歌う咲人とギタリスト咲人、1回で2度おいしいパフォーマンスで魅せたJAKIGAN MEISTER 1stライブ

2017.7.5
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音楽

JAKIGAN MEISTER(咲人)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

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JAKIGAN MEISTER FIRST LIVE[ejaculation] 
2017.6.29(THU)Zepp DiverCity Tokyo

2017年6月29日(木)、東京・Zepp DiverCity。JAKIGAN MEISTER(読み:ジャキガンマイスター)の『FIRST LIVE[ejaculation] 』が行なわれた。JAKIGAN MEISTERとは、現在活動休止中のNIGHTMAREの下手(しもて)ギタリスト・咲人が自身の“第2の音楽人生”としてスタートさせたソロプロジェクトだ。先日ドロップした1stアルバム『Ejaculation』では作詞・作曲のみならずアレンジまで自ら行ない、プレイヤーとして冒険心満載の咲人らしく、このプロジェクトで人生初のギター&ボーカルにもトライした。「咲人の歌ってどうなの?」、「歌うんだから、NIGHTMAREのように華麗にギターを弾く咲人は観られないんでしょ?」と思っている方々へ。結論からいってしまおう。JAKIGAN MEISTERのライブでは、歌う咲人とギタリスト・咲人、「1回で2度おいしい」パフォーマンスが楽しめる。今回のステージほど、ギター&ボーカルというポジションに立った人間が、ギタリスト並みにギターを弾きまくりながら歌うステージは観たことがなかった。

JAKIGAN MEISTER(咲人)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

アルバム1曲目のインスト「Enter the JAKIGAN」をSEに、サポートメンバーのNi~ya(B/NIGHTMARE)、吉田トオル(Key)、HIRO(Dr/Rice)に続いてギターを持った咲人(G&Vo)が姿を見せると、そのまま舞台中央へ。SEがバンドサウンドへとスライドしていく。オープニングからアラビア音階に包まれながら咲人がギターを弾きまくると、ステージ後方には万華鏡のような映像が現われる。シタールのような音が重なる「Don’t Suck It Up」で“その気になれば何処へだって行ける”と咲人が歌い出し、摩訶不思議な世界へと観客を誘う。打ち込みのビートに合わせてフロアからハンドクラップが起こり、エレクトロなダンスビートに乗せて始まった「わるぁふぁ」で場内を軽くひと揺らししたあとはJAKIGAN MEISTERとして初の挨拶へ。

「どうも、JAKIGAN MEISTERの咲人です」。声が細かく震えているのが伝わってくる。「初めての人も、僕も、ちゃんとしたライブはこれがスタート地点。だから、みんなで今日、新しい何かを残せたら……」というと、横からNi~yaが「伝説! 伝説作ろっ!!」と気合いが漲った声で主役の代わりに宣言(笑)。「そうなればいいなぁ」と照れながら答える咲人にフロアからは「カワイイ!」という声が上がる。「今日、誕生日なんですけど、来てくれたみんなが“楽しかった!”と思ってくれることが一番のプレゼントです。どうぞ楽しんでいって下さい」と伝え、次に始まった「嗜好品」からは咲人がソロで大胆に解き放ったセクシーな一面を、歌でくっきりと浮かび上がらせていった。この曲で(たぶん)人生初のコール&レスポンスを入れた咲人は、この後のサポートメンバーいじりも、関西出身の吉田トオルには吉本新喜劇の“乳首ドリル”ネタを振ったり、Ni~yaを「3本の竿を持つ男」と紹介、「Ni~yaはどの竿が好きなの?」とどこまでもエロティックに盛り上げ、「なりたかったくなかった」では“ハァッ”と超セクシーな吐息を歌の合間に入れ、その匂い立つ色気でオーディエンスをたっぷりと愛撫。「ヰタ・セクスアリス」の中毒性の高いキャッチーな開けたサビでその興奮をマックスへと導いた後、咲人は勢いよくお立ち台に飛び乗り、妖艶なパフォーマンスでギターソロを弾き、観客全員を見事に昇天させていった。

