大萩康司プロデュース「ギターサミット」開催! プロ・アマ合同、多様な編成でギターの魅力を
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大萩康司 Ⓒビクターエンタテインメント
クラシックギター奏者の大萩康司が、大阪・岸和田の浪切ホールで「ギターサミットin Namikiri」をプロデュース開催する。若手の名手・朴葵姫(パク・キュヒ)、期待の新星・猪居謙&亜美兄妹らプロだけでなく、関西大学、関西学院大学など「関西学生ギター連盟」所属のギターサークルや地元岸和田高校ギター部の学生、社会人愛好家らにも参加を呼びかけ、ソロから合奏まで自在な編成でギターの魅力を多面的に引き出す趣向。
ゲストにヴァイオリン奏者の奥村愛、ソプラノの吉川真澄を迎え、珍しいコラボも。ギターファンも初心者も楽しめるように、工夫を凝らしたプログラム構成で臨む。意欲的プロジェクトを間近に控えた大萩に、概要や心境を尋ねてみた。
大萩康司 Ⓒビクターエンタテインメント
近年、大萩は演奏活動と併行して、関大、関学大、立命館大のギターサークルを指導し、学生たちとの交流も積極的に続けて来た。各校とも30人ほど部員がいて、学業と両立させようと日々奮闘しており、なかなかの腕っこき。教えるほどに、学生たちの「目の輝き方が変わってくる」ので、自身もなにかと触発されるようだ。
「最初から『ギターが好きなんだなあ』ということはとてもよくわかるのですが、お互いの意識のコミュニケーションができてくると『こんな感じ』から『こうやりたい』と方向も定まってきて、みんなが一つのゴールに向かって進めるようになります。さらに『好き』から『楽しい』要素も増えて、目の輝きが増すのかもしれません。何事も『好きこそものの上手なれ』といいますものね」
そういうわけで、文化祭や定期演奏会などの他にも、公の場で発表できたり、社会人になってからも参加できる場があれば…と、思うまでに。そんなタイミングに、プロ・アマ、客層を問わずギターを存分に楽しめる「ギターサミット」開催の機会を得た。通常のコンサートよりも大がかりなギターイベントである。
「浪切ホールは1552席! クラシックギターで演奏するホールとしては最大規模です。その舞台で演奏するのだから、自分のギターから出て来る一つ一つの音を、会場の隅々まで届ける気持ちで本番に臨もうと、学生たちも心をひとつにして取り組んでいます」
ホール近郊の阪南~泉州地域には、ギター部のある高校が複数あって、その中から地元の岸和田高校が出演することに。大萩は自ら学校を訪ね、クリニックを行った。
「1回3時間ほど、それを2回。通常、ワンレッスン1時間ほどですので、6回分くらいの密度はあったと思います。1回目はお互い緊張感もありましたが、2回目になると“知ったオジサン”になったのか、質問もたくさん出てうれしかったですね(笑)。今回のギターサミットは2部構成で、1部は合奏をバリエーション豊かに。岸和田高校、大学生、社会人アンサンブルなどによる“合奏の饗宴”です。最後は、私や朴さんらプロ4人も加わって、モーリス・ラヴェルの『ボレロ』をギターで大合奏します。関西ギター界の大御所・藤井敬吾さんの、ギターの特徴を知り尽くした見事なアレンジと指揮で、オーケストラとは違うギター合奏ならではの響きを楽しんでいただきたいです。内緒ですが、私はこの曲以外でも、1部のどこかで登場する予定ですので、お聴き逃しなく。そして2部では、プロの独奏や組み合わせの妙をとことん楽しんでいただく“ソリストの饗宴”です」
藤井敬吾
例えば、ソプラノの吉川による武満徹「小さな空」では、大萩と猪居兄妹のギター3本で歌に絡む。吉川は岸和田出身だけに、トークでどんな話が飛び出すのかも気になるところ。また、奥村のヴァイオリンと大萩のギターによる、ピアソラ「タンゴの歴史」やモンティ「チャルダーシュ」のデュエットも期待が集まるところ。
「吉川さんとは今回初共演ですが、現代音楽にも精通しておられ、とても楽しみにしています。奥村さんとは何度も共演させていただいて安心感があります。真摯に音楽と対峙し表現する姿勢に共感も覚え、ご一緒してもらえたら心強いなと思っていました」
吉川真澄
奥村愛
朴と大萩の共演も数多いが、今回は、朴と猪居兄妹との初コラボに大萩も加わってのカルテットを予定しており、ファンならずとも興味がそそられる。朴はタレガの「アルハンブラの想い出」など、耳に残るトレモロ演奏が人気を呼んでいるが、
「朴さんの数々のキャリアを経て得られた実力、華奢な見た目からは想像もつかない大きな存在感をぜひその場で体感してほしいです。そして一番の若手、猪居謙さん、亜美さんは、これからの大阪になくてはならない逸材、応援していただきたい才人です。そんなわけで、本来ならとても1日の公演では収まりきらない豪華メンバーが集まってくれました。それぞれの美味しいところを浪切ホールという重箱に詰め込んでお届けいたしますので、ご家族、ご親戚、ご友人、ご近所…の皆さんで、ぜひ遊びにいらしてください!!」
朴葵姫 ⒸToshiya Suda
猪居謙
猪居亜美
取材・文:原納 暢子
■会場:岸和田市立 浪切ホール 大ホール
■出演:
ギター:大萩康司、朴葵姫、藤井敬吾、猪居謙、猪居亜美
ヴァイオリン:奥村愛
ソプラノ:吉川真澄
■公式サイト:http://www.concert.co.jp/concert/detail/1547/