DEZERT『千秋を救うツアー2』開幕! 初のホール単独ライブを控えたバンドがツアー初日に見せたもの

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2017.8.22
DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

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DEZERT 『千秋を救うツアー2』
2017.8.19(SAT)恵比寿LIQUIDROOM

『千秋を救うツアー2』の初日となるライブが8月19日に恵比寿LIQUIDROOMで開催された。

今年の夏は“梅雨かい?“とツッコミを入れたくなるほどの雨続きだが、この日も会場に着いた時は傘が役に立たないぐらいの豪雨。半端な雨じゃないところが何だかDEZERTのライブらしい。

いつものようにビートルズの「イエスタデイ」がエンドレスで流れる中、ライブは赤い照明の中、メンバーの姿がシルエットで浮かび上がった「おはよう」で幕を開けた。風圧すら感じられるほどの爆音。しかし、千秋のボーカルはしっかりと届いてくる。

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

続いて10月25日にリリースされるニューシングル「撲殺ヒーロー」から、リード曲「幸福のメロディー」が投下されるとツアー前にミュージックビデオが公開されているせいか、場内は早くもヘドバンの海。マイクスタンドを蹴り倒した千秋がMiyakoのマイクを奪い取って歌い、「生きてるか!? 東京!」と叫び、「MONSTER」へとなだれこむが、ここでSacchanにベーストラブルが発生。“早く俺にベースをよこせ”とばかりにアンプの前で動き回るが、千秋、Miyako、SORAの3人は全く動じていない。これもDEZERT史上最長のツアー『千秋を救うツアー』で養ったライブ力か? ドラムとギターだけになった箇所があったにも関わらず、その強い音に揺るぎはなかった。

爆音なのに1人、1人の音が際立つ心地いいサウンド、エグさと美しさが同居するメロディ、DEZERTのライブにはハマったら抜け出せない中毒性と次に何が起こるか読めないドキドキ感がある。「宗教」では千秋が大道芸人の如くマイクスタンドを逆さに掲げて歌い、「擬死」ではMiyakoのゴシックなギターのフレーズにSacchanのスライドするベースが絡み、SORAが入魂のドラムを叩き、千秋のボーカルは苦悩を吐き出すかのよう。

そして暗いステージの中、千秋がいったんステージからはけ、空調の音までが響くような沈黙がしばし流れた。代わりにメンバーの誰かがMCをするわけでもないので、場内に緊張感が流れ、“よ、読めない!”と思っていたところに千秋が登場。Miyakoのギターを奪い取ってかき鳴らしたかと思うとギターを置き、フロアもようやく騒ぎ始めた。

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

ザワつかせた後に演奏されたのは切ないメロディも歌詞もギターのフレーズも刺さってくる名曲「追落」であった。徹底して美しく儚いこの曲に続いてSacchanの不穏なベースで始まったのはアバンギャルドでアクが強いにも関わらず癒しも内包している「問題作」。ひきずりこまれる。

その感傷を一変させたのは「遺書。」だった。拳をあげ、盛り上がるも千秋は「いいよ、もう、手を下げろ! 一体感がないんだよ。君たち! 隣の人を見ろ! 少しオシャレな人、カッコつけた刺青、少し大きい人、少し小さい人、こんな世界だからあえて言おう! 拳をあげろよ!」と煽り、暴れ倒すモードにフロアは突入。が、まだまだ満足できないのかメンバーにも半ば強制的にマイクを向け、「リキッド! 静かじゃないか!」と歌うフロアーに「ハモれ!」とハードルの高い注文も飛び出す。完全にスイッチの入った千秋を誰も止めることはできない。ヘヴィチューン「ゴシック」ではHiコールの中、「後ろの人間、ここまで来いよ! 柵乗り超えて来い!」と煽り、ベースを奪い取って弾き、楽器を取り上げられ下手でシャウトするSacchanが見ていないのをいいことに(?)ペットボトルの水を撒き散らし、残った水をベースにぶっかけ、ザワつく客に「俺のじゃないから」とニヤリ。この破壊的行動が観客の本能をひきずり出していき、徐々に前へと押し寄せるオーディエンス。

