ONE OK ROCK『2015“35xxxv”JAPAN TOUR』追加公演・1日目をレポート

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ONE OK ROCK

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Sleeping with Sirens

Against The Currentがキャッチーな楽曲とタイトなサウンド、そしてクリッシー(Vo)のとびきりキュートで元気な、それでいて強靭なパフォーマンスで制圧した会場の興奮が冷めやらぬまま、「KICK ME」で幕を開けたSleeping with Sirensのステージ。

その重厚かつ尖りきった音作りに、場内の空気はすぐさま熱を上げていく。ケリン(Vo)による「Jump!!」の連呼への反応は上々で、初っ端から飛び跳ねるオーディエンスが多数。ゲスト出演とはいえ、しっかり音源を聴いてきているファンの多さが伺える。

ゲイブ(Dr)の超パワフルなドラミングからスタートした「DON'T SAY ANYTHING」から「GO GO GO」へと繋いでいく中で、彼らのアグレッシヴな演奏に乗せるケリンの歌声の多彩さに驚かされた。ハイトーン・ボイスが持ち味であることは当然分かっていたが、ウィスパー気味であったり、少年のようなイノセントな声色であったり、がなり立てるようなシャウトしたりと、本当に表現力豊かなヴォーカリゼイションだ。

Sleeping with Sirens   

Sleeping with Sirens   

激しくエモーショナルなナンバーを続けた後、ジャック(G)がアコースティックギターに持ち替えて披露した「GOLD」「THE STRAYS」では、シンガロング出来るようなキャチーさとメロディセンス、静と動のコントラストが生むドラマティックな一面など、バンドのエモーショナルな側面を見せてくれる。かと思えば、続く「FLY」ではアメリカン・ハードロック直系の迫力あるイントロから、サビの思いきりハイトーンなボーカルで鉱質なロックバンド的カタルシスをも味あわせてくれるなど、決して長い時間ではなかったこの日のセットリストにおいても「Sleeping with Sirensというバンドの魅力」の一端を多角的に示してみせた。

ラストは一際疾走感にあふれ、かつヘヴィでキャッチーという彼らを象徴するナンバー「IF YOU CAN'T HANG」で華々しく締めたSleeping with Sirens。きっと多くのオーディエンスにとって、彼らのサウンドの魅力を知ると同時に、まだまだ底を見せていないんじゃないか?という、未知のワクワク感を抱かせるパフォーマンスであった。

 

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「最高のパーティー・ナイトにしようぜ」

Taka(Vo)が話した通り、ONE OK ROCKの『2015“35xxxv”JAPAN TOUR』の追加公演となった幕張メッセのステージは、アルバム『35xxxv』を受けて行われたツアーであるだけにアルバムからの楽曲も当然多く披露されたが、キャリアを通した代表曲の数々も惜しみなく披露され、まさに「パーティー」と呼ぶに相応しい歓喜と興奮に満ちたものとなった。

とはいえ、その滑り出しは実に静かだ。優しく伸びやかな「Fight the night」が響き渡ると同時に、Takaのシルエットが、ついで3人のシルエットがステージに浮かび上がる。とても静謐で、それでいて破裂しそうな衝動を内に秘めたようなスタートだ。

曲の終わりに片手を高く掲げたTaka。歓声の後に訪れた一瞬の静寂を割いたのは「The Beginning」の歌いだしのメロディ。絶叫と言って良いほどの大歓声と、飛び跳ねるオーディエンスによる地鳴りの中、会場全体を見渡すようにゆっくりとステージを歩くTakaは風格さえ感じさせる。

Ryota(B)の繰り出すベースの音色に続いて会場のいたるところからCO2が噴射されるという、ド派手な演出とオーディエンスによる集団ヘドバンで沸いた「Deeper Deeper」、間奏の<オーオーオー>の大合唱に圧倒された「Clock Strikes」と人気曲がライブならではのアレンジと肉体性で次々と放たれ、当然熱狂する観客席。ステージ上の4人も時折満足気な笑みを浮かべながら、どの曲も「これがラストナンバー」と思えるほどの熱量で届けていく。

