UNCHAIN「みんなとつながる事ができたら」リリースツアー初日のオフィシャルレポートが到着
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UNCHAIN 撮影=KOOL
UNCHAINが約1年振りとなる9枚目のオリジナル・アルバム『 from Zero to "F" 』を6月7日にリリースする。
21年目を迎え、新たなる可能性を求めて谷川正憲は再びロサンゼルスへ向かい、トップライナーたちとの共同作業という初の試みで色鮮やかなメロディーを次々と誕生させ、次のステップに相応しいフレッシュでどの曲も口ずさみたくなるアルバムが完成した。
そんな期待の新作を引っ提げてのリリースツアーがスタートを切ったが、初日の新代田FEVERはリリース前の特別編成という事で、アルバムに収録されている全12曲を順番通りに演奏するというまさにスペシャルなお披露目イベントの開催となり、会場では収録曲から「Dangerous」のMusicVideoがサプライズ解禁された。
ライブ開演予定時刻に客電が落ち、いつものように「Kids Return」のテーマが流れ、歓声と手拍子でメンバーを迎える。谷川が「リリース前にリリースツアー初日をやるのって、うちらぐらいちゃうかな? 本当に貴重な夜だと思います。楽しんでいって下さい」と語りかけると、吉田のカウントを合図にキャッチーなイントロが流れ、アルバム1曲目を飾る「Fresher」がスタート。
先行公開されているMusicVideoをチェックしてきたファンも多かったようで、ダンサブルなナンバーに会場が揺れる。続けて鬼束ちひろが作詞を担当した「甘い晩餐」。歌い出しから、聴くもの全てを歌の世界に引き寄せる言葉の力強さに圧倒される。
UNCHAIN 撮影=ヤマダマサヒロ
3曲目の「Back To Zero」はこの日最もオーディエンスを興奮させた曲となった。演奏中でも歓声が鳴り止まず、まるで定番曲のようにサビでは全員が手を高く突き上げるなど、自由に楽しみながらも、自然と一体感が生まれた。
今回MCでは曲の解説が加えられ、じっくりと1曲1曲味わいながらライブが進んでいき、曲が終わる度に隣の友人と目を合わせながら「これいいね」「かっこいい」と言葉を交わすファンの姿も多く、普段のライブとは一味違う光景が見られた。
6曲目の「Walkin' Dead」では「みんなもゾンビになったつもりで聴いて下さい」という谷川の言葉に反応して、サビでは覚えたての歌を歌いながら、みんな笑顔でゾンビのように両手を前に出して楽しんでいる。その自然発生的なリアクションにメンバーも驚きと笑いで応えた。
「今回はメンバー全員が歌詞を書いてます。次の曲はなんとオン・ドラムス吉田昇吾が作詞しました」という谷川のMCから8曲目「Flowered」がスタート。メロディーと日本語の一体感を意識しながら吉田が詞を書いた、今までありそうでなかったポップナンバーが披露された。
ギターの佐藤が作詞を担当した「What You Want」では大合唱のコール&レスポンスが起こり、谷が新しい相棒・ブラックスター(星型ベース)を歌詞にした「So Good, So Good」では演奏終了後に「ベース触ってみてよ」と会場中にベースを回していく無謀な行為に会場からは爆笑が起こった。
UNCHAIN 撮影=ヤマダマサヒロ
そしてアルバム最後を飾るのは「You & I」。谷川は「UNCHAINという音楽を通して、ほんの数パーセントでもみんなとつながる事ができたら、こんなに素敵な事はないんじゃないのかな」とMCをはさみ、親子や友人、恋人同士のつながりを優しく歌い上げた。
本編が終了しメンバーがステージを降りた瞬間、アンコールの手拍子の中、重低音のイントロが鳴り響き、会場の真横の壁には初公開となる「Dangerous」のMusicVideoが映し出された。妖艶でミステリアスな色彩空間の中で、4人が織り成す危険な世界が描かれている。
このMVに合わせて手拍子がはじまり、そのままアンコールに突入。「You Over You」、「make it glow」、「Get Ready」とUNCHAIN最強ナンバー3曲を演奏し、スペシャルイベントは幕を閉じた。
満面の笑みを浮かべながら会場を後にするオーディエンスの表情から、リリースを前にして自信作が完成したことを確信した。ツアーはこれから全国をまわり、7月9日、渋谷WWW-Xでファイナルを迎える。生まれたての新曲がどのように成長して戻ってくるのか楽しみだ。
レポート・文=福嶋剛 撮影=ヤマダマサヒロ、KOOL