MERRY 自らの主張を投げかけ世に問うてきた彼らが結成16年目に辿りついた“禁断の世界”

2017.10.25
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MERRY

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バンド名の頭文字である“M”と“イデオロギー”を組み合わせた造語『エムオロギー』と題した最新アルバムを携え、全国47都道府県ツアー『システム エムオロギー』を敢行中のMERRY。現代社会の幸福論を示した「Happy life」、背徳の愛を描いた「平日の女」、人生や時の儚さを謳った「傘と雨」と、自らの主張を投げかけ世に問うてきた彼らが結成16年目に辿りついた“禁断の世界”とは?

――トリッキーかつ哀愁味のあるメロディラインを軸に、奇天烈に爆裂するアッパーチューンあり、昭和歌謡をベースにしたレトロな歌モノあり。そのうえ歌詞には独り善がりな妄想や、世の中に対する皮肉も満載で、今回のアルバムはMERRYらしさ満点ですね。初期の作品に通じるような、いわば“見てはいけない世界”を感じて、思わず“これが聴きたかったんだ!”と言いたくなりましたよ。

結生(Gt):個人的にもMERRYのギタリストというより、MERRYのいちファンとして作ったような感覚なんですよね。散歩しながら制作途中の曲をイヤホンで聴いて、“MERRYのニューアルバムってこんなもんじゃねーだろ!”って感じで、その後またMERRYモードに戻って“じゃあ、こうしよう”ってアレンジを進めていくという。だから客観的な視点でMERRYを見たくて、昔の曲も改めて聴いたりして、“この曲、なんでこんなにカッコいいんだろう?”って感じたら、その理由を探したりしました。

ガラ(Vo):前回のアルバム(2014年12月発売『NOnsenSe MARkeT』)から3年の間に、俺が腰を痛めたりテツさんが怪我したりと、本当にいろんなことがあって。人としてもバンドとしても強くなったところで、“じゃあ、俺らが向かうべきところはどこなんだ?”となったときに背中を押してくれたのが、5月に日比谷野外音楽堂で行なったワンマン『MERRY Tokyo Spring 日比谷デモクラティック~羊達の主張~』だったんです。節目の度に立ってきたあの会場で、進むべき方向が見えたというか。結局、俺らは『エムオロギー』という主張をしたかったんですよ。

――アルバムリリースと『エムオロギー』というタイトル、それを引っ提げた47都道府県ツアーも、あの日に発表されましたからね。

ガラ:そこで発表するために、まず、先にアルバムタイトルを決めたっていうのも、今までになかったことだと思うんですよ。俺らがやるべきこと、出すべき主張は何だろう?っていうことをスタッフも含めたみんなで話し合って、イデオロギーというところからMERRYの頭文字を取って生まれた造語なんですけど、その言葉が生まれてからよりアルバムに対するイメージも膨らんだし。

健一(Gt):イデオロギーっていう言葉自体、個人的にはあまり触れない単語だったので、なんだか不思議な感じはありましたね。

ガラ:さらに話し合ったところで出てきた大きなテーマが“禁断”というものだったんです。そこから“世の中的にやっちゃいけないことって何だろうね?”っていうのを細かく話し合って、1曲ごとにテーマを決めながらピースを埋めていったから、すごくわかりやすかったんですよ。

ネロ(Dr):そのテーマはCDのブックレットにも記載されていて、レコーディングの後半戦は完全にそれに沿って進めていった感じです。

――そう言われればシングル「平日の女」も、歌謡曲ベースの聴かせる歌モノですがモチーフは不倫で、まさに“禁断”ですもんね。

結生:そうなんです。しかも今回収録されるシングルが「平日の女」「Happy life」「傘と雨」と、歌やメロディが立っているものが揃っていたので、自ずと新曲ではライブ感や、強い曲というのを模索しながらやっていきました。

ガラ:まぁ、「千代田線デモクラシー」を超えるヤツを作んなきゃ!っていう意識はありましたね。前回のアルバムが出てから、ライブではずっと最後に「千代田線デモクラシー」でドカン!と終わってきてたんで、それを超える曲を作らないと完成しないなぁと。

MERRY ガラ(Vo)

今まで自分のことをバンドマンって言ってたけど、今はミュージシャンって呼びたいんですよ。アーティストとしてもっと上を目指さなければいけない。

――では1曲ずつ、その曲テーマも合わせて伺っていきます。まず1曲目のSE「「M」World Order」はテツさんの曲ですが、こちらのテーマは?

