LUNKHEADが初めて立った野音の「輝かしい」ステージをレポート

2015.9.24
レポート
音楽

LUNKHEAD

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LUNKHEADワンマンTOUR 2015 FINAL 野音でYeah!!!! @日比谷野外音楽堂

秋分の日を前にした9月22日。久しぶりに夏を感じるほど暑かった昼間の日差しも傾き、涼やかな風が通り抜ける17:30。頭上には昼間の月も顔を見せる中、「これ以上ピッタリなシチュエーションはないんじゃないか」と思わせてくれた「夏の匂い」が染み入るように響き、LUNKHEADのツアーファイナルにして初の野音公演は幕を開けた。

小高芳太朗(Vo,G)

美しくセンチメンタルな同曲を奏で終えたところで、小高(Vo,G)が力強く「LUNKHEADの野音、始まったぞ!」と宣言、そこからは一転して「シンフォニア」「前進/僕/戦場へ」などアッパーな楽曲を連続して披露していく。桜井(Dr)の刻む力強いリズムを中心に、鋭いリフやソロを繰り出す山下(G)、演奏だけでなくアクションでも魅せる合田(Ba)、そして曲によって優しく激しくと表情を変える小高のヴォーカル。LUNKHEADは16年というキャリアで築き上げた円熟のアンサンブルと、瑞々しいくらいの衝動を同時に表現していく。

山下壮(G)

合田悟(B)

桜井雄一(Dr)

イントロから大きな歓声が上がった「体温」を終えたところで、そこまでシンプルだった照明が一気にド派手に点灯。すっかり日が落ちた場内には光線が乱れ飛び、ダンサブルな「闇を暴け」「ENTRANCE」のサウンドとともに会場はどんどん熱気に包まれていく。

中盤には小高が「何で人間は傷つけ合うんかな」と静かに語りかけ、美しいファルセットを響かせた「星の欠片」や、本当の幸せは何でもない日々の中にあるという思いが込められた「うちにかえろう」といったエモーショナルなナンバーが披露され、場内には涙を拭う観客の姿も。ほとんどの楽曲において、ちゃんとギターソロがあって落ちサビがあってラストは大きく盛り上がってーーというロックの黄金パターンに則りながら、それぞれの曲によって様々な思いや表情を見せ、観る者を盛り上げ、心を打っていく。LUNKHEADの真骨頂だ。

 

ここでようやくまとまったMCとなり、小高と山下が全国から集まったファンに語りかけていく。北海道から来たという一団に「ありがとう」と声をかけると、客席からも自然に拍手が巻き起こるなど、この日の野音は本当に温かい。

「寝る前から緊張しとって、(今も)すぐ手がつるんやけど、リードギターちゃうからええか」「ファンもみんな緊張してて、授業参観に来る親みたい」とユーモアたっぷりに小高が語り笑いも起きたところで、この日もグッズとして用意されていたサイリウムのリストバンドをオーディエンスが一斉に点灯させることに。「まだ夏は終わってないぞ!!」との宣言で始まったのは、もちろんダントツに痛快なお祭りソング「スターマイン」。色とりどりの光が客席を満たし、一斉に阿波踊り風の動きで揺れ動く様はまさに花火のよう。美しさと高揚感で彩られる会場に、団扇で煽る小高やギターソロで寝そべって沸かせた山下らメンバーも本当に楽しそうだ。

そこからの終盤はゴリゴリのベースに大歓声が起きた「シンドローム」、ドライブ感満点の演奏に加え「もっと、もっと!」の呼びかけで上り詰めた「アルピニスタ」と続け、本編ラストは「玄関」。アルバム『家』を引っさげて廻ったこのツアーを象徴する、柔らかで温かいサウンド、そして<ただいま、おかえり>のリフレインが優しく場内を包み込んでいった。

アンコールで今後の予定としてアコースティックワンマンツアー『~Very Best of Acoustics~』の開催、『山下壮生誕35周年記念ワンマン年末大感謝祭!!!!』及び『大忘年会2015』、さらには『千客万来のみかん祭』開催と、今後に向けての嬉しいニュースで盛り上げた後、「やってみたかったこと」として、携帯のバックライトを点けるように観客に促し、ゆったりとした「幻灯」を披露。落とされた照明の中客席に満ちた光の粒が左右にゆっくりと振られ、開演時にはステージ左上にひっそりと出ていた月がいつしかステージの真上で光を放つ。ちょっと出来過ぎなくらい良い演出だ。そして「俺らと出会ってくれて/一緒に生きてくれてありがとう」と想いを届け、大きな手拍子に導かれた「スモールワールド」で出会いという”小さな”奇跡を高らかに歌い上げ、4人はステージを後にした……が、鳴り止まない歓声を受け、この日2度目のアンコールへ。

 

いきなりエフェクトをかけまくった強烈な音を放ったかと思いきや、しばしバスドラとギターのみで静かにリズムを刻む4人……いや3人。あとから登場した合田は、なんと「LUNKHEADにとって輝かしい1日ということで、自ら発光してしまいました!」と身体中にLED電飾を巻きつけて登場! 笑いと大歓声に包まれたまま、超ハッピーで超アッパーな「カナリアボックス」を投下し、電飾男もステージを所狭しとスキップしたり走り回ったり、大いに盛り上げる。

最後は「日比谷!愛してるぞ!!」と万感の想いを表した4人。これまで作り上げてきたバンドのサウンドと、積み上げてきたファンとの絆で満ちた記念すべき野音のステージは、歓喜と祝福の中、幕を閉じたのであった。


文=風間大洋


※初回掲載時、一部表記に誤りがございました。謹んで訂正とお詫びをさせていただきます。

SET LIST
LUNKHEAD
ワンマンTOUR 2015 FINAL 野音でYeah!!!!
~日比谷野外大音楽堂~
2015年9月22日(火・祝) 

 1. 夏の匂い
2. シンフォニア
3. 前進/僕/戦場へ
4. 僕たちには時間がない
5. シューゲイザー
6. 体温
7. 闇を暴け
8. ENTRANCE
9. 神様なんていない
10. 誰か教えて
11. 星の欠片
12. 月の城
13. うちにかえろう
14. スターマイン
15. シンドローム
16. アルピニスタ
17. 玄関

[ENCORE]
<EN1>
18. 幻灯
19. スモールワールド
<EN2>
20. カナリアボックス

 

ライブ情報

LUNKHEAD東名阪アコースティックワンマンツアー
~Very Best of Acoustics~


11/22(日) LIVE & BAR SHIBUYA 7th FLOOR
【OPEN】12:00【START】12:30

11/26(木) 大阪cafeRoom
【OPEN】19:00【START】19:30

11/27(金) 名古屋ell.FITS ALL
【OPEN】19:00【START】19:30


LUNKHEAD presents 
山下壮生誕35周年記念ワンマン 年末大感謝祭!!!!


12/05(土) 下北沢CLUB251
【OPEN】12:00【START】12:30

千客万来のみかん祭

2016/3/19(土) shibuya TSUTAYA O-EAST
【OPEN】15:00【START】16:00