モノブライト・桃野陽介 meets Spotify Vol.4「モモーノ・マーズ〜初めてのブルーノ・マーズ〜」
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無類の音楽好きであるモノブライト・桃野陽介が、「音楽ストリーミングサービス 『Spotify』で遊び倒すとこうなる!」を実践していく連載企画『モノブライト・桃野陽介 meets Spotify』。第4回目のテーマは「モモーノ・マーズ〜初めてのブルーノ・マーズ〜」です。
今年の夏、コラムでは妄想でフジロックもサマソニも行っている僕ですが、実際のところ夏らしいことは何もせず終わってしまった今年の夏。春や秋や冬は何もしなくても何も思わないが、夏の時だけ何もせず終わったなと思うという事は、毎年夏に何かを期待しているんだろうね。なんだかんだ夏って偉大だ。
話は変わって、ブルーノ・マーズのワールドツアー来日公演が発表されましたね。なので今回はずばりブルーノ・マーズ特集。ただひとつ言える事は、僕がブルーノ・マーズを知ったのはマーク・ロンソンのアルバム『Uptown Funk』でやっと知ったレベルだということ。今年、情報番組の『スッキリ!!』で歌ってる姿を初めてみたということ。つまり、ドが付くブルーノ初心者なんです、僕。そもそもヒップホップ要素があるミュージシャンは、いつも辿り着くまでに時間がかかるんだよね。自分の持ってない要素で、「イケてる人間」というイメージがあって。「そんな共感も出来ないだろう」と勝手に判断していて。でも、そういう人ってたくさんいると思うんだよね。で、聴いたらカッコいいからこっそり聴いてハマってる感じ。
という事で、ブルーノ・マーズを何も知らない僕だから紹介出来る、ブルーノ初心者の入門セットリストを作成しました。楽曲の情報も一切調べず、3枚のオリジナルアルバムの中で、最新アルバム中心に好きな20曲を厳選、お届けします。
Bruno Mars
1.24K Magic
90年代の匂いがする、超代表曲。
ブルーノ・マーズの音楽で面白く感じるところのひとつは、90年代の匂いがプンプンしてる所で、そこに僕はハマる。子供の時にM.C.ハマーが流行っていて、子供ながらに踊りも面白くてカッコいいと思っていた部分の感情が揺さぶられる。そんな気持ちをこの曲に感じます。この曲はもはや超代表曲でしょうが、1番好きです。ライブでコレ絶対聴きたい。
2.Locked Out of Heaven
「レニクラがジョン・レノン好き」みたいな意外性
「24K Magic」から知った身分としては、ファンクベースのヒップホップの人というイメージを持っていたので、こういうバンドサウンドも意外に感じてしまう。この曲なんかはUKロックの匂いを感じるし、コールドプレイ好きな人でも楽しめちゃいそうな壮大さがある。その雑食さ加減も、好感を持ってしまう。僕の知識でいう所の「レニクラがジョン・レノン好き」みたいな意外性。
3.Perm
ブルーノ・マーズのすごさを1番感じる曲
この曲大好き。がっつりファンキーなナンバーで、ジェームス・ブラウンのようなソウルフルなハイテンション感も、プリンスのようなセクシーさも感じられる1曲。こういう単調なAとBの繰り返しみたいな楽曲が成立させられることって、ボーカルの表現力がいかに高いかが、良く分かる。テクニックはもちろん、そこに気持ちが乗らないとこんなん歌えない。ブルーノ・マーズのすごさを1番感じる事が出来る1曲。
4.Runaway Baby
悪そうなヤツがみせる素直さ
僕に出来ないナンパなノリが詰まっている。少し陽気なギターリフで楽しげに歌うヤツ。夏が似合う男が歌えるヤツ。友達も大事に出来るヤツ。ケンカも強そうな悪そうなヤツが歌えるヤツ。ひねくれた僕みたいな人間には浮かばなくて、うらやましいと感じる楽曲。でも意外にサビはエモーショナルな展開で「あれ、コイツ遊んでるだけじゃなくて真剣な姿も見せるんだ」という親近感もある。このニュアンス伝わって欲しい。チャラチャラし過ぎない素直さが見え隠れする。
5.Chunky
非の打ち所のなし!