テツ(Ba):“煽動”です。もともとは“妄想”というテーマで、想像してはいけないものを考えて……例えばビルの屋上に上っても、飛び降りたら死ぬなと思うから普通はやらないじゃないですか。そういった理性を破壊する音って、どういう音だろう?っていうところから、コンピューターの狂ったような音を入れてみたり、実験的なアレンジに挑戦して。最初は普通の曲だったのがSEにしようという話になって、自分はSEを作った経験がないので試行錯誤してたんですけど、そこから結生くんが大胆なアレンジをしてくれました。

結生:デモの段階のコンピューターがブッ壊れた感覚に、どこか近未来的な雰囲気を持つ『エムオロギー』というワードに繋がるものを感じたんですよね。あとは客観的に見たとき、MERRYっぽさの一つに“生々しさ”があるなと感じたから、それをデジタルと上手く融合させようと、女性のソプラノコーラスとかストリングスの音とかを生で入れたんです。その結果、綺麗だけど気持ち悪いような雰囲気が出せたらなぁと。

――続いて2曲目の「MASS CONTROL」は、確か野音の段階で披露されていましたよね。

ネロ:この曲のテーマは、もうトータルで“禁断”です。だから反日常的な歌詞になるだろうと思っていたし、それに反したキャッチーなメロディと楽曲構成こそがMERRYなんじゃないかと。

ガラ:結局これ、何もできなくて世間に文句だけ言ってるヤツのことを歌ってるんですよね。俺自身も含め。自分からは何も動けなくて、ただ待っているヤツ。でも、待ってるだけじゃ何も変わらないから、そこから抜け出そうっていうのが俺の中の『エムオロギー』なんですよ。周りなんて関係なく、俺らは俺らなりの主張をしてMERRYというもの、ガラというものを残していきたい。誰かを羨んだりグチグチ言ったりするヤツに限って、動いてないんですよ。動いてる人はそういうことを言わないし、周りのことなんて気にしないんですよね。

――世間から取り残されてゆくような想いだったり、勝ち組に対する妬みを書くことも多かったガラさんがそんなふうに変わったのって、何かキッカケがあったんでしょうか?

ガラ:16年MERRYを続けてきましたけど、別に惰性だとか趣味でバンドやってんじゃねーぞ!っていう想いが、ここ数年強くなっているんですよ。歌うことが無くなったらいつでもやめてやる、明日はどうなるかわからないっていう緊迫感を持って、“じゃあ、今日はどんなメッセージ残せるんだろう?”っていうところに、だんだん想いがシフトしていってる。俺やテツさんの怪我もあって、当たり前のことなんて何も無いんだって実感したし、誰一人未来なんてわからないなか、じゃあ、どうやって生きていくんだ? MERRYのフロントマンとして、みんなの人生も背負いながら、どうやってボーカリストとしてやっていけるんだろう?っていうことを考えるようになったんです。だから、今まで自分のことをバンドマンって言ってたけど、今はミュージシャンって呼びたいんですよ。もう、そのタイミングにMERRYは来ているし、アーティストとしてもっと上を目指さなければいけない。そういう欲が今、すごく出てきているんですよね。

――バンドマンなら、ただ楽しくライブで盛り上がるだけでいいけれど、アーティストになるのなら何のために自分はバンドをやっているのか? という思想や主張が必要になってくる。だからこその『エムオロギー』なんでしょうね。

ガラ:そうなんです。だから、このタイミングでこの歌詞、このアルバム、このタイトルが出せたのは、俺にとってはすごく必然で、もっとちゃんとMERRYを伝えなきゃ!と腹を括れました。その結果、横から口を挟むのが好きな俺が、今回は楽曲に関しては一切何も言ってないんですよ。全てを結生くんに任せて、俺はメロディすらつけてない! それなのにMERRYぽいと感じてくれるということは、メンバーが俺のことを理解してくれているからなんでしょうね。

結生:やっぱりMERRYは歌が大事なんだってことに、自分も気づけたんです。だから歌詞を一番に活かしたメロディなりアレンジを工夫して、それが一番表れてるのが3曲目の「犬型真性MASOCHIST」じゃないかな。

