に、大体、食後、みんなが食休みしている間にぱぱっと、本当は時間をかけて録りたいんですけど、ま、いいかって弾いてみるんですよね。そしたらみんなの顔がとたんに輝きだす。そしたらもう、これはこのまま残しておくしかないなってことで残っている感じですかね。
近藤:一応3回目も弾いてみるんですけど、“あれ、最初の方がいいな”ってなるんですね。
山口:そうそうそう。“もう1回だけやらせてくれ”って言うんですけど、結局、“1回目にしよう”って悲しいことになるんですよ。それが本当のところです(笑)。
――「オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで」のリフとか。
山口:ディローン・ディディディディってやつですよね。
――あと、「反撃の時間はじめ」のイントロのリフとか。
山口:くぅー。なんてところに気づいてくれたんでしょうか(笑)。「反撃の時間はじめ」のリフは微妙に16分(音符)が入っていて、あれを弾くっていうのは簡単そうで大変なんですよ。それを弾ききった。この間の野音でも思わず言ってしまいましたもん。“なんてうまいんだろう”って(笑)。ありがとうございます。
――そんなところも聴きどころですよね?
山口:そこは聴いてほしいです、ホントに。いい取材だな、今日は(笑)。
近藤:今までで一番変わったのはギターなんじゃいかってくらい、今回、ギターがいいよね。
山口:うん、そうだねぇ。
近藤:そういうバーンと出たところもあるし、ものすごくていねいに作り込んだところもあるし。
山口:ギターはホントにがんばりました。
サンボマスター 撮影=西槇太一
――リズム隊の2人は今回、変わったというところはありましたか?
近藤:いやいや、僕らはもう。
木内:仕事が早いんで、僕らは(笑)。できちゃうんですよ。
山口:いや、ベースも大変でしたよ。ドラムの音が大変なのはもちろん当たり前で。
木内:数が多いからね。
山口:一番ドラムに時間かかったよね。とにかくドラムの音をいい音で録らないといけなかったから。
木内:チューニングと音作りが命なので、細心の注意を払って音作りしました。
山口:サムさんがね。
木内:そう。俺は見てました(笑)。
山口:1回、サムさんがすげえ時間をかけて作ったやつを、木内が1回叩いたんですけど、前の方がいいと思ったから、“サムさん、やっぱり前のにしてください”って言ったら、さすがに怒ってましたけどね。“そりゃねえだろ!”って(笑)。ベースもね、ベースの音ぐらい感覚的なものはないと言うか。
近藤:そう言えば、途中でいきなりBPMが8も上がった曲があって。
山口:「Never stop Your dance」って曲なんですけど、あれは元々はソウルフレーバーあふれる曲をちょっと早くして、ヒップに回すってコンセプトで作ったんですけど、かなり速くなったんですよ。
木内:ここぞとばかりにフレーズを入れている曲だったから、近ちゃん(近藤)、ホント大変そうでした。
近藤:ベースはけっこう現場対応が多かったですね。ドラムが変わると、そっちがいいねってなるんですよ。音がいいから。
木内:そういうレコーディングをするにあたって、僕らの音楽は中から出てくる躍動や感情を封じ込めないと、絶対、僕らの音にはならないので、ドラムに関しては本当にぱっと1曲全部やって、それを土台にして、いろいろやろうっていうのがあったんですよ。
山口:ぶったたかないと、躍動や感情は全然生きてこないからね。
近藤:だからドラムに合わせて、ちょっとずつ強さを変えたり、弾き方を変えたりして。
山口:いやぁ、思い出すだけで疲れる(笑)。
木内:そういう意味では、歴代でも一番目か二番目ぐらいに感情的に叩いた感じはありますね。
山口:自分達としては、これ以上できないくらいやりきったし、うまく行ったという気持ちはありますよ。
――さっき話題に出た「Stand by me & You」のテンポも絶妙じゃないですか。普通に考えたら、もっとゆったりしたテンポで演奏したほうが曲が持つアーバンな魅力は出ると思うんですけど。
山口:でも、やっぱりメッセージと生き急いでいると言うか、駆り立てられている感じは、あれぐらいテンポが速くないと出てこないんですよね。
木内:そう言えば、あの曲は夜中の2時ぐらいに音ができて、さすがに今日はやめようって、その日、レコーディングすることはあきらめたんですよ。
山口:その日のうちにやらないと悪いんじゃないかって空気がちょっとだけ流れるんですよ。ビクターの人がいると(笑)。もちろん、そんなつもりはないんでしょうけど。
木内:合宿だったんで、やろうと思えば、いつまででもできたんですけどね。
山口:でも、できねえだろ。普通に考えて。
――音ができたんだから、そこでやっちゃいたいという気持ちもあったんじゃないですか?
木内:いや、その日はなかったです。とにかく早く寝たかった(笑)。
――(笑)それだけ自分達を追い込んだレコーディグをやり遂げたことで、バンドとして成長できたという実感もあるんじゃないでしょうか?
