THE ALFEE 普遍の魅力と新境地とをミックスした意欲的新作を生み出した、限界知らずのバイタリティ
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THE ALFEE、The KanLeKeeZ
デビュー43年、限界知らずのバイタリティで絶賛を受ける春ツアー真っ最中のTHE ALFEEから届いたニューシングルは、豪華絢爛4タイトル。新曲「あなたに贈る愛の歌」とThe KanLeKeeZ名義による「エレキの恋人」のカップリングに、それぞれ異なるボーナストラックを収めた内容は、普遍の魅力と新境地とをミックスした意欲的なもの。今や三世代を熱狂させるロックバンド、THE ALFEEはなぜこんなにもパワフルなのか?
音楽の要素って、メロディとリズムとハーモニーで、
そこを一番生かせるのがTHE ALFEEだから。
――今回のシングルは、なんと言えばいいですかね。ダブルAサイド?
高見沢俊彦:いや、The KanLeKeeZはカップリングです。メインはTHE ALFEEで。
――ではTHE ALFEEの「あなたに贈る愛の歌」の話から。壮大という言葉が似合いすぎる高貴なバラードです。
高見沢:こういうバラードは久しぶりですね。シングルでバラードらしいバラードは、もしかしたら「恋人達のペイヴメント」以来なのかな。「100億のLove Story」とかロックなバラードはありましたけど、クラシカルなイメージで、こんなにストリングスを前に出すのは初めてだと思いますね。
――久々に、バラードを出したい気分だったとか?
高見沢:そうですね。去年出した、オリコンのベスト10に50作連続で入ったシングル「今日のつづきが未来になる」が、非常に自分たちらしいという評価を受けたものですから、それってやっぱりタイアップに縛られないことで、自分たちらしさが出たのかなという気がしたんですね。だから今回もその続きで考えた時に、ラブソングがいいなと思って、ラブソングで行くならバラードだろうなと。僕は2年間ぐらい『INNOVATION CLASSICS』をやっていたので、そのイメージを含めて、THE ALFEEに一番特化できるサウンドメイキングを目指したところはありますね。音楽の要素って、メロディとリズムとハーモニーで、そこを一番生かせるのがTHE ALFEEだから、去年のシングルからのつながりとして考えると、今回はこれがいいんじゃないかなと思いましたね。
――坂崎さんは、久々のバラード曲にどんな思いを?
坂崎幸之助:今までのバラードは、THE ALFEEサウンドがメインで、ストリングスがフォローするような曲が多かったんですけど、今回はストリングスが前に来てますからね。ギターもいつもの手癖のアルペジオとかじゃなくて、ちゃんと一音ずつ決めて弾いてるんで、面白いですよ。休むところは休むし。
桜井賢:この曲、休み多いよね(笑)。
高見沢:エレキもそんなに弾いてない。頭でちょっと弾いて、間奏で弾いて、歪んだギターは一番最後にしか出てこない。クラシックの、ティンパニの人みたいな。
坂崎:ずっと休んでて、「いけねえ、終わっちゃった」って(笑)。
桜井:それ、本当にあるらしいよ。最後に一発だけ鳴らすのに忘れちゃったって。
坂崎:でもクラシックって、そういうアンサンブルで成り立ってるじゃないですか。ギターもその中の一つという感じなので、今までとは違う。そこでこの日のために買ったクラシックギターが陽の目を見まして。200円のカスタネットを買いに行った時に衝動買いしてしまった、定価〇〇万円のガットギターを。
――おお~!
坂崎:レコーディングで使えるようなガットギターを持ってなかったんですよ。いつも後輩に借りてたんだけど、自分でもちょうど欲しかったんだよな、ということをちらっと言ったら、店員が……そいつはもともと知り合いで、「ちょっと弾いて行ったらどうですか?」って。
桜井:200円のものを買いに行ったのに、〇〇万のものを買ってきちゃった。
坂崎:これから大変ですよ、ローンが(笑)。でもね、本当にいいガットギターなので。サイド&バックがちゃんとハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)で。そんなちゃんとしたクラシックギターを、クラシックのアレンジの中で使えたというのはいいですね。
高見沢:ガットギターほど差が出るものはないな。うちにあった昔のガットギターとは全然音が違う。やっぱり値段だな、楽器は。
――身も蓋もなくひとことで(笑)。
坂崎:ある程度はね。それ以上のレベルに行ったら、あとは好き嫌いだけど、そこから下のものとは全然違う。この年になってやっとわかった。
――みなさん、坂崎さんのクラシックギターで耳の喜びを感じていただければ。桜井さんは、この曲については?