Ni~ya(B/NIGHTMARE)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

吉田トオル(Key)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

HIRO(Dr/Rice)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

深いブルーのライティングに包まれ、厳かでサイレントな空間のなかを浮遊するピアノのフレーズ。そんな蒼い闇に滑り込むように始まったのは、アルバム中盤のインスト「a Relic」。シンセドラムから通常のドラムに切り替わったところで、咲人のぶっ飛んだトリッキーなギターがエモーショナルに大爆発。身体じゅう、浴びるように咲人のギターを味わったオーディエンスは、続いて「Mercy Killing」が始まると、今度はユーロビートに身体をあずけて楽しそうに揺れだす。咲人もエフェクトをかけた声でそれに応え、ここではフロアをどんどんディスコ化していった。

この辺りで咲人もやっと緊張がほぐれてきたのか、「俺がしゃべると教育テレビのお兄さんみたいだね(苦笑)。JAKIGAN(邪気眼)とかいっときながら」と、観客の笑いを誘うようなトークも自然と飛び出すようになった。そして「お前ら、暴れ足りないだろ? ノリ方とか関係ないから暴れてくれー!」と叫び、「名状し難いほど有り余る邪気」からハードチューンを連投。この曲でオーディエンスのなかに眠っていた邪気を呼び覚ますと、フロアはたちまちヘドバンの海に。

JAKIGAN MEISTER(咲人)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

ここまで見ても、歌う咲人には不思議なほど違和感はない。なにもかもがとても自然だ。その裏にはきっと本人の途方もない努力の跡が隠されているに違いない。しかし、それとともに、ソロパート以外でも簡単なコードのカッティングに留まることなく、NIGHTMARE時代以上の変態チックなリフはもちろん、分散コードのアルペジオ、フレーズ弾きなど、ボーカリストになっても“ギタリスト”であることをひと時も忘れさせないパフォーマンスでひたすら熱演を続ける咲人の姿が斬新かつ、鮮烈だった。そんな自分を「Whatever I May Be」では“忘れないで/僕はずっとここにいる”と伝え、続く「ワールズエンド」で“英雄にはなれなくても隣りに居させて欲しい”という素直な想いを自らの歌を通して観客に届けていった。そうして本編の最後はルーパーを使ってギターフレーズを繰り返し“また逢えるよね/その日まで”と「薩婆訶~そわか~」をアコギの弾き語りでパフォーマンス。こうして、アルバム全曲をアクトして本編は幕を閉じた。

JAKIGAN MEISTER(咲人)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

アンコールは予想外のサプライズだらけ。「もう曲がないからちょっとだけNIGHTMAREの曲、やってもいいですか?」と咲人が叫び、曲が始まると思ったら、吉田トオルの鍵盤に合わせてNi~yaが突然バースデーソングを熱唱、その歌をBGMにしてステージ袖から柩(NIGHTMAREGREMLINS)がいちごのショートケーキを持って姿を現わした! これには咲人もファンも驚愕。柩に促され咲人がロウソクの火を吹き消した後、Ni~yaがスプーンでいちごをすくって咲人と柩の口に運ぶと観客は狂喜。「偶然通りかかっただけだから」と話す柩はノーメイクにグラサン、普段着というナチュラルな出で立ち。咲人が「せっかくだから演奏していく?」と提案するも、「ギターがない」と答える柩にすぐさま自分のベースを差し出すNi~ya。たまたまこの日揃ったNIGHTMAREのメンバー3人の、そんなほっこりするようなやりとりを見られてファンは胸がいっぱいだったに違いない。そうして、楽器ではなく“シャウト”をやるといいだした柩からの予想外のバースデープレゼントに「願ってもないシャウト要員来ました!! 」と観客以上に喜びをあらわにした咲人が、愛おしく見えた。そして「棒立ちでやるけどいい?」といって、次の「KENKA DRIVE」ではシャウトのパートがやってくるたびに舞台袖からNi~yaのマイクのところまで出てきて得意のデスボシャウトを入れ、曲を盛り上げて柩は舞台を後にした。

「お前らもっと暴れたいんだろー?」と興奮気味に咲人が叫び、その勢いのまま「極上脳振煉獄・弌式」、「惰性ブギー」をプレイしてアンコールは終了。しかし、それではこの熱狂はおさまらない。予定外のダブルアンコールに応え、ステージに引っ張り出された咲人。「もう演る曲がない」と観客に訴えると、アルバムに“間違って収録された”という「Korokke Soba」をオーダーする声が場内のあちこちから上がる。「マジで!? あれ聴きたいの!?」と苦笑いしながらも、「今日だけだから」と念を押してこの曲をプレゼント。「でも、これだとしまんないからもう1曲やらせて下さい。この曲が自分の未来、行く先を示してくれてる気がします」といって、再び「ワールズエンド」をパフォーマンス。最後に、感動的な景色を作ってアンコールを締めくくった。

