カイワレハンマー、「生きた証」を残すためロングツアーの始まりで見せたもの Zepp DiverCity公演をレポート

2017.7.4
レポート
音楽

カイワレハンマー  撮影=大橋祐希

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カイワレハンマー TOUR2017-2018~配達ガワリノ挨拶マワリ~
2017.6.3(SUT) Zepp DiverCity

ステップアップを図った1年の休止期間を経て、今年4月5日から活動を再開させたBEMAとimigaによるヒップホップユニット、カイワレハンマー。5月17日に発表した復帰作『BegInner2』が、オリコンデイリーチャートで1位を獲得するという快挙(YouTuberがリリースしたCDが1位になったのは初の出来事とのこと)を成し遂げた彼らが、待望のワンマンツアー『TOUR2017-2018~配達ガワリノ挨拶マワリ~』をスタートさせた。当初はZepp Namba、そして今回レポートをしているZepp DiveCity公演のみが発表されていたが、そこから続々とスケジュールをアナウンス。結果、来年2月まで続く超ロングツアーであることが判明し、ファンを喜ばせた。

カイワレハンマー  撮影=大橋祐希

ステージにはDJ OMAが一足先に登場。緑色のサイリウムが埋め尽くしているフロアをエアー・ホーンで盛り上げ、『BegInner2』のオープニングトラックでもある「第四ノ刺客」をスタートさせる。展開が次々に移り変わっていくアッパーな楽曲の後半で、imigaがラップしながらステージ上手側から、BEMAが下手側から姿を現すと、フロアからは凄まじい歓声があがった。そして「調子どうなんだ! 手をあげろ!」とBEMAが煽り、そのまま「メデューサ」へ。ステージを所狭しと動き回りながらラップする2人は、序盤からかなりハイテンション。手を左右に振る動きに合わせて、左から右、右から左へとCO2も立ち上がり、場内の熱気は早々と最高潮に! その熱狂をさらに更新させるように突入した「最高path」では、「いい感じ!」「奥まで見えてんぞ!」と、2人はタオルを振り回しながら、楽しそうに客席を見渡している。

カイワレハンマー・BEMA  撮影=大橋祐希

カイワレハンマー・imiga  撮影=大橋祐希

カイワレハンマー  撮影=大橋祐希

前半戦は2MC+1DJという従来のスタイルでのパフォーマンスだったが、以前、本サイトのインタビューで話してくれていた通り、「Top&Go-突破口-」からは生バンドによる演奏をバックにライブが進行していった。ダイナミックなバンドサウンドに「マジでやばい!」「楽しすぎる!」と大興奮の2人だったが、テンションがあがりまくったBEMAがステージからフロアに降りるというアクションに、フロアも大いに沸いた一幕もあった。

そして、imigaがバンドメンバーとDJ OMAを紹介し、BEMAが「ラップ、バンド、DJ。もう一回いっとこうか。ラップ、バンド、DJ……」と繰り返していると、次の曲を察したオーディエンス達から歓声があがる中、「三角係」へ。さらには「一方通行」と、甘酸っぱいミディアムナンバーで会場を魅了する。天井から吊り下げられた球体型のLEDライトが「三角係」では三角形に、「一方通行」では道路標識のそれのように横一列に並び、最後にはハート型になるという演出も、なんともロマンティックだった。

カイワレハンマー・imiga  撮影=大橋祐希

カイワレハンマー・BEMA  撮影=大橋祐希

また、ライブ中盤では、ゲストとしてヒューマン・ビートボクサーのDaichiが登場。アコギとビートボックスの状態から、徐々にバンドの各パートが加わっていくというスペシャルアレンジで「ちょっと一息」を披露した。さらに、DaichiのEDM風なアプローチのボイスパーカッションからなだれ込んだ「えんじょいひっぷほっぷ」では、グルーヴィなラップとバンドサウンドを、スクラッチやトランペットなど、さまざまな音色で彩り、実にエキサイティングな演奏を繰り広げていた。