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

「言いたいことわかる? 今、1人が前に来たらザッと来たの。そんなんじゃ僕は救えない!」と煽り倒し、フロアが左右に綺麗に分かれた「包丁の正しい使い方~終息編~」では何と千秋は有言実行。ステージから降り、「いい感じで汗くさいじゃないか」とフロアの柵をひっこ抜いて持ち上げ、PA卓のそばまで持っていってしまったのだ。後方のフェンスの上にのぼって再び歌い始め、興奮マックスになった場内は狂乱の坩堝と化した。

ステージに戻って、頭から水をかぶった後は、おなじみのナンバーがたて続けに投下され、みんなの歌う声が響きわたった。ラストナンバーは千秋が再度フロアに降りて煽った「変態」の大合唱。メンバーがステージを去るやいなや拍手とアンコールの声が沸き起こった。

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

DEZERT 2017.8.19 撮影=西槇太一

熱狂的な声に応えてのアンコールでは、この日の模様がニコ生で中継されていることに触れながら、DEZERTとして久々のライブであることや、アンコールの声がすごく嬉しいと素直な心情を伝え、2曲のつもりが「もう1曲やろうかな」と結果、3曲を披露し、ステージを去った。

全国10箇所を廻る『千秋を救うツアー2』は10月8日の中野サンプラザ公演でファイナルを迎える(この日には初日にも演奏された曲「おやすみ」が無料配布されることになっているとのこと)。みんなが衝動や本音を押し殺すことに慣れてしまった時代にDEZERTのようなライブをやるのは容易なことではないが、彼らには閉じていたものをこじ開ける破天荒なエネルギーがある。サンプラもとんでもないことになる予感がする。


取材・文=山本弘子 撮影=西槇太一

 
ライブ情報
DEZERT LIVE TOUR  ”千秋を救うツアー 2” 
8/19(土) 恵比寿 LIQUIDROOM ※SOLDOUT
8/26(土) 長野 CLUB JUNK BOX ※残り僅か
8/27(日) 金沢 EIGHT HALL
8/29(土) 高松 オリーブホール
9/2(土) 福岡 DRUM LOGOS
9/3(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
9/9(土) 札幌 ペニーレーン24
9/16(土) 仙台 Darwin ※残り僅か
9/30(土) 大阪 なんばHatch
10/1(日) 名古屋ダイアモンドホール
10/8(日) 東京 中野サンプラザ
【料金】
前売り:¥4,000 ※税込み、D代別
(中野サンプラザ公演は全席指定、他公演はオールスタンディング)
中野サンプラザ公演以外のは絶賛発売中。
プレイガイド情報はDEZERTオフィシャルホームページをご参照ください。
一般発売
中野サンプラザ公演
8月19日(土曜日)より各プレイガイドにて発売開始
 

 

リリース情報
シングル「撲殺ヒーロー」
2017年10月25日(水)発売
※収録曲のタイトルに変更がありました。
【初回限定盤】 SFG-006 ¥1,500+税
<CD収録内容>
1. 幸福のメロディー 2.ヘドロママ 3.「Hello」 4.「遭難」-piano ver-
【通常盤】SFG-007 ¥1,200+税
<CD収録内容>
1.幸福のメロディー 2.ヘドロママ 3.「Hello」
「撲殺ヒーロー」

予約者対象インストアイベント、アウトストアイベント
※参加方法、予約方法はHP内スケジュール欄をご確認ください。
http://www.dezert.jp/schedule/
■9/01(金)タワーレコードアミュプラザ博多店 時間 18:00~   トーク&サイン会
■9/10(日)タワーレコード札幌ピヴォ店 時間 13:00~ トーク&サイン会
■9/17(日)タワーレコード仙台パルコ店 時間 ~13:00 トーク&サイン会
■9/23(土)大阪ZEAL LINK(会場:BIG STEP大階段)
1部:毎年恒例!夏の終わりにみんなで楽しいビンゴ大会(大階段) 時間 15:00~
2部:サイン会(店内) 時間 17:00~
■9/24(日)名古屋ZEAL LINK(会場:RAD SEVEN) 1部:アコースティックライブ 時間 16:00~
2部:サイン会 時間 18:30~
※ご予約・発券方法は各店舗異なる場合がありますので
ご不明な点はご購入予定の店舗にお問い合わせください。
※9/24(日)名古屋地区はアウトストアイベントになります。
発券店舗は名古屋ZEAL LINKになります。 会場(RAD SEVEN)へのお問い合わせはご遠慮ください。
入場の際はドリンク代が掛かりますので予め御了承下さい。
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