健太郎のヤンキーぶりを元総長・佐田正樹が賞賛「肩がぶつかったら謝ってしまうかも」『デメキン』京都国際映画祭2017舞台あいさつ

10月14日、Tジョイ京都にて、『京都国際映画祭2017』の特別招待作品『デメキン』が上映され、終了後の舞台挨拶に主演を務めた健太郎、原作者の佐田正樹（バッドボーイズ）、主題歌を担当したカナタタケヒロ（LEGO BIG MORL）、山口義高監督督が登壇した。

佐田の不良時代を描いた実録自伝小説・コミックスの映画化『デメキン』は、いじめられっ子の佐田（健太郎）が福岡の伝説の総長になっていく姿を描いた、青春グラフィティ。幼少期からデメキンと呼ばれ、いじめられていた男・佐田は、ある日「強くならなければ」と覚悟を決めて拳を握った。そして、いつしか喧嘩無敗と数々の伝説を作り出し、福岡最大勢力の暴走族の総長へとのぼり詰める。

本作で映画初主演をはたした健太郎は、「初めての主演作ということで、今までに感じたことのない思いの入れ方で、本当に皆の熱い思いが集結した作品です」と話し、「佐田正樹という主人公を演じるのは光栄なことで、素直にめちゃめちゃうれしかったです。これくらい振り切った不良役も今までやっていないですし、佐田さんの半生を代わりに演じるので、生半可な気持ちでやれないなと思って、バチバチに気合いを入れていました」と、感無量の表情で想いをたぎらせる。

「休憩時間とかも、周りのキャストの皆と、映画から飛び出てきた感じでずっとくだらないことで競い合ったりしていたんです」と朗らかに話す健太郎。「もし、映画の舞台のような地域にいたら不良になっていたか？」とMCから質問が飛ぶと、「なっていたと思います」と即答し、「すごい憧れますもん。『デメキン』をやったからこそでもあるんですけど、自分が演じていて嫉妬する部分があったりして。不良に憧れるというより、仲間感に憧れるというか、羨ましいと思って」と、劇中で描かれる仲間との友情や絆について語った。

そんな健太郎を温かい目で見つめていた佐田は、「ノンフィクションですが、唯一フィクションなのは主演が男前なこと。大幅なフィクション（笑）」と場内を笑いに包み込みながらも、「いざリハをやって、本番になるにつれて、『こんなヤンキーと街中で肩がぶつかったら謝ってしまうかも』と思うくらい、怖くなっていく健太郎を見てうれしかったです」と万感の思いを込めた。特徴的なヤンキー風の歩き方については、しっかりと健太郎をレクチャーしたそうで「やっぱり不良は歩き方なんですよ。教えたら、普段から歩き方がこう（不良のように）なってたもん。意識してたよ」と、健太郎のなりきりぶりを讃えた。

メガホンをとった山口監督曰く、健太郎を主演に迎えた最大の要因は「目」だという。「健太郎の魅力をひとつだけ挙げるなら、目。キャスティングでは、佐田さんの目を演じなければいけないとダメなので、目が重要なポイントでした。すると、健太郎しかいないと白羽の矢が立って。すごくセクシー（な目）ですよね」と、映画の中で様々な輝き方を見せる健太郎の表現力についても触れた。

本作のために、主題歌「一秒のあいだ」を書き下ろしたLEGO BIG MORLのヴォーカル・カナタは、山口監督に3曲渡していたことを明かし、「正樹と厚成（山田裕貴）の掴み合った友情を、どう音楽で表現できるかをすごく重要視していました。3曲の中で一番アッパーなやつが使われているんですけど、エンディングにめちゃくちゃはまっていますよね…と自分でも思っちゃって（笑）。作れてよかったな、この機会をいただいてよかったなと思っています」と、しみじみと心中を明かしていた。

映画『デメキン』は2017年12月2日（土）シネマート新宿ほか全国ロードショー。
『京都国際映画祭2017』は10月15日（日）まで、よしもと祇園花月ほか京都市内各地で開催中。