Soanプロジェクトwith芥 艶やかな浴衣姿で描き上げた真夏の夜に爆音轟いた熱狂の宴

レポート
2017.9.5
Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

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その帯紐をほどいた先に何があるのか? 8月23日、日本中の男女が毎年苦悩する最大の謎が渋谷にて解き明かされるかもしれない『真夏の夜の夢』と題したSoanプロジェクトがお送りする夏のツーデイズワンマン。2日目はWith芥がお届けする“静”と“動”というコンセプトにおいて“動”を担うwith芥。攻撃的なライブパフォーマンス、心に突き刺さる轟音と声。その一体感は夏の締めくくりにふさわしい一夜となるだろう渋谷の地下室に祭り囃子が鳴り響き、煩悩との戦いの火蓋は切って落とされる。

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹


9月6日に発売になる最新アルバム『調律、その脈動に問う』の先駆けとなるライブとして。いや、それ以上に今回、Soanプロジェクト with 芥は“真夏の夜の夢-下駄と帯紐と私、愛する貴女のため-”というテーマを軸に、今年の夏の想い出を猛爆な宴として届けてきた。それは、熱狂の夢物語!? 8月23日(水)渋谷REXを舞台に行われた公演の模様、そろそろ以下へ記そうか。

此処は、櫓を囲む夏祭りの場!? 舞台の上に居たのは、彩り豊かで煌びやかな浴衣に身にまとったメンバーたち。芥に至っては花魁姿だ。フロアーにも、この日のテーマを事前に察知したのか浴衣姿の人たちが多く訪れていた。

宴は、雅な香りと重厚な音を重ねた和豪な新曲「Soan_B014_20170727通常ver.(仮)」から幕を開けた。冒頭に生まれた重く低く激しく轟く音の洪水へ、意識が一気に浸食された。メンバーの煽りに負けじと激しく身体を折り畳む観客たち。サビに描いた雅びな歌声へ心は酔いながら。終始爆音を轟かせ、彼らは観客たちの理性へ黒い熱色を塗りたくっていた。Soanプロジェクトwith芥の演目の中へ、新たな熱狂曲が加わった。

「さぁ、始めようか」、豪快で黒い歪みを上げたオリエンタルなリフビートが、追い打ちをかけるように襲いかかった。暴れ猛る「不確かな箱庭」の演奏に、フロアー中の人たちが大きな手の花を咲かせ、大きく頭を振り乱し、彼らが仕掛けた戦いへ全力で立ち向かってゆく。渦巻くノイズ。でも今宵は、黒く唸る音や叫び声が心澄み渡る祈りにも感じていた。

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹


激烈なギターのリフが身体をグサグサと、いや、無数の矢をいっぺんに受けた勢いで身体へ突き刺さった。この痛みは、身体中から興奮を呼び起こす。轟く「隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬」に触発された大勢の人たちが、服の乱れさえ意識から消し去り、大きく拳を振り上げ激しい音の熱に浮かされていた。雄々しい姿で挑むように歌う芥の姿の、なんて華激で艶やかだったことか。

爆音の絨毯が一気に頭上から覆いかぶさった。Ivyの招いた手拍子に合わせ、大きく両手を打ち鳴らす観客たち。沸き上がる興奮が、もっともっと身体を激しく揺さぶれと呼びかけてきた。「薄紅は舞い散り寂光に消える」に合わせ、芥と共に雄叫びを上げ、誰もが全力で飛び跳ねてゆく。場内の人たちも含め、今宵の浴衣が、まさかこんな戦闘服に様変わるとは…。乱れる裾も気にせず左右へモッシュしてゆく姿が、とても頼もしく見えていた。