「最高の誕生日でした。1カ月後からツアーも始まります。そこでも頑張ってきたいと思います。今日はどうもありがとう」

このサポートメンバーを従えて、7月28日(金)北海道・札幌cube gardenで幕を開けるJAKIGANMEISTER初の全国ツアー『 [Ejaculation:Sequence] 』。このツアーを通して、咲人は自らのギター&ボーカルのスタイルのさらなる限界を目指す。


取材・文=東條祥恵 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)

JAKIGAN MEISTER(咲人)2017.6.29 Zepp DiverCity Tokyo 撮影=SHIN ISHIKAWA(Sketch)



>>【インタビュー】JAKIGAN MEISTER始動、咲人がソロワークで開いた新たな扉
 
セットリスト
JAKIGAN MEISTER FIRST LIVE[ejaculation] 
2017.6.29(THU)Zepp DiverCity Tokyo

01. Enter the JAKIGAN
02. Don't Suck It Up
03. わるぁふぁ
04. 嗜好品
05. なりたかったくなかった
06. ヰタ・セクスアリス
07. a Relic
08. Mercy Killing
09. 名状し難いほど有り余る邪気
10. Whatever I May Be
11. ワールズエンド
12. 薩婆訶~そわか~
<ENCORE>
13. KENKA DRIVE
14. 極上脳振煉獄・弌式
15. 惰性ブギー
<ENCORE 2>
16. Korokke Soba
17. ワールズエンド

 

 
咲人×SPICE特別企画
ドラえもんをお箸でつまんで積み上げる、という地味だけど難しいゲームに咲人が挑戦!
6月29日(木)Zepp DiverCity Tokyoで開催される『JAKIGAN MEISTER FIRST LIVE』、そして7月28日(金)札幌・cube gardenからスタートする『JAKIGAN MEISTER TOUR [Ejaculation: Sequence]』のをe+でご購入いただいた皆様に、JAKIGAN MEISTERのスペシャル動画をご覧いただけるパスワードをお送りします。一足お先にそのダイジェストを公開! ギタリスト咲人は手先も器用なのか!? 

※スペシャル動画のフルサイズ視聴パスワードは、『JAKIGAN MEISTER TOUR [Ejaculation: Sequence]』全公演終了後に、メールでお知らせします。
 

 

ライブ情報
JAKIGAN MEISTER TOUR [Ejaculation: Sequence]
2017年7月28日(金)札幌・cube garden
2017年7月30日(日)仙台・darwin
2017年8月6日(日)柏・PALOOZA
2017年8月9日(水)福岡・DRUM-Be1
2017年8月10日(木)広島・セカンド・クラッチ
2017年8月13日(日)HEAVEN'S ROCK 宇都宮VJ-2
2017年8月17日(木)大阪・BIG CAT
2017年8月18日(金)名古屋・ElectricLadyLand
2017年8月20日(日)高崎・FLEEZ
2017年8月29日(火)東京・新宿ReNY

【Support Member】
Ba. Ni~ya(NIGHTMARE)
Key. Tooru Yoshida
Dr. HIRO(Rice)

料金>
前売り:スタンディング¥6,000(消費税込み) ドリンク代別途
当日:スタンディング¥7,000(消費税込み) ドリンク代別途
一般発売日 2017年7月1日(土)

 

リリース情報
JAKIGAN MEISTER 1st ALBUM『Ejaculation』
2017年6月14日(水)発売
【A:type】CD+DVD:TRCL-0146 ¥3,500(本体価格)+税
[CD]全12曲
[DVD] 「ワールズエンド」Music Clip

JAKIGAN MEISTER 1st ALBUM『Ejaculation』【A:type】

【B:type】CD:TRCL-0147 ¥3,200(本体価格)+税
[CD]全12曲

JAKIGAN MEISTER 1st ALBUM『Ejaculation』【B:type】


<CD収録曲>
01. Enter the JAKIGAN    
02. Don't Suck It Up    
03. ワールズエンド
04. ヰタ・セクスアリス    
05. 嗜好品    
06. なりたかったくなかった    
07. a Relic    
08. Mercy Killing    
09. 名状し難いほど有り余る邪気    
10. わるぁふぁ    
11. Whatever I May Be    
12. 薩婆訶-そわか-    

 

 
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