こういうミドルなナンバーをアルバムの2曲目に持ってくるのって、ちゃんとアルバムを作品として考えてる証拠だと思う。アルバム聴けば聴くほど今のブルーノ・マーズが非の打ち所のないアーティストなのがよく分かる。
6.The Other Side (feat. CeeLo Green & B.o.B)
イントロだけで、異変を感じる
Gnarls Barkleyは、変態ポップミュージックという自分の好み枠として好きで聴いていたので、かろうじてCeeLo Greenがわかる状態ですが、やはり予測不能な変態ポップ楽曲。この曲だけ途端に曲の質感がガラッと変わっていて、ファーストアルバムの中で異彩を放っている。イントロ聴いただけで異変を感じて面白い。
7.That’s What I Like
ロックバンドが好きな、あなたでも
この曲も好き。『24K Magic』てアルバムはほんと名盤です。ブルーノ初心者でもわかります。ファンクにしてもソウルにしても、すごくポップ変換が絶妙。僕みたいなロックバンドを好むタイプの人って、R&Bの要素って自分に存在しない音楽という認識とか偏見があるので、素直に共感出来なかったりするのに、とにかくわかりやすい。ということは、ブルーノ・マーズが相当雑食に音楽そのものを知っていて楽しんでいるという事なんでしょうね。
8.Show Me
ダブのギミック感も楽しい1曲
初期のブルーノ・マーズはレゲエの要素が強い、っていうことも今回初めて知りました。僕のレゲエの知識はボブ・マーリーくらいのもので、現代のレゲエをよく知らないので、印象としては「こんなマイルドな歌の感じでレゲエをやったりするんだなあ」と新しい音楽を知った感じです。もちろん一筋縄にいかないダブのギミック感も楽しい1曲。こうやって聴くとブルーノ・マーズってレゲエがすごく似合う声。
9.Versace On The Floor
“80年代ポップバラードあるある”
バンド好きにとってはこういう80年代のポップバラードはカッコ悪いモノだったりするので、実は隠れてガッツリ聴くということがある。好きなのに、バラードとかラブソング聴いていると思われたくないという10代の音楽思春期をめちゃくちゃ思い出す。エレクトリックピアノの音からコーラスワークから、“80年代ポップバラードあるある”がこれでもかというくらい詰まっていて、良い曲過ぎて逆にパロディとして聴いても楽しめる。
10.Treasure
「やっぱりクールなんかい!」
こういうディスコダンスナンバーをクールにやりきらない所が好き。歌うだけでも踊るだけでもなく、一緒に歌って踊ってという視点を感じる。ということは、絶対ライブで聴くと楽しい。そして、散々歌わせといてフェードアウトでサラッと終わらせる。そんな「やっぱりクールなんかい!」と突っ込みいれたくなるいじらしさもあって、全く言う事を聞いてくれない“みんなの歌”という感じが好き。
11.Old & Crazy (feat. Esperanza Spalding)
心地よくていつまでも聴いていられる
今回ブルーノベストを作ってる中で、このセットリストをアルバムで考えた時にインタールード的な楽曲をこの辺で入れたいと思い選曲。BGMとして心地よくていつまでも聴いていられる。フジロックでも夢の国でも聴こえてきそう。
12.Straight Up & Down
まっすぐ「愛してる」と言えない方に
まっすぐな気持ちで「愛してる」とか「セックスしたい」と言いたくても言えない方に味方する1曲。この伝え方は日本人に出来ないというか、似合わないというか。でも心の中ではこんな人に憧れる。そんなラブソング。
13.When I Was Your Man
この人、モテます(笑)。
常にウキウキな人かと思えば、こういう切ないピアノバラードというとんでもない武器がある。コレで確信。この人、モテます(笑)。レディオヘッドのアルバム『OKコンピューター』で「No Surprises」を聴いた時の感じ。アーティストイメージと違う楽曲で超名曲を作っちゃう無敵感。
14.Calling All My Lovelies
ライブでの再現性が気になる
アルバムの中では1番地味な印象を受ける曲ですが、後半に進んでくに連れて思ってる以上に壮大。女性の電話のくだりがあったり特殊な展開の1曲なので、なかなかライブで聴けなさそうな雰囲気。なので、このツアー行かなかったら、2度と聞けないかもしれない危機感を感じる。どこまでやるのか1番ライブでの再現性が気になる。
15.Money Make Her Smile
混沌とした曲の味がたっぷり
「金が彼女を笑顔にする」ってタイトルがかなりすれてるので、ブルーノの身に何があったのか、ゴシップ好きの心をくすぐる1曲。すれてるが故に混沌とした曲の味がたっぷり染み込んでいて、でも時間的にはコンパクトにまとめている。だから、“スルメ”ならぬ、“おでん”楽曲とでも名付けたい。
16.Marry You
ウキウキ楽しいウエディングナンバー
チャペル感溢れる、ウエディングシンガロングナンバー。結婚がテーマの曲って感動的なバラードか陽気なパーティーソングかに分かれると思いますが、僕は後者の方が結婚のイメージがあって。めでたい席でわざわざ感動して泣くより、喜びが溢れて涙もついでに溢れちゃうくらいのがいい。なので、このくらいウキウキしてると楽しいし、結婚の空気を感じます。きっと海外では、この曲を入場曲とかに選ぶ人多いと想像します。
17.Finesse
ブラックミュージックのカッコ良さを知る感動
良いとか悪いとかは好みなので言いませんが、前2作と比べて、なんでしょうこの洗練された音楽は。90年代のカッコいいR&Bが大集合してるイメージ。姉の部屋から聴こえてくる久保田利伸を思い出すようなノスタルジーも。当時はわからなかったブラックミュージックのカッコ良さを、大人になって知る感動、この曲にあり。
18.Young Girls
予想通り名曲でした
「Young Girls」というタイトルが「名曲感あるなー」と思いながら聴いてみました。時間もコンパクトで、すぐ覚えられそうなサビのメロディーもGOOD。完全に予想通り名曲でした。
19.Just the Way You Are
幸せしか感じない。
こんなに素直なラブソングだと、感情の濁りが一切なくて気持ちいい。幸せしか感じない。ベタな事言いますが、落ち込んだ時聴いたら元気出ます。あと、さすがにこの曲は知ってました。人によっては、人生の大切な1曲になるであろう名曲。知らないなら、絶対聴いた方がいい1曲。
20.Too Good To Say Goodbye
素直な男心と、未練と、愛情
アルバムのラストを飾る曲。「24K Magic」と同じくらい好きな1曲。なので、このアルバムは僕の中で、一番好きな曲サンドで挟まれた名盤なのがわかる。最後に素直な男心と未練と愛情が刺さってくる。Earth,Wind & Fireのようなコーラスワークも気持ち良くて感動的。
▼今回のプレイリスト
日程:
会場:さいたまスーパーアリーナ
抽選先行:9月7日(木)12:00~9月18日(月・祝)23:59