絵と音と舞による舞台芸術『日本神話 by マークエステル』~映像×バレエ×音楽。振り付けは菅井円加や新国立劇場バレエ団のダンサーたち

2017.6.21
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「日本神話 by マークエステル」、菅井円加

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フランス人画家マークエステルが描いた日本神話の世界を映像化し、和太鼓やバリトン歌手の歌と共にその世界をバレエで表現する――。そんなユニークな公演『日本神話 by マークエステル』が8月20日(日)に東京、24日(木)に高松で上演される。

出演ダンサーは菅井円加(ハンブルクバレエ団)や新国立劇場バレエ団の米沢唯、小野絢子ら6人、さらにミュージカルやコンテンポラリーダンスで活躍する 辻本知彦、ダンサー菅原小春ら。音楽には和太鼓に小林太郎、バリトン歌手の村山岳(高松公演)が参加する。さらに振り付けはダンサーらの手による創作舞踊と聞いては、ファンならずとも期待が膨らむ公演だ。

天地創造(マークエステル)

■マークエステルの世界を映像×音楽×舞踊で。出雲の遷宮公演も

フランス人画家・マークエステルの絵を映像化し、音楽や舞踊と共に上演するコンサートは2011年高松、2012年松山、2013年「出雲大社平成の大遷宮奉祝奉納公演」として行われた。2013年公演にはダンサーの森山開次、小㞍健太らがパフォーマンスを披露したことでも話題となった。この時に菅井円加も参加し、創作舞踊を披露した。

その縁もあり、今年東京と高松でマークエステルの描いた日本神話の世界を上演することとなったという。

天の岩屋戸(マークエステル)

■日本に魅せられたフランス人画家。日本の神社に作品を奉納

公演のベースとなる「日本神話」を描いた画家マークエステルは、本名マーク・アントワーヌ・スキャルシャフィキ(1943~)。イタリアに起源を持つ800年以上続く由緒ある家系の出身だ。フランスの外務大臣秘書を務めていた1970年に大阪万博見物のため初来日し、その際清水寺の水墨画の淡いにじみに深く魅せられた。それがきっかけで外交官を辞し画家に転身した。自然の中に神を観る神道の世界観にふれ、「日本神話」をテーマに油彩画やブロンズ作品、屏風絵を制作し、1996年に伊勢神宮からの依頼で作品を奉納したのを機に、日本の神社169カ所に作品を奉納。さらに10年をかけて画集「日本神話 by MARCESTEL」を完成、出版した。

八俣の大蛇(マークエステル)

■振り付けは各パートのダンサー達。異色のコラボレーションに期待

この夏上演される「日本神話 by マークエステル」は「天地創造・黄泉の国」「天の岩屋戸」「八俣の大蛇退治」「大国主神」「天孫降臨」の5つのパートからなる。

「天の岩屋戸」は菅井がアメノウズメを演じ、和太鼓の小林太郎の共演。菅井の踊りと和太鼓の臓腑に響くリズムがどのようなコラボレーションとなるのか期待が高まる。

「天地創造・黄泉の国」では宝満がイザナギ、米沢がイザナミを、「大国主神」では大国主を福田(東京)・木下(高松)、その妻スセリヒメを小野(東京)・五月女(高松)が踊る。宝満、米沢、福田、木下は同バレエ団の創作ダンス公演「Dance to The Future」で数々の振付作品を発表しており、小野、五月女共々どのような「新作」を発表してくれるのか楽しみだ。また「八俣の大蛇退治」に登場する辻本(スサノオ)はコンテンポラリーダンスやミュージカルで活躍するほか、日本人男性として初めてシルク・ド・ソレイユに参加しており、ダンサー菅原(クシナダヒメ)ともども、バレエ組とは一味違った世界が見られそうだ。さらに「天孫降臨」はバリトン歌手の歌にのせて、出演者全員がともに踊る予定だという。

大国主神

様々なダンサーや音楽家による舞踊に映像化されたマークエステルの絵画が加わり、どのような神話の世界が生まれるのか。ぜひ期待したい。

天孫降臨(マークエステル)

(文章中敬称略)

公演情報
絵と音と舞による舞台芸術『日本神話 by マークエステル』
 
■日時・会場
・東京/2017年8月20日(日)14:00~ 明治神宮会館(東京都渋谷区)
・高松/2017年8月24日(木)18:30~ レクザムホール(香川県高松市)
■出演:
・バレエダンサー:宝満直也、米沢唯、菅井円加、辻本知彦、菅原小春、福田圭吾(東京公演)、小野絢子(東京公演)、木下嘉人(高松公演)、五月女遥(高松公演)
・和太鼓:小林太郎
・バリトン:村山岳(高松公演)※東京公演は未定
・影ナレーター/多田広輝
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