牧阿佐美バレヱ団が「~ 躍動 ~ 牧阿佐美バレヱ団よみうり大手町ホール特別公演」を上演! 日髙有梨、清瀧千晴がみどころを語る
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「~ 躍動 ~ 牧阿佐美バレヱ団よみうり大手町ホール特別公演」公演チラシより
2017年11月3日(金・祝)、よみうり大手町ホールで「~ 躍動 ~ 牧阿佐美バレヱ団よみうり大手町ホール特別公演」が行われる(主催:読売新聞社)。同ホールは14年3月、読売新聞東京本社内に開館した。客席数501席と一番後ろの席からも舞台が見やすく、舞台と客席が近い温かみのある空間が魅力だ。
よみうり大手町ホール ©読売新聞社
牧阿佐美バレヱ団は16年に創立60周年を迎えた名門で、近年フレッシュな才能が続々と登場している。「~ 躍動 ~」では、彼らがバレエ団自慢のレパートリーを新たに輝かせる。
メインは米の振付家ウィリアム・ダラー(1907~86)の『コンスタンチア』。ショパンの「ピアノ協奏曲第2番」を用いてショパンと初恋の人コンスタンチアの愛を描き、そこに彼の人生に多大な影響を与えた女性作家ジョルジュ・サンドが絡む。14年にスペインのグラナダダンスフェスティバルでも上演されたバレエ団の代表作のひとつである。「ショパン、コンスタンチア、ジョルジュ・サンドそれぞれの関係性や個性が描かれている作品です。またピアノの鍵盤を表す女性群舞もきれいです」と紹介するのはジョルジュ・サンド役を踊る日髙有梨。舞台経験豊富な実力者だ。
日髙有梨
サン=サーンスの『動物の謝肉祭』より「白鳥」も話題。チェロ生演奏を清瀧千晴が担当する。清瀧はボリショイ・バレエ学校に学んだ本格派だが、音楽家の両親のもと3歳からバレエだけでなくピアノを習い、のちにチェロに転じ高校1年生まで学んだ。清瀧は「楽しみですがプレッシャーの方が大きいですね。しっかりとバレエを観ていただいた流れで演奏するところに意外性があると思います」と抱負を語る。そして「楽器を演奏すると感性に働きかけます。指先と頭を使って楽器の振動を体で直に感じ、自分でリズムを創っていく作業は、肉体で表現することに近いと思います。音楽を学んだことはバレエを踊るうえでいい影響がありました」と話す。
清滝千晴
また飛鳥時代を舞台にした『飛鳥 ASUKA』より第1幕「竜剣の舞」、故・高円宮憲仁親王に捧げられた幻想的な物語バレエ『時の彼方に ア ビアント』の第2幕第3場「白い部屋」は牧バレヱ団独自の演目で、古典とは一味も二味も違った味を楽しみたい。
日髙、清瀧の他に、近年相次いで権威ある舞踊賞を受賞するなど活躍目覚ましいプリンシパルの菊地研と青山季可、清楚で端正な踊りが持ち味の織山万梨子、先だって『ドン・キホーテ』のキトリ役を颯爽と踊り初の全幕主演を成功させた新星・阿部裕恵らが出演し、特別公演にふさわしい陣容となっている。
「オリジナルのものから古典的な作品のいいところまでを一堂にご覧いただける」(清瀧)。「若手ダンサーも数多く出演しておりますので、牧阿佐美バレヱ団の新しい風を感じていただけると思います」(日髙)。多彩で魅惑的な作品群を演者の息遣いまでもが伝わる空間で満喫できる又とない機会になるだろう。
取材・文=高橋森彦
■会場:よみうり大手町ホール
■演目・出演
『ヴァリアシオン・プール・カトル』
振付:三谷恭三
音楽:ウィリアム・ウォルトン「ファサード組曲」
出演:細野生 石田亮一 鈴木真央 田村幸弘
『飛鳥 ASUKA』第1幕より「竜剣の舞」
振付:牧阿佐美
音楽:片岡良和
出演:太田朱音
『パリの炎』よりグラン・パ・ド・ドゥ
振付:ワシリー・ワイノーネン
音楽:ボリス・アサフィエフ
出演:米澤真弓 濱田雄冴
『ロメオとジュリエット』よりバルコニー・シーンのパ・ド・ドゥ
振付:三谷恭三
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
出演:阿部裕恵 清瀧千晴
『動物の謝肉祭』より「白鳥」
振付:三谷恭三
音楽:カミーユ・サン=サーンス
チェロ演奏:清瀧千晴
出演:三宅里奈
『時の彼方に ア ビアント』第2幕3場 「白い部屋」
振付:ドミニク・ウォルシュ
音楽:三枝成彰
出演:青山季可 ラグワスレン・オトゴンニャム
『コンスタンチア』
振付:ウィリアム・ダラー
音楽:フレデリック・ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」
出演:コンスタンチア 織山万梨子
ショパン 菊地研
ジョルジュ・サンド 日髙有梨
ソリスト 茂田絵美子 中川郁 三宅里奈 高橋万由梨
尾形結実 岡本麻由 田切眞純美 武本真利亜
塩澤奈々 風間美玖 西山珠里 光永百花
今勇也 中島哲也 坂爪智来 松田耕平
元吉優哉 米倉大陽 山際諒 近藤悠歩
■公演情報ページ:http://yomi.otemachi-hall.com/event/event_21502.html