不協和音響く場内。痛い調律…歪んだピアノの音色の上で言葉を呟く芥。「さぁ、この首筋をずっとずっと…」。芥の嗚咽にも似た叫びを合図に「透過幕」が連れ出したのは、爆裂した音の中から見えた不思議な異境の宴。意識をギチギチと掻きむしる音の上で芥は艶やかに、憂いを秘めた心を嘆くように歌い叫んでいた。 意識が倒錯してゆく。荒れすさぶ音の荒野の中、重い音の熱風に身をさらしながらも心は恍惚を覚えていた。悲嘆に暮れる中だからこそ、それを愉悦にも感じていた。

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹


歪んだ心を黒い音で包みながら、Soanプロジェクトwith芥は「sign…」を通し、歪む観客たちの意識を痛い陶酔の世界へ導いた。艶やかで刹那を秘めた芥の歌声に心を寄せながら、荒れ狂う音の渦に巻き込まれ身体を大きく揺らさずにいれなかった。
  
重く、でも透明感を抱いた音が場内へ大きな波紋となり広がった。「不確かなこの世界で…さぁ感じあおう」。鈍く淡い音が卑屈に螺子曲がりながら心を浸食してゆく。<聞かせてよ君の声を>、「パラドクス」が不確かなこの世界で共に溶け合おうと呼びかけてきた。歪な感情を真っ直ぐに伸ばしながら、一つに重なりあおうと芥は火照った歌の掌を差し出してゆく。綺麗に重ならなくて構わない。互いの間に生まれた熱が、歪な隙間を埋めてくれるはずだから。

幾つもの白い光の筋、その輝きに照らされた芥が「undelete」を朗々と歌いだした。重厚な演奏が追従すると同時に、場内は一気に荒れ狂う戦いの地へ塗り変えられた。雄々しき神と化した芥の声を先導(煽動)に、メンバーが、観客たちが、歪んだ叫び声と拳を振り上げ全力でぶつかりあう。雄大で激高な楽曲が、この空間にいる人たちを野生に変えてゆく。何時しか誰もが理性を捨て、獣の心と化していた。

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹


頭上高く掲げた両手を叩きながら…顔が歪む勢いで頭を振り乱し、狂乱の戦(いくさ)へ身を墜としてゆく観客たち。「朽ち木の行方」が、もっともっと黒い闘争心を呼び起こせと煽りだした。黒く歪んだ熱狂の渦に巻き込まれ、そのまま奈落へ墜ちてゆく感覚を観客たちは喜んでいた。それが、闇の中に見えた興奮という宴だからこそ…。

重厚な黒い音の塊が、一気に身体を押し潰してゆく。その圧を、しっかり両手で受け止めていたかった。たとえ圧し潰されようと、そこへイキきった興奮を観客たちは覚えていた。「meteo trive」に刺激され飛び交った絶叫。振り乱れる髪の波。そこには理性など微塵も感じれない。誰もが、角の生えた野獣と化し、互いに壊れるまで暴れ狂えと熱狂へ溺れていた。

「天井をぶち破るつもりでいこうぜ!!」、芥の声に続き「いっちゃおうぜ!!」とSoanが。激しく煽りたてる。「arrive」に合わせ、会場中の人たちが全力で飛び跳ね、「オイオイオイオイ!!」と声にもならない絶叫を上げていた。「求めれば求めるほど」何かを失おうが、この興奮と高揚さえ受け止めていれたら、それで満足だ。繰り返される絶叫。浴衣の乱れなど忘れ、何時も通りの化粧崩れな興奮が、夏の宴に相応しい汗ほとばしる光景を描き出していた。

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

今宵の宴へ花を添えるように奏でたのが、JITTERIN'JINNの「夏祭り」。打ち上げ花火のような派手な勢いを持ってパンキッシュなロッカビートが炸裂。何時しか観客たちが飛び散る火花変わりにタオルを振りまわし、場内に大輪の花を咲かせていた。原曲以上に重厚さと黒い火花を撒き散らしていたのも、Soanプロジェクトwith芥らしさ。