ここでMCによる小休止。「くっそ楽しい!」と興奮を表現したRyota、「幕張ー!!」と2度絶叫したTomoya(Dr)、「ツアー全部終わったのに、追加でやるの?」とニヤリと笑ったToru(G)、そして「僕達にとってすごく特別な今日という日を、もっともっと特別な日にするために皆さんの力が必要です! いいですか!?」と満員のフロアに呼びかけたTaka。力強く、同時にどこか優しさや「共にあるような感覚」を感じる4人の呼びかけに、全力で答えるオーディエンス。単なる盛り上がり以外に、温かさも感じる空間だ。

中盤戦は『35xxxv』からの楽曲が中心。「Cry out」では巨大なサークルがメッセのいたる所に出来上がり強烈な一体感と昂揚感を生み、「みんなの愛でぶっ壊されそう」と語ったTakaがアコースティック・ギターをつま弾きながら歌いだした「Heartache」では、なんとサビを丸々観客にパス。全員の大合唱は完璧で、Takaも「スーパー良いね!」と喜びを表現する。さらに「Paper Planes」では「僕の友達を紹介しても良いですか?」とSleeping with SirensのKellinが登場。大方は予想できていたとはいえ、目の前で展開されるハイトーン・ヴォイスの競演と、ハッピーな雰囲気の2人のボーカリストを前にすると、やはり興奮せざるを得ない。

この後控える北米ツアーについて語ったのちに「本邦初公開」として披露された「The Way Back-Japanese Ver.-」はキレのあるロックベースにデジタルな縦ノリとレゲエ風味なノリがハイブリッドされ、シンガロングできそうな要素まで取り入れられた一曲。北米ツアーにおいて、この曲を含んだONE OK ROCKの楽曲がどのように受け入れられるかが、より楽しみになった。続くインストナンバーの「3xxxv5」を経て「飛ばしていくよ!!」と叫んだTaka。そこからが圧巻だった。

何度となく炎が打ちあがった「Take me to the top」から「Suddenly」「完全感覚Dreamer」とハイテンポかつ即効性抜群のキラーチューンを連続投下し、会場の熱量を最大でキープ。そのまま最早アンセムと呼んでも良い「Mighty Long Fall」へ。曲中の「さぁ、いこうか!!」との叫びが、単なる盛り上げとしてだけでなく、どこか勇気をくれるように、背中を押してくれるように響いたのがとても印象的だった。そして曲がフェードアウトするとともに、退場していく4人。まさに怒涛の本編ラストであった。

アンコールの「アンサイズニア」ではTomoyaがビートを刻む中、ToruとRyotaが追って登場、Takaが自ら客席の中へ。10mほど進んだところで観客とハイタッチをしたり煽ったりと大いに盛り上げ、ラストナンバーは「Decision」。

演奏前にTakaの口からこんな言葉が出た。
「世界はそんなに広くないし、やろうと思えば何だってできる」
そして指を一本立て、高くかざしながら、
「俺らが、ナンバーワンです」

生半可な気持ちで口にできる言葉ではなかったはずだ。だが、今の彼らにはそれを口にするだけの自信と覚悟が備わっているのだろう。メンバー間はもちろん、スタッフ、ファン……多くの人に支えられていることを自覚し、感謝して、自分たちに向けられている期待や愛情も真正面から受け止めて、そう言い切ったのである。そんなONE OK ROCKの姿は、本当に格好良かったし、この日のライブを通して彼らが見せつけたロックバンドとしての強さ、優しさ、観る者に勇気を与えるようなパフォーマンスの数々、そして最後の言葉。それは僕らの憧れる「ロック・ヒーロー」の姿そのものだったように思う。

最高の「所信表明」をしてみせたTakaは、最後に、今度は指を2本立てて、少し照れたように笑いながら、こう言って去って行った。

「愛してるぞー!!」

やはりヒーローは強く、優しいのだ。


撮影=橋本塁[SOUND SHOOTER](ONE OK ROCK)、Yoshika Horita(Sleeping with Sirens)
文=風間大洋

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