桜井:このアレンジを最初に聴いた時は、今までやってきたこととはちょっと違う気がして。だけど、結局歌が入ってコーラスが入ればTHE ALFEEになるという。
坂崎:そこだね。
高見沢:そこが匠の技。もはや伝統芸能ですから。
――今どきなかなかお耳にかかれない、豊かな音像のバラード。歌詞も、照れずにここまで堂々と愛を歌うという、これも最近はなかなかないと思います。
高見沢:ラブソングは、曲の王道だから。昔から伝わる原型じゃないですか、愛の歌って。だからそんなにたくさんはできないですよね。
坂崎:そうなんだ、知らなかったよ(笑)。
高見沢:このタイミングだからいいんじゃないですか。43年目ということも含めて、シングルとしては、去年出した「今日のつづきが未来になる」の続きですね。テーマとしては。続けて聴いていただけると、いいと思うんですよね。
坂崎:「去年のつづきが新曲になる」。
高見沢:それいいね(笑)。それで締めよう。
――まだインタビューは続きます(笑)。ちなみにこの曲、現在進行中のツアーではいつ初披露を?
高見沢:5月6日の倉敷からです。
坂崎:反応はすごく良かったよね。終わったあとの拍手が。
高見沢:新しい曲だから、“聴く”態勢だったけどね。
坂崎:それはしょうがない。知らない曲だからね。話は違うけどさ、69年のサイモンとガーファンクルのコンサートで、「明日に架ける橋」を初めてやったの、知ってる?
――あ、そのライブ、CD持ってます。
坂崎:拍手、そんなにないでしょ? 新曲だから。
高見沢:あのままのアレンジでやってるの?
坂崎:やってる。歌はすごくいいの。だけど拍手は普通で、“ウォー!”っていう感じじゃない。
――そうでしたね。
高見沢:圧倒されたんだろうね。
坂崎:サイモンとガーファンクルの、それまでの曲と全然違うもんね。
高見沢:ゴスペル調だしね。
坂崎:「あなたに贈る愛の歌」を初めて歌った時に、そういう雰囲気だなって一瞬思いましたよ。サイモンとガーファンクルの境地に、また一つ近づけたんじゃないかと。
――素晴らしいです。これからライブをご覧になる方はぜひお楽しみに。そしてカップリングの話もしたいんですけど、こっちはThe KanLeKeeZ名義の「エレキな恋人」。おなじみGSサウンドのゴキゲンな1曲です。
高見沢:ある意味The KanLeKeeZの集大成の曲としてとらえていただければ。今後出るかどうかわからないので。
坂崎:いつまで続くかわからない(笑)。
高見沢:今回は、メインの曲とは全然違うカップリングですね。
――ゴージャスなアレンジで、管も弦もコーラスもふんだんに。
坂崎:当時のGSのエキスをいただいて。サウンドは昔のまんまじゃないですけどね。GSをやるというと、エレキもドラムも全部を懐かしい音にするという手法もあるけどね。
高見沢:敢えてそうはしない。今の時代に生きてますから。エッセンスはGSで、サウンドは今で。
坂崎:なかなかうまくいったよな。
――絶妙な匙加減じゃないですか。
坂崎:あとは3人のスイッチボーカルですね。全員のボーカルを録って、Aメロ、Bメロって振り分けて。だから全員の歌があるんですよ。
桜井:ここは誰っていう決め打ちじゃなくて。だから出来上がった時に、俺どこ歌うんだっけ?って(笑)。
――桜井さんが歌うサビの♪君に~、のところ、最高ですよ。GSのキャッチーさが思い切り出ていて。
桜井:やっぱりね、GSのエッセンスを持ってますから、“こういうふうに歌えばいいんだな”ってわかるんですよ。別に意識して歌ってるわけじゃないんだけど、GSっぽく感じるでしょ?
坂崎:ザ・タイガースみたいな?
――♪君だけ~に~、ですね。
高見沢:GSのエッセンスとして、ドラムの16ビートっぽいところとか、歌詞の部分とか、そのへんは遊び心をいっぱい入れてますね。前にもお話ししましたけど、子供時代の最初のバンドへの憧れがGSだったからね。そこから僕はハードロックとかに行きましたけど、世代的に僕らはGSの洗礼を受けているわけです。ただTHE ALFEEではそこを前面に出すことはあんまりなかったんだけど、The KanLeKeeZで3人ミリタリールックを着るということでGS魂に火がつきましたね。気持ちも新たになるというか。とはいえ、中身はTHE ALFEEなんだけどね。……どっちだよ(笑)。
――一応別名義ですけどね(笑)。
高見沢:別ですけど一緒ですよ。同じでいいんです。
――今回はいろんな仕様がありまして。初回盤は4種類。
坂崎:ライブがおまけで入ってます。それぞれのリードボーカルを1曲ずつ。
――-さらに恒例の、今年の大阪国際女子マラソンのイメージソングも。
高見沢:今年で30年目ですか。
坂崎:その時生まれたランナーがいたら……。
高見沢:30歳か。それはすごいことだな。「星空のディスタンス」の年に生まれた奴は33歳か。
坂崎:うちらがデビューした年に生まれた子は43歳だよ。
高見沢:しょうがないよな。坂崎も63だしな。
坂崎:おまえもだよ!