MERRY 結生(Gt)

MERRYのいちファンとして作ったような感覚なんです。制作途中の曲を聴いて“MERRYのニューアルバムってこんなもんじゃねーだろ!”って。

――これ、曲と歌詞のギャップが凄まじいですよね。曲だけ聴いたら切なくて泣ける曲なのに、歌詞は完全にSM。

結生:だから、それがMERRYなんですよ(笑)。この曲は最初のテーマが“依存”だったので、普通じゃない状況を思い浮かべられる音を入れようと、ベルのような効果音も使ったりしたところに、こんな歌詞が来て。まとめるのは大変だなと思いつつ、すごく楽しくアレンジできて、最終的に“嗜好”というテーマになりました。

テツ:もともとは4曲目の「gaudy」が“嗜好”だったんですよね。それがコッチは結局“変態”になって。

ガラ:タイトルは英語で“極彩色”とか“派手”とかっていう意味なんです。ただ良い意味の派手じゃなく、イメージしたのは大阪のおばちゃん的なけばけばしさ。

結生:全11曲中9曲まで出揃ったときに、MERRYとしてはガラの叫びが足りないなぁと思って作ったのが、10曲目の「SIGHT GLASS」とこの曲なんです。結構昔にあった曲をリアレンジしたんで、ちょっと昔のMERRYっぽいところもありますね。

――ちょっと「ve-doro」(2003年発売1stアルバム『現代ストイック』収録)を思い出しました。巧妙にうねるベース音も印象的。

結生:大事ですよね。「犬型真性MASOCHIST」と同じく、この曲は結構ベースが肝(キモ)。

テツ:ベースに張っている弦とかピックとか大元の部分を見直した結果、すごく音が良くなったんですよ。普通、レコーディングでは音の出口のほうをイジるところ、入り口のところを固めたのが成功に繋がりましたね。それはベースに限った話じゃなくて。だから、それぞれの音がよく聴こえるんです。


 


――……と、割とイッちゃってる曲が続いたところで歌謡曲な「平日の女 -A面-」が来て、壮大なイントロからパンクに疾走する「Black flag symptom」を挟み、軽快なシャッフルチューンの「傘と雨」に続く流れが、もう振り幅デカすぎて! まるでジェットコースターみたいです。

結生:そのメリハリがMERRYなんですよね。それこそ『現代ストイック』がそうじゃないですか。歌モノとドロドロしたものも混在していて、そのギャップの高低差をいかにつけるか? いかに綺麗なものをブチ壊すか?っていうところがポイントだったりする。

健一:「Black flag symptom」は野音の前に原曲が出来ていて、それこそイントロのネタだけは昔に作ったものを、いつか出そうと温めていたんです。もともとのテーマは“核兵器”で、それにしてはポップすぎるかなぁと不安だったものを、結生くんがメロディを付け直してくれて、ものすごく核兵器っぽくなりました。

テツ:もともとは“思想”というテーマで、核兵器も一つの思想の産物である……というところから、わかりやすく“核兵器”になったんですけど、最終的には“思想”に戻りましたね。

健一:正直に言っちゃえば、そんなにテーマは気にしてなかったですけど(笑)。ただ、マーチングというか、民族っぽい雰囲気にはしたくて。ライブでも盛り上がりそうな気がしてるんで、すごく楽しみです。

結生:MERRYっぽいですよね。敬礼しそうな感じ。

ガラ:黒旗を持って突撃するぞ!っていう。歌詞の流れで言うと、ここまでは基本的に待ってる人の歌なんですよ。「MASS CONTROL」は夜明けを待ってて、「犬型真性MASOCHIST」はご主人様から貰うのを待ってる。「gaudy」も時代や社会に不満を叫んでるだけの遠吠え系で、「平日の女」も不倫相手を待ってますからね。それが6曲目の「Black flag symptom」から、立ち上がり始めるんですよ。まぁ、でも7曲目の「傘と雨」は“未来はきっと明るいだろう”って他人事みたいに歌ってるから、まだちょっと待ってるヤツかもしれない。

――だからアルバムを聴き始めと聴き終えた時点で、全く印象が違うんですね。始まりは後ろ向きで世をすねるモードなのに、自然な流れで前向きにシフトチェンジしていて、攻撃的な「F.J.P」にも何かを変えたいという想いが感じられます。

ネロ:この曲は元のテーマが“ギャンブル”で、僕は『賭博黙示録カイジ』みたいなものをイメージしてアレンジしてたんですよ。でも、ガラがもっと俯瞰から世の中を見た感じの歌詞にしてくれて、最終的には“歯車”というテーマになりました。タイトルは“FUTURE JAPAN”の略?