カイワレハンマー  撮影=大橋祐希

Daichiが別れを惜しむようにステージを後にすると、触発されたBEMAとimigaがビートボックスを披露。しかし「まあこんなもんにしとこうか(笑)」と早々と切り上げ、「俺たちがマイク持ってるのは、ビートボックスするためじゃないから」とBEMA。そして「俺たちが何のためにマイク持ってるか知ってる? なんで俺たちがカイワレハンマーっていうか知ってる? なんで俺たちがハンマー持ってるか知ってるか!? 全部ぶっ壊すためだよ」という煽りから突入していった後半戦は、「CRUSH」や「Back Pack」ではパワフルに、imigaが抱えている悔しさを赤裸々に語った「slow」ではエモーショナルに、8ビット音がフィーチャーされた「げえむのすたるじっく」ではポップにと、次から次へと曲を畳み掛けていく。そして、コール&レスポンスを巻き起こした「Sprout」では最後に金テープが発射され、実にポジティブな空気で本編を締めくくった。

カイワレハンマー・BEMA  撮影=大橋祐希

カイワレハンマー・imiga  撮影=大橋祐希

カイワレハンマー  撮影=大橋祐希

休止期間中のことを綴った「Come Back」を披露したアンコールまで全20曲。「少しは成長したことが実感できてよかった」とMCで話していた2人だが、パフォーマンスはもちろんのこと、次の曲への導入を綺麗に促していたMCも巧みで、オーディエンスを一瞬も飽きさせることない約120分のステージになっていた。また、ステージ転換中には、2人が『BegInner2』収録曲の歌詞を解説していく映像を流すという演出もあった。東京のネオン街をイメージしたという「ネオン」では、BEMAが書いたシリアスでダウナーなリリックに「超メンタルにくる」とimigaが苦笑したり、官能的な言葉が並ぶ「suite room」は、実は音楽というコンセプトを置いて作っていたなど、改めて歌詞を見ながら曲を聴き直したくなるようなエピソードは、以前からの彼らのファンはもちろん、最近彼らの音楽を知ったオーディエンスを、カイワレハンマーの音楽により深く潜り込ませていくキッカケにもなっただろう。

カイワレハンマー  撮影=大橋祐希

今回のツアーはここから地方公演がスタート。ツアーファイナルは、2月18日に豊洲PITにて開催される。「ツアーファイナルのステージに立ったとき、たぶん、いや絶対、俺たちの生きた証ができると思います」と、「最高path」になだれ込む前のMCで話していた彼らだが、この日を上回る最高のパフォーマンスと熱狂を巻き起こしてくれるにちがいない。


取材・文=山口哲生 撮影=大橋祐希

カイワレハンマー  撮影=大橋祐希

 
セットリスト
カイワレハンマー TOUR2017-2018~配達ガワリノ挨拶マワリ~
2017.6.3(SUT) Zepp DiverCity
1. 第四ノ刺客
2. メデューサ
3. 最高path
4. JOKER
5. TOP&GO-突破口-
6. ラッシュアワー
7. 三角係
8. 一方通行
9. カイジンドウ
10. suite room
11. ネオン
12. ちょっとひといき(with Daichi)
13. えんじょいひっぷほっぷ(with daichi)
14. CRUSH
15. Back Pack
16. slow
17. げえむのすたるじっく
18. BREAK DOWN
19. Sprout
[ENCORE]
20. Come Back

 

ツアー情報
カイワレハンマー TOUR2017-2018~配達ガワリノ挨拶マワリ~
※終了したものは割愛
7月8日(土)米子AZTIC laughs
7月9日(日)岡山YEBIS YA PRO
7月22日(土)和歌山SHELTER
7月23日(日)神戸 太陽と虎
7月29日(土)盛岡クラブチェンジWAVE
7月30日(日)青森クオーター
8月5日(土)甲府Conviction
8月6日(日)松本Sound Hall a.C
8月11日(金・祝)横浜F.A.D
8月27日(日)水戸LIGHT HOUSE
9月 3日(日)高崎club FLEEZ

 
10月1日(日)札幌Sound lab mole
10月14日(土)京都FanJ
11月11日(土)仙台darwin
11月18日(土)岐阜Club G
12月3日(日)岡山CRAZY MAMA KINGDOM
12月17日(日)福岡 BEATSTATION

 
2018年
1月19日(金)名古屋 DIAMOND HALL
2月12日(祝)大阪Zepp Namba
2月18日(日)東京TOYOSU PIT ★ツアーファイナル

各種先行 10月下旬予定
一般発売 12月初旬予定
※2月12日の公演は2F指定席の販売がございます。

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