市川海老蔵が強きをくじき、弱きを助ける盗賊に ABKAI 2017『石川五右衛門 外伝』稽古場レポート
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市川海老蔵 第四回自主公演 ABKAI 2017 『石川五右衛門 外伝』
東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンにて、2017年6月9日(金)から6月25日(日)まで、市川海老蔵の自主公演『ABKAI 2017』が行なわれる。2013年に始まったこのシリーズでは、「出来るだけ多くの方に楽しんで頂けるよう、大衆性を求めた題材を」と、昔話を題材にしたものや、 新作舞踊劇などを意欲的に創作してきた。
第4回目となる今回は、2009年に新橋演舞場で上演された後、御園座、新橋演舞場、博多座と上演を重ねている樹林伸の『石川五右衛門』が選ばれた。上演の度に進化してきた人気演目だが、今回は『石川五右衛門 外伝』と名付けられ、これまでのものとは少し違った展開になっている。
時は豊臣秀吉が天下統一を果たしてまもない頃。駿河湾沖で財宝を積んだポルトガルの船が、何者かに襲撃されるところから物語が始まる。果たしてこの襲撃は何を意味するのだろうか……。登場人物の様々な思惑が入り乱れ、展開していく。
稽古風景
石川五右衛門を演じるのは市川海老蔵。強きをくじき、弱きを助ける盗賊を、海老蔵ならではの持ち味を活かしつつ大胆に演じている。この外伝では、五右衛門の表向きの稼業は、一座を率いる座頭・白浪夜左衛門ということになっている。
劇中でも座頭を務める海老蔵だが、自身の自主公演『ABKAI』も出演だけでなく、全てのことに目を光らせ、「形式的に段取りで動くのではなく、動きの意味、なぜそういう気持ちになるのかを考えて」と稽古場で檄を飛ばす。もっともっと面白いものを創ろうと、日々熱い稽古を牽引している。
稽古風景
一座の三上の百助を山田純大、足柄金蔵を前野朋哉が演じ、二人のコミカルな掛け合いシーンが始まると稽古場に笑い声が溢れた。柳生十兵衛には、中山優馬がキャスティングされ、歌舞伎に初挑戦。
「このセリフの時はこちらを向いて」、「足の出し方はこういう風に」と、海老蔵から出されるオーダーに瞬時に対応していく姿はさすが。稽古着の浴衣姿もりりしい。五右衛門との立廻りや歌舞伎の見得にも挑戦するとのことなので、どのように魅せてくれるのか期待したい。
この他、一座の花形の小雀に中村壱太郎、くノ一お雪に大谷廣松、何者かに襲われる宣教師マリオに市川九團次、酒井忠次に片岡市蔵、柳生十兵衛の父・柳生宗矩に市川右團次が名を連ね、活躍を見せる。
「絶景かな絶景かな」の名シーンや、一座の舞踊シーンはとても華やか。さらに、シアターコクーンでも迫力のある“ねぶた”が登場する。
ねぶた (C)︎松竹(平成28年11月博多座公演にて)
歌舞伎以外の役者さんにもご協力いただき楽しい五右衛門になっておりますので私も本番が待ち遠しいです。
迫力あるねぶたも登場しますので、 ぜひ皆様のご来場をお待ちしております。
作:樹林 伸
脚本:松岡 亮
演出・振付:藤間勘十郎
出演:市川海老蔵 中村壱太郎 大谷廣松 市川九團次 片岡市蔵 市川右團次
中山優馬 前野朋哉 山田純大 他
公演日:2017年6月9日(金)~25日(日)全27回公演
会場:Bunkamuraシアターコクーン
※未就学児童入場不可
※三等席は特にご覧になりにくいお席です。 ご了承の上、 ご購入下さい。
※車イスエリアをご希望の方は、 事前にお問合せ先までご連絡下さい。
公式サイト http://www.zen-a.co.jp/abkai2017/