ガラ:そう。将来の日本をちょっと小馬鹿にしてるというか。大概ダメなヤツって、こういうことを言うんですよ。何においても“まぁ、明日があるさ”とかって、ギャンブル好きの人とか、まさにそうじゃないですか。

ネロ:それを言ってる真ん中の演説のところとか、いいですよね。パチンコ屋のアナウンスっぽくて、グッときました!

MERRY 健一(Gt)

もともとMERRYはライブを意識した曲が多いんですけど、今回のアルバムは特にライブ感があると思う。

――9曲目の「Happy life-reprise-」はシングルバージョンと全くアレンジの違う、勢いと疾走感の増したものになっていますが、どういう経緯でこういうことに?

ガラ:これは野音で演奏したときのバージョンで、本当はファンクラブ限定盤にだけ入れるつもりだったんです。それ以外は通常のシングルバージョンを収録する予定だったのが、ある日結生くんから“すごく歌の表情がいいからアルバムの「Happy life」は全部コッチに統一したい”っていうLINEがみんなに来て。

結生:シングルバージョンの「Happy life」で11曲並べて聴いたときに感じた違和感が、このアレンジで録り直したものに替えたら無くなったんですよね。ライブで披露する前に録った「Happy life」と、さんざんライブで歌ってきた「Happy life」では差が激しいみたいで、歌詞も同じはずなのに同じに聴こえない。コッチのほうが生々しいので、ぜひシングルと聴き比べて楽しんでほしいです。

――シンプルに前向きな想いを歌った曲で、リリース当時は賛否両論だったのが、ライブ披露を重ねるうちにバンドの生き様と重なって。飛躍的に説得力が増したなと、私も強く感じていました。

健一:自分もシングルの「Happy life」が出来たときは、なんか変に浮いちゃうんじゃないかっていう心配があったんですけど、こうなったことによって馴染んだ感がありますね。

ガラ:たぶん、リリース当時は“このままじゃいけない、変わらなきゃいけない”という気持ちばかりが先走って、そこに付いて行けてない自分がいたんです。そうなると当然ファンも安心して付いてこれなかったのが、ライブでやり続けることによってどんどん自分と一体化して、ファンが聴いても“いい曲だな”と感じてくれるようになったんですよ。

――結果、今やライブで演奏するたびに感動を呼ぶ曲の次に来るのが、ガラさんの叫びを足すべく入れたという「SIGHT GLASS」。「Happy life」とのギャップも激しい相当エキセントリックな曲で、随所に琴の音が入っているのがよけいに不気味です。

結生:簡単に言っちゃうと、ありえない組み合わせで、普通じゃない世界観を作りたかったんですよね。“和”の要素って、俺の中では『エムオロギー』に必要不可欠なものなんですよ。ガラが昔、習字でMCしていたときのBGMも琴だったので、あの世界観を彷彿させるようなものを全部入れた感じですね。ガラの声色もコロコロ変わって、秒針の音が焦燥感を煽る張りつめた空気感から、いきなり<したいしたい>と喚き出すのに、最後はなんか変な感動があるっていう。

ガラ:サビのメロディのせいもあるだろうね。“なに、この広がり!?”みたいな(笑)。良くも悪くも適当に歌ったんで、ライブは絶対に音源とは同じにならないと思う。

結生:常に3つくらい音が鳴ってるから、どれがメロディなのかもわからないしね。左右で流れてる喋り声も気持ち悪い。

――歌詞も一見卑猥に見えて、ダブルミーニングの非常に良く出来た歌詞ですよね。同じ“口に出す”でも物理的に“出す”のと“言葉にする”の両方の意味が掛かっていたり。

ガラ:もともとは“ストーカー”的なテーマがあったんで、じゃあ「平日の女」のその後を書いてみようと思い立ったんです。いつも待たされていた「平日の女」が、ある日、豹変してストーカーになるイメージで。ただ、それだけだと歌詞が微妙だなぁってことになって書き直しました。単にエロい歌詞を書くだけだと、やっぱり普通になっちゃうんで。

