2000人を超える観客が酔いしれた夜、アンダーワールドの大阪公演をレポート
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アンダーワールド
Underworld Live in Japan Osaka 2017.9.15 Zepp Namba
毎回革新的なプロダクションで会場を熱狂の渦に巻き込むアンダーワールドの単独公演が、昨日、9月15日(金)にZepp Nambaで開催された。アンダーワールドのフルスケールのライブパフォーマンスを体感出来るとあって、2000人を超えるオーディエンスが集まった、このエクスクルーシヴなライブをレポート。
真鍋大度
9月にしては少し肌寒さすら感じる大阪だが、Zepp Namba周辺の雰囲気は昂揚したものだった。19時の開演時間ちょうどに客電が落ちるとともに現れた真鍋大度。浮遊感のある音に徐々に揺れ出すフロア。BPMは少し早く感じた。それはアンダーワールドの登場を待ちきれず、既に満員になっていたフロアのお客さんの気持ちを表すかのようだった。真鍋大度に続いて登場した石野卓球は大きな身振り手振りを加えながらフロアを牽引し、石野卓球ワールドで魅了した。すっかり温まり切ったフロア。アンダーワールドはまだ登場しない。
石野卓球
石野卓球のDJタイム終了から15分。
待ちきれない観客の呼び込みの拍手は続き、独特の緊張感に会場は包まれた。その緊張感を打ち破るかのようにアンダーワールドのロゴがスクリーンに映し出され、歓声が上がりフロアの温度が一気に上昇した。そこにカールとリックが特に気負うことなく現れた。カールはジャケットを着ていたが、その下にはトレードマークと言ってもいいボーダーのシャツを着ているのが見えて密かに嬉しくなった。
アンダーワールド
アルバム『Second Toughest In The Infants(弐番目のタフガキ)』収録の「Confusion The Waitress」からスタート。照明とスクリーンに映し出された映像は青と黒。続いての「Dark and Long (Dark Train)」では「Confusion The Waitress」の際には動くことのなかったムービングライトが青く動きだし、シンセのフレーズに合わせてオレンジのLEDが点滅。ジャケットを脱ぎボーダーのロンTで完全体となったカールがダンスする。どんどん照明の色数は増えていき、フルカラーレーザーも動き出す。全ての音にシンクロしたアンダーワールドと、二人も所属するアート集団TOMATOの作りこまれた世界観によって、フロアを完全にアンダーワールドの世界に引きづり込んだ。
アンダーワールド
続いての「Pearls Girl」では、これまでの青をベースしにた世界観から一転、ストロボの中に赤く浮かび上がるカールの演出が秀逸だ。続いての「Push Upstairs」ではピンクの照明に照らされる中、スクリーンにモノクロのカールが映し出される。カメラはカールを追いかけ続けるが、ステージ上にカメラがあることを感じさせない。リアルタイムの映像が映し出されているのか、映像に合わせてカールが動いているのか、一瞬錯覚してしまう程だった。ほどなくしてカメラの位置は判明したものの、その技術力と表現力に関心するしかなかった。
アンダーワールド
そしてあの有名なフレーズがリフレインしだした。スクリーンには「Rez」の文字も浮かび上がる。カールはステージ袖に戻りリック一人となったステージ。雲海の如くレーザーの海に浮くブース。神秘的ですらあった。そこにまた聞き覚えのあるフレーズが重なってきた。「Two Months Off」だ!
アンダーワールド
黄色とオレンジ色のムービングライトが縦横無尽に動き、スクリーンに映るカールの姿もカラーだ。そしてブレイクで一気に暗転。真夏の夜の夢はこうも儚い。「Two Months Off」が単なるヒット曲だからという訳ではなく、オープンからの完璧な流れで、前半の最大の盛り上がりとなった。
アンダーワールド
一呼吸おいてカールが「You Are Beautiful」と言ってはじめた叙情的なメロディーが特徴の『Barbara Barbara, we face a shining future』収録の「Ova Nova」から「Nylon Strung」の流れは、「Two Months Off」まで一気に駆け上がってきた構成だっただけに、その落差はより効果的だった。ただ単にアッパーに盛り上げるだけじゃない、聴かせつつ踊らせることに成功し、そのまま「Dirty Epic」へと繋がっていった。レーザーが高く放たれ、夜のハイウェイを微睡みながら走っているような感覚へと誘い、続く「KING OF SNAKE」のアップリフティングなリズムを際立たせた。
アンダーワールド
そして、幻想的なフレーズが印象的な「Peach Tree」へと続いた。アンダーワールドお得意の曲構成でビートレスなアンビエント感から、遥か遠くから段々ビートが迫ってきて、最後にはまたビートから解放される。まるで深海にいるような感覚に陥るような、個人的にも大好きな曲だ。そして畳み掛けるように「Jumbo」から「Cowgirl」へと続いた。この代表曲が続いたことでフロアの盛り上がりは最高潮。あとは「Born Slippy」を待つだけという感じだ。
アンダーワールド
そう思っていたら……、本当に「Born Slippy」が来た! 照明も全ての色を使った演出で、大団円とは正にこのことだ。ブレイクでは誰もが手を挙げ、天を仰いだ。2000人を超える観客がアンダーワールドとTOMATOが作り出す世界観に酔いしれた。終演後、帰路につくもの皆が満足気だった。
アンダーワールド
日本を愛し、来日し続けてくれているアンダーワールドの次のライブは18日(月)のUltra Japanでのステージだ。ホールでの演出とは違う、フェスならではの魅力もあることだろう。台風が気になるところだが、今回見逃した方は是非TOKYO ODAIBA ULTRA PARKで彼らの魅力に触れて欲しい。
セットリスト
1.Confusion The Waitress
2.Dark & Long (Dark Train)
3.Pearls Girl
4.Push Upstairs
5.Rez
6.Two Months Off
7.Ova Nova
8.Nylon Strung
9.Dirty Epic
10.King of Snake
11.Peach Tree
12.Jumbo
13.Cowgirl
14.Born Slippy
取材・文=senda 撮影=渡邉一生、森好弘
OPEN 18:00 / START 19:00
1Fスタンディング : ¥9,800-(D代別)2F指定席:¥13,000-(D代別)
Suppoort:TAKKYU ISHINO / Daito Manabe(DJ Set)