――これからは毎年が何かしらの記念イヤーですよ。
坂崎:来年が結成45年なんですよ。45年というと、ちょっと重みがありますね。そう簡単にはできないですよ。
高見沢:できないね。辞めないでよかったよな~。
――ファンも一緒に、いい年の取り方をしていきますので。
坂崎:ありがたいことですね。ファンの方で思い出したけど、NHK-FMで番組をやっていて、あれを中学生とかがけっこう聴いてて、“初めてライブに行きます”とか言ってくれる。中学生がTHE ALFEEにはまるんですって。トークに(笑)。
高見沢:それから音楽を聴いてみたら、意外とはまったみたいな。
坂崎:いい入り口だよね。
高見沢:でもトークにはまるってすごいよな。大したこと言ってないけどね(笑)。
坂崎:あの番組によくそういうメールが来るんですよ。そういう子たちは、両親がTHE ALFEE世代ですからね。ベストテン世代というか、40代でしょ?
高見沢:親の聴いてた音楽を子供が聴いて盛り上がるなんて、いい時代だよね。俺たちの時はありえないからな。
坂崎::絶対ない。僕らが好きなものを、親は理解できなかっただろうね。ビートルズもダメだったから。何でもヘタクソとかうるさいの一言で済まされたから。もちろんグループサウンズも。
桜井:だいたい、髪が長いってだけでさ。
高見沢:今考えると、そんなに長くないけどね。
坂崎:ちょっと長いと、男だか女だかわかんねえって言われる。
桜井:耳にかかったぐらいで長髪って言われたんでしょ? 変な時代だよね。その前の、ちょんまげの奴らだって長かったのに。武士とか。
――それは前すぎます(笑)。ともかくTHE ALFEEは二世代、三世代で楽しめますので、みなさんぜひライブへ。
坂崎:ぜひぜひ。あっという間に、お孫さんの世代になってくるよね。ストーンズと一緒だ。
桜井:子育て世代の人は来られないじゃないですか。でも「子供の手が離れたからまた来ました」という人が毎年出てくるんで。復活組が。
坂崎:本当に多いですよ。今年もやりますけど、夏のイベントで復活して、ツアーにも戻りましたという話をよく聞きますね。「あの頃とまったく変わりませんでした」とかね。
桜井:同じようなことやってるからじゃない?
高見沢:いい意味で進歩がない(笑)。
――最後にちょっとゆるい話を。『春フェスタ』のライオンを使ったド派手なビジュアルって、どなたが考えたんですか?
高見沢:基本は僕が考えました。
坂崎:ツアートラックに描いてありますね。
桜井:田舎へ行くと、サーカスかと思われる(笑)。
高見沢:去年はだるまとか猫だったんで、それを超えるものはライオンしかないだろうと。百獣の王ですよ。で、色白なのが俺で、ヒゲをつけたら桜井で、メガネかけたら坂崎になる。わかりやすいじゃないですか。
――確かに。キャッチーです。
高見沢:ツアータイトルが『Best Hit Alfee 2017 春フェスタ』で、フェスタだから、サーカスのイメージはあったんですよ。サーカスといえば、象かライオンかなと思っていて、一応、象も作ったんですけど、象よりもライオンのほうがね、THE ALFEEっぽかった。象はメガネかけると、なんか変だったし(笑)。
桜井:どこにヒゲ生やすんだ?とか(笑)。
高見沢:ライオン正解だね。トラックは派手でインパクトありますよ。会場に来たらぜひ見てください。
取材・文=宮本英夫
シングル「あなたに贈る愛の歌」
2017年5月24日発売
【初回限定盤A】 TYCT-39051 ¥1,000+税
初回限定盤A
初回限定盤B
初回限定盤C
通常盤
⇒ http://www.universal-music.co.jp/the-alfee/news/2017/04/15/
◇商品購入ページ/ユニバーサル ミュージックストアURL
⇒ http://smarturl.it/alfee
「あなたに贈る愛の歌」発売記念応募キャンペーン決定!
■A賞:「GSエプロン」を抽選で100名様
■B賞:「トークカセットテープ」を抽選で300名様
■C賞:「3D CDジャケット」を抽選で500名様
【応募締切:2017年5月29日(月)当日消印有効】
※全て2枚1口の応募コースとなります。
※詳細は商品に封入されているチラシ、またはホームページをご覧ください。
http://www.universal-music.co.jp/the-alfee
※終了分は割愛
5/27(土)NHKホール
5/28(日)NHKホール
6/3(土) フェスティバルホール[大阪]
6/4(日) フェスティバルホール[大阪]
6/10(土)いわき芸術文化交流館アリオス
6/11(日)名取市文化会館
6/17(土)富山オーバード・ホール
6/18(日)新潟県民会館
6/21(水)神奈川県民ホール
6/24(土)ニトリ文化ホール[札幌]
6/25(日)七飯町文化センター
6/29(木)大宮ソニックシティ
7/1(土)名古屋国際会議場センチュリーホール
7/2(日)名古屋国際会議場センチュリーホール
THE ALFEE 31st Summer Best Hit Alfee 2017 夏フェスタ
7/29(土) 横浜アリーナ
7/30(日) 横浜アリーナ