結生:最終的なテーマは“欲望”ですね。この歌詞とこの歌を歌えるボーカリストは、なかなかいない。

MERRY テツ(Ba)

MERRYの主張をしようと作った作品がアルバムになったということは、やっぱりMERRYはライブバンドなんだなという認識がより強くなりましたね。

――そんなクレイジーな曲から、最後はシンフォニックな「エムオロギー」で感動させる締めくくりがギャップ満点で、インパクト大ですよ。

ガラ:この曲のテーマは“未来”ですからね。ここまで文句を言ったり、燻ってたり、暗いことばかり歌っていたかもしれないけど、やっぱり最後には希望というか、俺らなりの未来を示したかったんです。ツアーのことも念頭に置いて考えて作った曲なので、47都道府県ツアーで1本しか足を運べない人にも、その日、全力で俺らを感じてください……という想いも込めて歌詞を書きました。

健一:もともとMERRYはライブを意識した曲が多いんですけど、今回のアルバムは特にライブ感があると思うんですよ。

テツ:だから早くライブでやりたいし、MERRYの主張をしようと作った作品がアルバムになったということは、やっぱりMERRYはライブバンドなんだなという認識がより強くなりましたね。

ネロ:あとは、ちょっとインテリになった気がするんですよ。歌詞にもいろいろ考えさせられて、結局、禁断の世界の根っこには何かしらの思想があるんだなと。だから事件のニュースとかを見ても、なんでこういうことしたのかなぁ?って想像するようになりましたし、世の中で起きていることに対して頭の中で一回ちゃんと考えるようになりましたね。あとはバンドマンと飲んでいても、思想を持ってやってる人たちと話が合うようになった。

ガラ:自分も今回は歌詞に専念することができたんで、この『エムオロギー』を聴いてもらえれば今、俺が思っていること、伝えたいことが全部わかってもらえるはずです。ただ、アルバムとしてはこれで完成でも、さらなる完成形には俺らだけでは到達できないんですよね。ライブを観に来たファンの人たちと一緒に共有してこそ『エムオロギー』は完成するから、47都道府県ツアーの1本1本で皆さんにちゃんと熱いものを届けていきたいです。なのでファンの人はもちろん、“あ、昔、MERRYウチの県に来てくれたよなぁ”っていう人にも、またこのアルバムを聴いて、ライブに来てもらいたいですね。ただ、俺らがその空間をちゃんと作ってあげないと、お互いに“あ、久しぶりっす!”ってノリになっても面白くないんで、ちゃんと先導していけるツアーにしたいです。

MERRY ネロ(Dr)

ちょっとインテリになった気がするんですよ。歌詞にもいろいろ考えさせられて、結局、禁断の世界の根っこには何かしらの思想があるんだなと。

――10年ぶりの47都道府県ツアーですからね。しかも今回ツアー日程が“妄想”“嗜好”“思想”という3ブロックに分かれていますが、ブロックごとにライブも変わるんでしょうか?

ガラ:よりMERRYを表現するためにどうしたらいいか?と話し合った結果、今回は公演時間を長く取ろうと、ちょっと開演時間を早くしたんですよ。もちろん『エムオロギー』がメインなのは変わらないんですけど、そこに『現代ストイック』だとか2ndの『モダンギャルド』あたりから、“妄想”“嗜好”“思想”それぞれに当てはまりそうな曲をつまんで、ある意味ベストツアーみたいな感じにはしたいなと考えてます。

健一:結構狭い会場も多くて、そういう客席との距離が近いライブのほうが、お客さんの反応も伝わりやすいので楽しみです。

結生:ただ季節の変わり目なので、体調に気をつけないと、すぐ風邪ひく! たぶんツアー中に2、3回衣替えしなきゃいけないんじゃないかなぁ。

――体調といえば、完全復活から間もないテツさんが気がかりなのですが……。

テツ:大丈夫です。やれる自信があるからこそ、このツアーにも賛成しましたし。

ガラ:ファイナルの日本青年館(2018年2月3日)に立つのも、15年ぶりになるんですよ。会場がリニューアルされたっていうのを聞いて、“じゃあ、久々だからやろう!”ってなったんですけど、考えてみたら前回2003年のワンマンも『青年達の主張』っていうタイトルだったんですよね。日本青年館で“青年達の主張”をしたバンドが、14年経って野音で『羊達の主張』をやって、またそこに戻ってくるっていう流れも面白いと思うから、期待していてください。