ぶち上がった熱狂をさらにイキきらそうと、Soanプロジェクトwith芥は「躁狂の踊り子~山紫水明の宴~」を突き付けた。タオルを振りながら右へ左へ駆ける観客たち。挑みかからんばかりの気迫を持って観客を煽るSoan。熱狂導く神の権化と化した芥は、<踊れ><唄え><狂え>と熱狂をむさぼり喰らう餓鬼どもを、もっともっとと煽り続けていた。ブレーキを持たない暴走列車と化したSoanプロジェクトwith芥のライブは、つねに加速を上げながら、会場へ真夏らしい天井知らずの熱狂を描き続けていった。演奏後も、興奮止まない観客たちの絶叫が会場中へこだましていた。

アンコールでは、冒頭を飾った新曲の(Soanいわく)殺人キラーチューン和ソング「Soan_B014_20170727煽りループver.(仮)」を、ロングバージョンとして演奏。この楽曲は、Soanいわく「躁狂の踊り子~山紫水明の宴~」Ver.2のイメージで作成。
 

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

猛り狂う和ビートが炸裂。観客たちも理性の螺子を緩める楽曲に合わせ左右に走れば、熱い手拍子や折り畳みなど、毛羽立ち艶めいた轟音和ロックへ嬉しく身を任せ騒ぎ祭っていた。しかも楽曲をループさせることで、止まない暴れ狂う風景も誕生。Soanプロジェクトwith芥のライブに、また新たな理性破戒曲が加わったのは間違いない。

最後の最後にSoanプロジェクトwith芥は「hysteria show time」を演奏。満員の観客たちの意識を真っ白に染め上げ、床が揺れるほどの騒ぎ狂う光景を会場に作り上げていった。顔をクシャクシャにはしゃぐ観客たちの姿が、なんて眩しかったことか。それがどういう意味か…そこは、わかるだろ。

今宵生まれた真夏の熱狂の宴は、真冬の宴へと引き継がれてゆく。その次の扉が開くまで…いや、その前に数多くのインストアイベントを通し、Soanプロジェクトwith芥のメンバーらとの会話を通した宴を楽しんでいただけたら幸いだ。


文=長澤智典 撮影=遠藤真樹
 

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

Soanプロジェクト with 芥 2017.8.23 撮影=遠藤真樹

 
セットリスト
Soanプロジェクトwith芥
2017.8.23 渋谷REX

Lyric:芥 Music:Soan
01. Soan_B014_20170727通常ver.(仮)

02. 不確かな箱庭
03. 隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬
04. 薄紅は舞い散り寂光に消える
05. 透過幕
06. sign…
07. パラドクス
08. undelete
09. 朽ち木の行方
10. meteo trive
11. arrive
12. 夏祭り(Cover)
13. 躁狂の踊り子~山紫水明の宴~
<ENCORE>
14. Soan_B014_20170727煽りループver.(仮)
15. hysteria show time

【Soanプロジェクトwith芥 Member】
Produce・Music・Drums:Soan
Lyric・Vocal:芥(from Chanty)
Guitar・Voice:K
Guitar・Voice:Shun
Bass:Ivy(from ラッコ)

 

リリース情報
Soanプロジェクト2ndミニアルバム
『旋律、静かな願いと。調律、その脈動に問う。』
◆2017年8月9日発売 プロジェクトwith手鞠『旋律、静かな願いと』(S.D.R-317)
◆2017年9月6日発売 Soanプロジェクトwith芥『調律、その脈動に問う』(S.D.R-318)
※どちらか1枚購入者対象予定でアウトストアイベント(4shot撮影会)
収録内容など詳細はオフィシャルサイトへ https://twitter.com/soan_official 

 

ライブ情報
旋律、静かな願いと-2018 1st Oneman Live-
2018.2.11(sun)新横浜NEW SIDE BEACH!!
※座席指定有・シッティングワンマン予定。詳細後日発表

調律、その脈動に問う-2018 1st Oneman Live-
2018.2.3(sat)池袋EDGE
※オールスタンディング・Shun Birthdayワンマンライブ。詳細後日発表

 

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