『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』東京ゲームショウ2017に風来坊現る 20年ぶりのTGSはどうなった?
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ロックバンド『オワリカラ』のタカハシヒョウリによる連載企画『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』。毎回タカハシ氏が風来坊のごとく、サブカルにまつわる様々な場所へ行き、人に会っていきます。第17回となる今回は、毎年幕張メッセで行われる日本最大のゲームの祭典『東京ゲームショウ2017』に登場。最新作を触れながらその空気を感じてきました。
趣味と仕事のまさに気空域を攻めるこの連載、『サブカル風来坊』。読者とほぼほぼ同じ目線でイベントをガイドする、この動画シリーズも数を重ねてきた。
前回のカプコン来訪に続き今回は、日本が誇るゲームの祭典『東京ゲームショウ2017』に潜入! 毎年3日間で27万人という人が来場し(フジロックの2倍)、今後世に出ていくゲームを先行プレイやイベントで楽しむことができ、しかも「おれはもうやった」という優越感にも浸れるオマケがついてくるゲームの祭典だ。
その様子はぜひ動画を見てほしいが、冒頭で「初めての東京ゲームショウ」とコメントしていますが、実は行ったことありました。それはちょうど20年前の97年の秋、同じく幕張メッセで開催された第3回『東京ゲームショウ』に行ったことがあったのだ。その時の目的は『モンスターファーム』の大会を観戦しにいくことだった。
テクモがプレイステーションで発売した対戦モンスター育成ゲームで、音楽CDやゲームソフトからそれぞれ違うモンスターが生まれるというのがウリだった。このゲームにハマりまくっていた自分は、なんとしてもこのゲームのイベントに行きたい! と父親に頼み込んで幕張メッセに連れて行ってもらったのだ。
大会を観戦できただけでなく、いろんなゲームの体験版とかももらえて「天国じゃん、ここ天国じゃん」と思ったのを覚えている。そんな記憶を思い出しつつ、20年越しの東京ゲームショウとなったわけだが、今回の最大の目的は『モンスターハンターワールド』! 20年たってもどんだけモンスター好きなんだよ、っていう話だが、やはりモンスターはロマンである。
前作『モンスターハンターX(クロス)』その続編の『XX(ダブルクロス)』に激しくハマった身としては、絶対に逃せない狩りチャンスである。カプコンさんのご厚意で国内ほぼ最速プレイに参加させてもらったので、動画の方ではぜひその様子も見てほしい。他にも気になるのが、ウルトラマン、ゴジラ、ガメラ、エヴァなどの巨大生物たちが一堂に会する『巨影都市』だ。これ、特撮ファン的には信じられない夢の競演なのだ。
裏話的な視点でいうと、これらのヒーロー、怪獣、ロボットは、権利を持っている会社がそれぞれ違うので、大人の事情で競演することは滅多に無い。それがこれだけ一堂に会し、プレイヤーは一般市民目線でその脅威から生き延びる、というゲームに期待がかからないわけがない。こちらの『巨影都市』もプレイ可能!ということで、早速遊んできた。
他にも、世界中から集まる「インディーズゲーム」や、今をときめく「VRゲーム」、そして工夫を凝らした展示、マジで「雨後のタケノコ!」ってくらいの圧倒的数の美女コンパニオンの皆さんと、見どころが多すぎて、1日フルでも全く足りない内容に動画もちょっと長くなった模様。おヒマな時に、ちょっと寝る前に、見てもらいたい。
というわけで東京ゲームショウ2017の様子はいかがだっただろうか。目玉となる『モンスターハンターワールド』は、かなりの所謂「神ゲー」の予感がする。
グラフィックの美麗さは、フィールドやモンスターのリアリティを増幅させ、まさに来たるべき進化を迎えたな、という印象だ。フィールドが従来よりかなり広く、高低差なども複雑になっている分、「モンスターの痕跡からターゲットを追跡する」という新しい要素が新鮮だ。操作感も良く、フィールドが広い分、キャンプ地からキャンプ地への移動や、キャンプ地での装備変更、採掘の高速化、などのホスピタリティの高さが嬉しい。
『クロス』が空中技などもあり派手な印象だったのに対し、今回はもう少し重厚さを感じさせる。正統進化したモンハンとしての風格を持ったゲームだと思う。あとは、「やり込み」が基本にあるモンハンシリーズ。繰り返し長く遊んでいく上で、「作業感」をどう感じさせないか、どんなサプライズや面白さが用意されているのかに期待がかかる。
特撮好きとしての注目作『巨影都市』も、想像以上の迫力を持っていて、巨影たちの巨大感をしっかり演出してくれていた。選択肢によっては、コンビニのレジ内に勝手に侵入して店員に話しかけたり、巨大生物との遭遇で命の危険にさらされても自撮りする主人公に驚かされること請け合い。インディーズゲームでは、イギリスから来た人の良さそうな青年が作ったパーティーパズルゲームが面白かった。「カフェに置いてみんなで楽しんでほしい」とのことだ。
そんなわけで数多くのゲームに触れていよいよゲーム熱が高まってきてる秋。オワリカラの11月からの全国ツアーに3DSだけでなくPS4を持っていくか、いよいよ本気で検討している。
最新のゲームから離れて久しかったのだが、最近は20年前のゲームショウで興奮していた子供の頃と同じように純粋にゲームを楽しめている。思えば、大人になる過程で頭のどこかで「ゲームなんて時間のムダだよ」という風に考えていたのかもしれない。それが今は「生きている中で、ムダな物なんて無い」と考えるようになってきたんだ。
その最大の理由は、たぶんこの連載での『マジック:ザ・ギャザリング』のプロプレイヤー八十岡翔太さんとの対談で、カードゲームに人生を捧げ、その道を切り開いてきた八十岡さんの活躍に、本気で楽しもうとするならば、仕事も音楽もゲームも同じ熱量だと感じた。
この連載も、1周年。これからも、本気で楽しめるものを書き、本気で楽しんでる人に会いに行きたい。今後ともこの『サブカル風来坊!!』を宜しくお願いします。