山口:それはもちろんですよ。
木内:春闘でビクターと闘おうって一致団結しました。
山口:そっちかよ(笑)。でも、ベースアップも大事だからね。それはそれとして、今回のレコーディングで学ぶところは本当に多かったですよ。こんなに美しい音になるんだ。こうやって録っていけば間違いないねって思えましたから。でも、やっぱりレコーディングってどれだけテクノロジーが進んでも、意志と偶然と幸運でできる以外の何物でもないなとも思いました。プロの作業とは言ってるけど、要素としては、偶然のほうが全然大きい。
木内:バンドミュージックである以上はね。
山口:日頃どれだけ熱い想いを持っているか。そういうことが重要なんだと改めて思いましたよ。
近藤:結局、音楽ってWi-Fiで自分の脳ミソと同期できるわけじゃないから、この耳で、空気を通して聴くものである以上、やっぱり偶然や自分達が暮らしている環境と離れられないんですよ。自分達が作っているんだけど、半分はそこで生まれたものでもあるし、元々あったものでもあるし。そういうものを一番いい形で、ちゃんと掘り起こすことができた今回は傑作になったと思います。
――アルバムを締めくくる「Stand by me & You」の“おぉでも生きたくてたまらない”という最後のフレーズが、1曲目の「YES」の“必ず生きておくれ”という歌いだしのメッセージに対する答えに聴こえるところがいいですね。
山口:そこで終わって、また始まればいいんじゃないか。そんなふうに循環してくれたらいいねって曲順を決めるとき、そういう話になったんですよ。
――リリース後は、全国33か所を回る『今年は何かとはっちゃけたい!~2017全国ツアー~』がまずあるわけですが、最後に12月3日に開催する日本武道館公演に対する思い入れ、意気込みを聞かせてください。
山口:みんなこんなに喜んでくれてありがとうございますって一言に尽きますよ。全国にある数百人キャパのライブハウスを回ることを、すげえ楽しいと思ってやっている僕らは武道館を目標にしたことはないんですけど、12月3日っていう1stアルバムをリリースした日に“武道館やれちゃいますよ”と言われて、そういうご縁はありがたいと思って、やらせていただくことにしたんです。
木内:それを、みんながまるで自分のことのように喜んでくれていることが伝わってきてうれしかったです。武道館でできるって喜びももちろんあるんですけど、むしろそっちのほうが喜びは大きかった。
山口:1万倍ぐらいね。だから、ちゃんとやらないと。
木内:恥ずかしくないようにね。
山口:みんなに来てほしいね。そうそう、今回のアルバムを購入していただけるとね、先行予約みたいなのが入っているんで、みなさん、ぜひゲットしていただきたいと思ってます(笑)。
取材・文=山口智男 撮影=西槇太一
サンボマスター 撮影=西槇太一
サンボマスター『YES』
【初回限定盤】CD+DVD VIZL-1143 3,800円(税抜)
【通常盤】CD VICL-64764 3,000円(税抜)
1.YES
2オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで
3.Sad Town, Hot Love
4.ババンバンっと うまれかわりたい
5.このラブソングはパンクナンバー
6.反撃の時間はじめ
7.ワルになりたい
8.ハートコアパンク
9.いのちは暴動
10.アノ娘と夢をみるの
11.Never stop Your dance
12.Stand by me & you
シングル「オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで」
2017年4月12日発売
【完全生産限定盤】CD+DVD VIZL-1136 ¥1,980+税
【通常盤】CD VICL-37261 ¥1,200+税
【前半戦】
05月13日(土)郡山 HIPSHOT JAPAN [ゲスト]奥田民生
05月14日(日)山形 ミュージック昭和 SESSION [ゲスト]奥田民生
05月18日(木)宮古KLUB COUNTER ACTION MIYAKO [ゲスト]MONGOL800
05月20日(土)盛岡CLUB CHANGE WAVE [ゲスト]MONGOL800
05月21日(日)青森Quarter [ゲスト]MONGOL800
05月25日(木)神戸Harbor Studio [ゲスト]夜の本気ダンス
06月01日(木)京都MUSE [ゲスト] SUPER BEAVER
06月03日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM [ゲスト]Fear, and Loathing in Las Vegas
06月04日(日)米子AZTiC laughs [ゲスト]Fear, and Loathing in Las Vegas
06月08日(木)帯広REST [ゲスト]BLUE ENCOUNT
06月09日(金)旭川CASINO DRIVE [ゲスト]BLUE ENCOUNT
06月11日(日)函館club COCOA [ゲスト]BLUE ENCOUNT
06月15日(木)水戸LIGHT HOUSE [ゲスト] 10-FEET
06月16日(金)柏 ALIVE [ゲスト] 竹原ピストル
06月18日(日)横浜F.A.D YOKOHAMA [ゲスト]マキタスポーツpresents Fly or Die
06月24日(土)周南RISING HALL [ゲスト]My Hair is Bad
06月25日(日)北九州市 WOW [ゲスト]My Hair is Bad
06月29日(木)浜松 窓枠 [ゲスト]ヤバイTシャツ屋さん
07月01日(土)松阪M'AXA [ゲスト]THE BACK HORN
07月02日(日)岐阜CLUB ROOTS [ゲスト]THE BACK HORN
【後半戦】
09月23日(土)熊本 B.9 V1
09月24日(日)鹿児島 CAPARVO HALL
09月29日(金)高知 X-pt.
09月30日(土)高松 DIME
10月06日(金)名古屋 DIAMOND HALL
10月08日(日)広島 CLUB QUATTRO
10月13日(金)仙台 Rensa
10月20日(金)長崎 DRUM Be-7
10月21日(土)福岡 DRUM LOGOS
10月29日(日)札幌 Zepp Sapporo
11月03日(金)新潟 LOTS
11月05日(日)金沢 EIGHT HALL
11月11日(土)大阪 なんばHatch
※全公演ゲストあり
公演日:2017年12月3日 (日)
会場名:日本武道館
※公演名、会場開演時間、