L'Arc-en-Ciel、大阪・夢洲を7色に染め上げた10万人ライブ終了

2015.9.24
レポート
音楽

hyde(Vo) 撮影:今元秀明 / 緒車寿一 / 加藤千絵 / 河本悠貴 / 田中和子 / 三吉ツカサ

L'Arc-en-Cielが9月21日と22日に、大阪・夢洲(ゆめしま)野外特設会場にて単独公演「L'Arc-en-Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO」を開催した。この記事では2日目の22日公演の模様をレポートする。

今回の公演は大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲で初めて行われた音楽ライブで、2日間合計で約10万人の観客を動員。2日目の22日も晴天に恵まれ、全国各地から集まった約5万人のファンがライブを存分に楽しんだ。また、2日目の模様は全国39カ所の映画館と香港、台湾にてライブビューイングが行われ、国外のファンも魅了した。

オープニングではメンバー4人が悪徳カジノに忍び込み、あの手この手で敵を撃破して資金を奪い彼らの本拠地“L'ArCASINO”へ帰還する様子を初日とは異なるアニメーションで描き、オーディエンスを楽しませる。その後4人は場内後方のサブステージに登場し、メインステージまで約300メートルにわたって伸びる花道を白いリムジンに乗って悠々と移動した。1曲目は「SEVENTH HEAVEN」。hyde(Vo)とtetsuya(B)のコーラスが大阪湾上空に吸い込まれ、続く「Driver's High」ではken(G)が華麗にクリーントーンを奏でた。

「ようこそL'ArCASINOへ!」と、オーディエンスを歓迎するhydeのMCに続いては「Blurry Eyes」。ここではダイス型や、メンバーのイラストやトランプ柄をあしらった球形のバルーンがいくつも場内を飛び交い、観客たちは笑顔でバルーンを跳ね上げる。「and She Said」ではステージ左右に現れた道化師たちがオルガンやドラムを激しくプレイしながら踊り、「ROUTE 666」ではtetsuyaとkenがそれぞれのソロで会場を沸かせた。

ここでメンバーはオープンカー仕様になったリムジンに乗車し、サブステージへ移動。座席の背もたれに腰を下ろしたhydeは「ただいま大阪! この光景をよく目に焼き付けておいてください」と語り、「夕暮れが似合う曲を聴いてもらおうかな」と紹介してラテンアレンジを施した「Wind of Gold」に入る。ステージ上でゆらめく炎と夕日に照らされた4人が奏でる音に、オーディエンスはうっとりと聴き入った。続いてはkenが鳴らすイントロのギターで大歓声が起こった「It's the end」。yukihiro(Dr)が刻むリズムに合わせ、hydeはタンバリンを鳴らしながらエモーショナルな歌声を響かせた。

hydeは会場を見渡して「いやー、楽しい! すごい楽しい」と笑顔を浮かべる。そして初日に引き続いて彼の傍らにたたずむ白いオウムのオブジェに「楽しい?(笑)」と語りかけ、自らオウムのふりをした声色で「タノシイ!」と返してオーディエンスの笑いを誘った。さらに「こんなにたくさんの人が集まってくれて、L'Arc-en-Cielは幸せ者です。僕なら行きませんね(笑)。そんなに好きなアーティストはいないので、みんなの愛情が上回ってるんだなと思います」と話し、集まった5万人のファンに改めて感謝を述べた。

「MY HEART DRAWS A DREAM」の感動的な演奏でサブステージでのパフォーマンスが締めくくられ、メンバーはカジノチップを模した“L'ArCHIP”を客席にばらまきながらメインステージへ戻っていった。道化師たちのパフォーマンスが終わるとライブは後半戦へ。4人全員がギターを演奏しながら代わる代わるボーカルを務めた「trick」、kenとtetsuya、yukihiroのパーカッションが響く中で輿に乗ったhydeが堂々たる風格で歌い上げた「REVELATION」と、迫力あるナンバーが続く。その後もテーマパークのアトラクションのようにスリリングな映像とともに披露された「CHASE」、重厚で妖艶なアンサンブルが繰り広げられた「X X X」、海中を映し出す映像とtetsuyaのベースラインが神秘的な世界を作り上げた「TRUST」と、ヒット曲から名曲まで、さまざまな時代の幅広いナンバーが続々と演奏されていった。

このライブのために新曲を用意したかったという話から「とってもいかした曲が用意できました」とhydeが紹介し、初日公演で12月のシングルリリースが発表された新曲「Wings Flap」が始まる。ダンサブルなリズムとサウンドに、オーディエンスは心地よさそうに身体を揺らしながら聴き入った。そしていよいよライブは終盤戦へと突入。イントロで黄色い悲鳴が起きた「Lies and Truth」、会場を取り囲むように7色の花火が上がった「HONEY」と、終盤にふさわしい華やかなナンバーが続いた。

最後の曲に入る前、hydeは「L'ArCASINOは楽しめましたか? こんな遠いところまで来てくれて、本当にかわいいヤツらだなと。大変だったと思うけど、みんなかわいいです。ありがとうね」と、各地から集結したファンに改めて感謝を述べた。2日間にわたるライブを締めくくったナンバーは「Pieces」。hydeは目を潤ませながら歌い、kenとtetsuya、yukihiroも丁寧にそれぞれの音を奏でる。最後のサビに入る瞬間には会場から見渡せる全長876メートルの夢舞大橋が7色の虹色にライトアップされ、場内から大歓声が沸き起こった。

曲が終わり、約1000発の花火が「L’ArCASINO」の成功を祝した後でhydeは「どうもありがとう! また会おうぜ!」、tetsuyaは「ありがとう、まったねー! 気ぃ付けて帰ってね!」と挨拶。オーディエンスとの再会を誓いながら、ステージを後にした。

L'Arc-en-Ciel「L'Arc-en-Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO」
2015年9月22日 夢洲野外特設会場 セットリスト

01. SEVENTH HEAVEN
02. Driver's High
03. Pretty girl
04. Blurry Eyes
05. flower
06. and She Said
07. ROUTE 666
08. HEAVEN'S DRIVE
09. Wind of Gold
10. It's the end
11. MY HEART DRAWS A DREAM
12. trick
13. REVELATION
14. CHASE
15. X X X
16. TRUST
17. Wings Flap
18. Lies and Truth
19. Link
20. HONEY
21. STAY AWAY
22. READY STEADY GO
23. Pieces

撮影:今元秀明 / 緒車寿一 / 加藤千絵 / 河本悠貴 / 田中和子 / 三吉ツカサ