取材・文=清水素子


 

 
リリース情報
アルバム『エムオロギー』
2017年9月6日発売
【初回生産限定盤】(CD+DVD)SFCD-0208~209 ¥3,500+税

初回生産限定盤

[DISC 1 : CD]
1. 「M」World Order
2. MASS CONTROL
3. 犬型真性MASOCHIST
4. gaudy
5. 平日の女 -A面-
6. Black flag symptom
7. 傘と雨
8. F.J.P
9. Happy life –reprise-
10. SIGHT GLASS
11. エムオロギー
 
[DISC 2 : DVD]
MERRY Tokyo Spring 日比谷デモクラティック 〜羊達の主張〜
2017.5.5 日比谷野外大音楽堂
メンバーセレクトから全5曲収録
1. 【human farm】
2. NOnsenSe MARkeT
3. 傘と雨
4. 梟
5. 千代田線デモクラシー (ENCORE)
※数量限定のため、予定数が無くなり次第販売を終了致します。予めご了承ください。
 
 
【通常盤】(CD)SFCD-0210 ¥3,000+税

通常盤

[DISC 1 : CD]
1. 「M」World Order
2. MASS CONTROL
3. 犬型真性MASOCHIST
4. gaudy
5. 平日の女 -A面-
6. Black flag symptom
7. 傘と雨
8. F.J.P
9. Happy life –reprise-
10. SIGHT GLASS
11. エムオロギー

 

ライブ情報
MERRY 47都道府県TOUR「システム エムオロギー」
~AGITATE #1「妄想」

9/3(日) 熊谷HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA (CORE Limited)
9/6(水) 千葉LOOK
9/8(金) 山形MUSIC SHOWA SESSION
9/10(日) 仙台enn 2nd
9/15(金) 岡山IMAGE
9/16(土) 山口rise SHUNAN
9/18(月・祝) 広島CAVE–BE
9/23(土・祝) 三重M’AXA
9/24(日) 静岡Sunash
9/29(金) 沖縄output
9/30(土) 沖縄output
10/6(金) 佐賀GEILS
10/7(土) 長崎DRUM Be-7
10/9(月・祝) 大分DRUM Be–0
10/12(木) 奈良NEVERLAND
10/13(金) 岐阜Yanagase ants
 

~AGITATE #2「嗜好」
10/20(金) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
10/22(日) 金沢vanvanV4
10/28(土) 甲府CONVICTION
10/29(日) 長野LIVE HOUSE J
11/3(金・祝) 北海道cube garden
11/5(日) 青森QUARTER
11/11(土) 名古屋E.L.L.
11/12(日) 和歌山SHELTER
11/14(火) 徳島club GRINDHOUSE
11/16(木) 高知X–pt.
11/18(土) 宮崎SR BOX
11/19(日) 鹿児島SR HALL
11/22(水) 福岡 DRUM Be–1
11/23(木・祝) 熊本B.9 V2
11/25(土) 米子AZTiC laughs
11/26(日) 松江AZTiC canova
 

~AGITATE #3「思想」
12/1(金) 宇都宮HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYA
12/2(土) 郡山CLUB #9
12/10(日) 前橋DYVER
12/16(土) 富山SOUL POWER
12/17(日) 福井CHOP
12/22(金) 水戸LIGHT HOUSE
12/24(日) 横浜BAYSIS
1/7(日) 梅田シャングリラ
1/8(月・祝) 神戸VARIT.
1/13(土) 松山サロンキティ
1/14(日) 高松DIME
1/20(土) 盛岡club change
1/21(日) 秋田LIVE SPOT 2000
1/27(土) 滋賀B-FLAT
1/28(日) 京都MUSE
 

~AGITATE FINAL「禁断」
2/3(土) 日本青年館
 

 

 

プレゼント

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